ニキビができる原因と対策まとめ!メカニズムから見るニキビの基礎知識
思春期は誰もがニキビに悩まされるものですが、実は大人になってからもニキビに悩む方は多いものです。
このニキビですが、医学的にみると皮膚の病気に分類されることを知っていましたか?
今回は、思春期の若者も大人も経験する、ニキビのメカニズムとその原因についてみていきましょう。
またニキビの正しいケア方法もお伝えしますので、しっかりと理解してニキビを撃退しましょう。
目次
そもそもニキビとは何か?
ニキビとは、「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という皮膚の病気の通称です。
以前は、思春期にできる発疹を「ニキビ」と呼び、大人の肌にできるものは「吹き出物」と呼んでいました。
しかし、実際は両者とも同じものなので、近年では大人の肌に出来る物を「大人ニキビ」とし、どちらもニキビと呼ばれるようになりました。
ニキビの発疹は、毛穴に皮脂が詰まり炎症を起こした結果、皮膚が盛り上がったものです。
発生の初期段階でケアするとすぐに治りますが、症状が進行すると皮膚の凸凹や色素沈着などのニキビ跡を残してしまうことがあります。
ニキビができる場所は?
基本的には、おでこ、頬、口の周り、あごの下など顔を中心に発疹が現れますが、胸、背中、腕にもできることがあります。
10代の思春期ニキビは額から鼻にかけてのTゾーンに出来ることが多く、20代以降の大人ニキビは頬、下顎、口の周りのUゾーンに多く発生するようになります。
ニキビのメカニズム
それでは、ニキビができるメカニズムやその種類を詳しく見ていきましょう。
(1)角質が厚くなり、毛穴が詰まる
肌の表面の角質層が厚みを増し硬くなる「異常角化」という状態になることからニキビは始まります。
異常角化の状態になると、毛穴の出口を角栓が塞いでしまい、毛穴の詰まりが発生します。
この状態が「微小面皰」と言う、初期段階のニキビです。
この詰まった毛穴に皮脂が溜まってしまい、皮脂をえさにするアクネ菌が増えることによって、ニキビの症状が進行していきます。
微小面皰は皮膚の発疹ができても、肉眼では見えないほど小さいものです。
従って一般的なイメージの「ニキビ」は、この次の段階以降のものを指します。
(2)面皰(コメド)ができる
角質が硬く厚みを増して毛穴がつまり、皮脂が毛穴に溜まって微小面皰を作ると、その次の段階は皮脂がかたまった「面皰」(コメド)になります。
これはニキビの初期段階で「閉鎖面皰」(白ニキビ)と呼ばれ、肌の表面の皮膚が盛り上がります。
手に触れると少しそれがわかる程度で、ニキビの周りの皮膚に異常は見られません。
白くぽつりとできて毛孔は閉じた状態で、潰すと白や黄色っぽい膿状のものが出てきます。それが毛穴に溜まった皮脂のかたまりです。
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そして、症状が進むと黒ニキビと呼ばれる「開放面皰」になります。
これは、白ニキビの状態で毛穴に溜まっている皮脂が、毛孔を押し広げて外に露出した状態になったものです。
むきだしの皮脂に汚れが付いたり、皮脂の油分が酸化したりして、ニキビの先端が黒ずんできます。これが黒ニキビと呼ばれるものです。
この段階では、白ニキビも黒ニキビもまだ炎症を起こしていない状態です。
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(3)炎症が起こる
ニキビが炎症を起こすと、丘疹(きゅうしん)=「赤ニキビ」になります。
これは白ニキビ、黒ニキビの状態が悪化して炎症が起きてしまった状態です。
毛穴に溜まった皮脂をエサに、ニキビの原因菌となるアクネ菌が繁殖するため炎症がおきます。
ニキビまわりの皮膚が赤くなり、炎症を起こしていることが見た目からも明らかになります。
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この段階まで進むとニキビ薬や、抗生物質での治療が有効になります。
ニキビが治っても色素沈着やクレーターとしてニキビ痕が残る場合がありますので、 はやめに炎症を抑える事が大切です。
