FX会社が主催しているセミナー等は、実際受講して役に立つ？

2020年12月26日

FX会社が口座開設者獲得のために、セミナーを行っているケースがよくあります。インターネットの時代を反映して、ネット上でセミナーを開催し、全国どこからでも参加可能にしているセミナーも増えています。

果たして、こうしたセミナーには参加するべきなのでしょうか？今回はこのFX会社が主催しているセミナーについて、じっくりと検証していきましょう。

セミナーのレベルは上がっている

「FX会社のセミナーって、レベルはどうなの？」

これは、誰もが気になるところでしょう。

FX会社のセミナーは、FX黎明期創から様々な形で開催されています。もともと、商品先物取引系の経験がある人材がやっている会社が多かったため、セミナーで見込み客を集めて、そこから口座開設につなげて売買を行ってもらう、という意図が見え見えでした。

質の低い会社が多いうえに宣伝色も強く、うんざりしてストレスが溜まるようなセミナーが珍しくなかったのです。

その後、FX業界では多くの会社が淘汰され、レバレッジなどさまざまな規制が設けられたこともあり、現在はFX会社のほとんどが健全な会社になっています。

そしてそれに伴い、セミナーの質もずいぶんと向上しました。

もちろん、自社の口座開設数を増やすことが目的なのは変わりませんが、宣伝色や営業色は以前と比べれば薄くなっています。そのことからも参加する側が問題意識を持って参加すれば、得られるものは十分にあるでしょう。

ぜひ参加したい、有名トレーダーが講師に招かれているケース

以前のFX会社のセミナーは、それこそ「FXとは」という部分から始まり、「初心者がFXを始めるには」、「通貨ペアとは」、「ロングとショートの違い」等々、FXの基本的な部分の説明に多くの時間を割いている傾向がありました。

当時はそれほどFXに対して知識がある人も少なかったため、やむを得ない面はあったかと思いますが、一定のレベル以上の知識・経験を持つ人にとっては物足りないセミナーが多かったのも事実です。

しかし、最近のFX会社のセミナーに参加すると、ある程度聞き手のレベルが問われるセミナーが多くなった実感があります。例えば「ＦＸ初心者向けセミナー」も当然存在していますが、そういったセミナーを除くと、「ファンダメンタル情報から見た現在の相場環境」や「テクニカル指標の実戦的な利用方法」など、ＦＸ初心者を脱したレベルでないと理解できないセミナーが増えてきています。

また、以前には存在していなかった、FX業界の有名トレーダーがセミナーに講師として呼ばれる、というのも最近のセミナーの特徴だと言えるでしょう。当然、講師はある程度のレベルの話をするでしょうから、聞く側が最低限の知識を有していないと話に付いていけない状態となります。ただし学ぶことも多いので、是非参加してみると良いでしょう。

ネットの普及もセミナーの質向上に貢献

なぜ最近のセミナーのレベルは上がってきたのでしょうか。

その理由のひとつは、インターネットの普及でしょう。スマートフォンで日常的にウェブ情報にアクセスできるようになったこともあり、FXに関するコンテンツは非常に増え、ある程度の基本知識は簡単にウェブから入手できるようになりました。

必然的に、受講者のレベルも上がります。せっかくセミナーに人を集めても、がっかりさせてしまうようでは口座開設につながりません。逆に、「この会社のセミナーは役に立つ」と思わせれば、少なくともそのFX会社の情報に注意するようになります。いわば、「見込み客」を獲得できるわけです。

セミナーに参加しても「ネット情報と変わらない」と思わせてしまっては逆効果です。

「なんとか受講者を満足させなければならない」―FX会社がそう思うようになったのが、最大の変化の理由ではないでしょうか。

FX会社は本気でセミナーを運営している

受講者を満足させるためには、本気のセミナーを開催する必要があります。経費をかけ、有名トレーダーを招聘するならば謝礼も支払うわけですから、会社としても結果を出さなければなりません。

そのため現在のFX会社のセミナーは、参加する甲斐があるといえるでしょう。逆に気をつけたいのは、むしろ受講する側の姿勢です。無料のセミナーだと、聞かなくても損はしないという意識が働くせいか、聞き流している人も多いのが現実です。確かに、たとえばネット上で行われるセミナーは、夜に開催されることが多いため、疲れてまともに受講できない人が多いかもしれません。

しかし全部は無理でも、知識が足りない分野だけでも本気で参加してみてはいかがでしょうか。一度、興味のある分野のセミナーを、本気で聞いてみると得られるものもあります。そして意外なレベルの高さに、思わずうなることがあるかもしれません。