(4)炎症が悪化する
赤ニキビの炎症がさらに悪化して症状が進行すると、化膿して膿が溜まった状態になります。
これは膿疱(のうほう)=「黄ニキビ」と呼ばれ、赤ニキビよりもさらにニキビ痕が残る可能性が高くなります。
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(5)炎症が毛穴のまわりまでおよぶ
ニキビの末期症状は、膿腫(のうしゅ)=「紫ニキビ」です。
この膿腫は、膿疱(黄ニキビ)を放置すると起こり、患部がだんだんと硬くなって皮膚の深くでしこりのようなものができて起こります。
結節ニキビ、硬結ニキビとも呼ばれることがあり、少し触るだけで痛みがあり、治るまでには時間がかかります。
こうなったニキビを手で触ることは厳禁です。
潰してしまうと皮膚の細胞組織が壊され、肌にクレーターや色素沈着などの後遺症が残ります。
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ここまでニキビが悪化してしまうと、家庭でのニキビケアでは治すことが難しくなりますので、市販薬ではなく、皮膚科やニキビの専門医に相談して早めの治療にあたりましょう。
(6)陥没してニキビ跡になる
ニキビが怖いのは、炎症を起こすと瘢痕(はんこん)=「ニキビ跡」になる可能性があることです。
ニキビの炎症によって皮膚の周囲組織がダメージを受け、ニキビ跡となりますが、その状態は主に「色素沈着」と「クレーター」の2種類に分けられます。
しかしニキビが悪化してしまうと、場合によってはケロイドを引き起こすこともあります。
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ニキビの原因とは?
ニキビの原因に特定の決まりはなく、様々な原因によって引き起こされます。
また、一つの要因だけではなく、複数の要因が重なってニキビの原因となることもあります。
今回は、その主な原因となるものをご紹介します。
思春期
第二次成長期を迎える13〜15歳ごろは、男女共に男性ホルモンが急激に増え皮脂の分泌が活発になります。
思春期は過剰分泌した皮脂が毛穴に詰まることでニキビができるわけなのです。
20歳前後になるとホルモンバランスも安定するため、皮脂の分泌も落ち着いてきます。
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ホルモンバランスの乱れ
不規則な生活を繰り返していると、ホルモンバランスが乱れて体に不調をきたします。
ホルモンバランスが乱れて男性ホルモンが過剰になると、ニキビや吹き出物ができやすくなるのです。
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ストレス
ストレスを感じた時には、自律神経の交感神経が優位な状態になり、男性ホルモンとノルアドレナリンの分泌が活発になります。
すると、皮脂の増加と角質の角化異常という状態を起こします。
ストレス状態が慢性的に続くと、角化異常でふさがった毛穴に過剰に分泌された皮脂が溜まり、ニキビを作ります。
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睡眠不足
睡眠時間が不足すると、自律神経の交感神経が活発になり、心身が緊張状態になります。
交感神経が優位になると、男性ホルモンが分泌され、皮脂の過剰分泌に繋がります。
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バランスの悪い食事
油っこい揚げ物やスナック菓子などの脂質の多いものだけではなく、動物性脂肪や糖分の過剰摂取が皮脂の分泌を活発にしてしまいます。
そして偏った食事はビタミン不足を招きます。
ビタミンB2、B6などは、皮脂の分泌を調整する働きがあり、不足すると皮脂の過剰分泌に繋がります。
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生理前
生理によるホルモンバランスの乱れにより、皮脂の分泌が増えることでニキビの原因になります。
生理前になると、肌の免疫力を保つエストロゲンが減り「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が活発に分泌されはじめます。
この黄体ホルモンが、皮脂の分泌を活発にするのです。
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乾燥
ニキビはベタつきの多い脂性肌に起こるものと思われがちですが、実は乾燥して角質層の保水力が失われた乾燥肌もニキビを引き起こすことがあります。
乾燥して肌の水分量が減ると、肌のバリア機能も低下するため、皮膚は大量の皮脂を分泌して肌を守ろうとします。
過剰な皮脂は毛穴に溜まり、やがてニキビにつながります。
乾燥肌はニキビができやすい?乾燥ニキビの原因やおすすめの保湿化粧品を紹介
間違ったスキンケア
ニキビが出来ている時ほど、お肌の油分を取ることに一生懸命になりがちですが、クレンジングや洗顔で皮脂を取り過ぎることは逆効果です。
皮脂を取りすぎると肌のバリア機能が低下してしまい、お肌を守るために角質を厚くします。
また、保湿力が低下しているので角質層の水分量が不足し、ターンオーバー周期が乱れ、古い角質が剥がれずにシミやごわつきを発生させます。
古い角質や皮脂、汚れなどが混ざり合って毛穴に詰まり、そこにアクネ菌が繁殖して炎症を起こすため、結果的にニキビに原因になります。
ニキビの正しいケア方法
ニキビができてしまった場合の基本のケア方法は正しいスキンケアを行うことです。
先ほども説明したように、間違ったスキンケアはニキビの原因にもなりますので、正しいスキンケアを覚えましょう。
洗顔とクレンジングで毛穴汚れやメイクを落とす
ニキビは毛穴詰まりから引き起こされますので、ニキビができにくい肌にするためには洗顔とクレンジングが重要。
ニキビの一番の予防法となりますので、念入りにケアするようにしましょう。
洗顔は低刺激なものを選ぶ
洗顔は低刺激で泡立ちの良い洗顔料を選び、たっぷりの泡で転がすように優しく洗います。
すすぎ残しはニキビの原因となりますので、生え際までしっかりと洗い流してください。
ニキビ対策の基本は洗顔にあり!正しい洗い方とおすすめの洗顔料とは?
女性はクレンジングも必須!
メイクをする女性はクレンジングもとても重要!
きちんとメイクが落ちるうえ、肌に優しいクレンジング剤を選ぶようにしましょう。
ニキビ肌のクレンジングの選び方とは?おすすめのクレンジングを紹介
化粧水と美容液はニキビケア成分が含まれたものを選ぶ
できたニキビをケアして、ニキビのできにくい肌に整えるためには化粧水と美容液が欠かせません。
化粧水は有効成分が含まれたものを選ぶ
特に化粧水はスキンケアにとっても欠かせない存在で、肌にうるおいを与える役割があります。
ニキビケアにおすすめの有効成分が含まれたものを選ぶようにしましょう。
ニキビケアには化粧水の選び方が大事!おすすめの化粧水・成分を紹介
積極的にニキビケアしたいなら美容液をプラス
また美容液もニキビケアには重要です!
プラスケアとして化粧水で補えない分をカバーしてくれる役割がありますので、ニキビを積極的にケアしたい人はぜひ美容液も取り入れましょう。
ニキビ肌におすすめの美容液を紹介!美容液の効果的な使い方とは?
乾燥対策のために乳液・クリームで肌を守る
ニキビ肌には油分が悪いと乳液やクリームを避ける人がいますが、乾燥からできるニキビには乳液やクリームが必要です。
特に大人ニキビは乾燥によって引き起こされることが多いので、しっかりと乳液またはクリームで保湿するようにしましょう。
セラミド配合の乳液がおすすめ
そこまで乾燥が気にならず、化粧水や美容液の蒸発を防ぐ役目として使うなら、乳液がおすすめです。
特に保湿成分でもニキビ肌におすすめのセラミドが入っているものを選ぶといいでしょう。
ニキビ肌に乳液は必要?乾燥対策におすすめのセラミド乳液を紹介!
乾燥がひどい場合はクリームを使おう
しかし、乾燥がひどく顔がカサカサするという人はクリームを使って保湿をすることをおすすめします。
それでも乾燥が気になる人は乳液とクリームを合わせて使うことも出来るので、自分の肌質に合わせて使い方を選びましょう。
ニキビ肌におすすめのクリームを紹介!クリームの役割と選び方とは?
ニキビケアにおすすめのスキンケアシリーズ
普段からのニキビケアを積極的に行うために必要なスキンケアシリーズを紹介します。
ニキビケアにおすすめなものを集めましたので、ぜひ参考にしてください。
ファンケル アクネケア
ファンケルアクネケアがおすすめなのは以下の方です。
- 敏感肌・乾燥肌で低刺激なスキンケアを使いたい人
- ニキビケアだけでなく、ニキビ跡ケアも行いたい人
- しっとりとした使い心地で保湿ケアもしっかりと行いたい人
ファンケルアクネケアは繰り返すニキビを根本からケアするスキンケアシリーズです。
肌バリアを高めてくれる漢植物エキス配合で、肌トラブル知らずの健やかな肌へ整えます。
肌に優しい無添加処方となっているので、敏感肌や乾燥肌の人にも安心!
アケビアエキスが色素沈着を予防し、プルーン酵素エキスが古い角質を除去します。
毛穴ケアからニキビ跡ケアまで行える、素肌力を高めたい人におすすめのニキビケアとなっています。
ファンケルアクネケアの特徴と口コミを紹介!ニキビケアに効果はある?
ルナメアAC
ルナメアACがおすすめなのは以下のような方です。
- 毛穴が詰まりやすく、ニキビができやすい人
- 思春期や男性の繰り返すニキビに悩んでいる人
- 肌へのうるおいにもこだわりたい人
ルナメアACは毛穴ケアにこだわり、繰り返すニキビを根本からケアしていくスキンケアシリーズです。
細い繊維状のファイバースクラブで毛穴の奥の汚れまで、やさしくゴッソリ取り除きます。
富士フィルムの技術を生かした「アクネシューター」で、ニキビケア成分とうるおい成分がニキビのもとまで直接働きかけます。
ハーバルモイストでしっとりとうるおう肌へ導いてくれるので、ニキビの原因となる乾燥も防ぎます。
ニキビケア「ルナメアAC」の成分や口コミを紹介!どこで購入できるの?
オルビスクリア
オルビスクリアがおすすめなのは以下の方です。
- 生理前ニキビや乾燥によるニキビができやすい人
- あごや口周りに繰り返すニキビができやすい人
- しっとりとさっぱりと自分に合ったテクスチャーを選びたい人
オルビスクリアは繰り返すニキビや生理前のニキビなど、周期的にできるニキビを予防するために肌バリアを高める、医薬部外品のニキビケアシリーズです。
肌のコンディションを整える「紫根エキス」、ニキビ・肌荒れをケアする「グリチルリチン酸ジカリウム」を配合し、ニキビができにくい肌へ導きます。
ニキビのもととなるオイルを100%カットし、保湿成分としてヨクイニンやコラーゲンは配合。
ノンコメドジェニック処方となっており、脂性肌向けはさっぱりタイプ、乾燥肌向けはしっとりタイプと2種類に分かれています。
ニキビケア「オルビスクリア」の特徴や成分は?気になる口コミも紹介
ノブACアクティブ
ノブACアクティブがおすすめなのは以下に当てはまる方です。
- 敏感肌・乾燥肌でニキビケアをしたい人
- 角質ケアから保湿ケアまで積極的にニキビ予防したい人
- ニキビの炎症のアフターケアも行いたい人
ノブACアクティブは、敏感肌や乾燥肌でも積極的にニキビケアができるスキンケアシリーズです。
マイルドリーリング効果で毛穴の汚れや古い角栓を素早く取り除きます。
また有効成分サリチル酸がニキビの原因に働きかけ、アクネ菌を殺菌します。
美肌成分と保湿成分もたっぷり入っているので、肌にうるおいを与えながら健やかな肌へ導きます。
ニキビケア「ノブACアクティブ」の口コミを紹介!ニキビ跡ケアもできる?
まとめ
以上、にきびの症状や発生のメカニズムをご紹介しました。
ニキビは様々な原因によって皮脂が過剰分泌することで起こります。
ニキビができてしまったら、その状態がどの段階にあるか、原因は何かを突き止めることが治療の第一歩になります。
今一度、自分のニキビがどのような状態で原因は何かということを確認してみてくださいね。
またニキビをケアするには毎日のスキンケアが重要です。
ニキビケアシリーズを使って、ニキビのできにくい健やかな肌を目指しましょう。
参考文献:池田書店 素肌美人になるためのスキンケア美容医学事典 P184~P201
参考文献:学研出版 最新版 肌美人になる スキンケアの基本 悩み解消パーフェクトBOOK P110‐115