ここでは、取引所FXと言われている、くりっく365の各種ルールをまとめました。
2012年の税制改正によって、店頭FXと制度上はそれほど変わらなくなったくりっく365ですが、トレード先を店頭FXとするかくりっく365にするか、迷った際の参考にしてください。
ここでは、取引所FXと言われている、くりっく365の各種ルールをまとめました。
2012年の税制改正によって、店頭FXと制度上はそれほど変わらなくなったくりっく365ですが、トレード先を店頭FXとするかくりっく365にするか、迷った際の参考にしてください。
FXの世界で一般的な取引通貨単位は1万通貨です。
通常、1万通貨=1枚と呼んでいます。
くりっく365は1万通貨が最低の取引通貨単位ですが、南アフリカランド/円など、10万通貨が最低取引単位の通貨ペアもあります。
[表1:くりっく365で取り扱われている通貨ペアと取引単位]
通貨ペア | 取引単位 | 基準価格に対する注文受付可能幅 (誤入力防止のための超過制限幅) |
|
買指値/売りトリガー | 売指値/買いトリガー | ||
米ドル/円 | 1万 | 基準価格+3.000円 | 基準価格-3.000円 |
ユーロ/円 | 基準価格+4.000円 | 基準価格-4.000円 | |
英ポンド/円 | 基準価格+5.00円 | 基準価格-5.00円 | |
豪ドル/円 | 基準価格+3.000円 | 基準価格-3.000円 | |
スイスフラン/円 | 基準価格+3.00円 | 基準価格-3.00円 | |
加ドル/円 | |||
NZドル/円 | |||
南アフリカランド/円 | 10万 | 基準価格+0.700円 | 基準価格-0.700円 |
トルコリラ/円 | 1万 | 基準価格+1.80円 | 基準価格-1.80円 |
ノルウェークローネ/円 | 10万 | 基準価格+0.700円 | 基準価格-0.700円 |
香港ドル/円 | 基準価格+0.500円 | 基準価格-0.500円 | |
スウェーデンクローナ/円 | 基準価格+0.600円 | 基準価格-0.600円 | |
ポーランドズロチ/円 | 1万 | 基準価格+1.60円 | 基準価格-1.60円 |
ユーロ/米ドル | 1万 | 基準価格+0.04米ドル | 基準価格-0.04米ドル |
英ポンド/米ドル | 基準価格+0.05米ドル | 基準価格-0.05米ドル | |
英ポンド/スイスフラン | 基準価格+0.05スイスフラン | 基準価格-0.05スイスフラン | |
米ドル/スイスフラン | 基準価格+0.03スイスフラン | 基準価格-0.03スイスフラン | |
米ドル/加ドル | 基準価格+0.03カナダドル | 基準価格-0.03カナダドル | |
豪ドル/米ドル | 基準価格+0.03米ドル | 基準価格-0.03米ドル | |
ユーロ/スイスフラン | 基準価格+0.04スイスフラン | 基準価格-0.04スイスフラン | |
ユーロ/英ポンド | 基準価格+0.04英ボンド | 基準価格-0.04英ポンド | |
NZドル/米ドル | 基準価格+0.03米ドル | 基準価格-0.03米ドル | |
ユーロ/豪ドル | 基準価格+0.04豪ドル | 基準価格-0.04豪ドル | |
英ポンド/豪ドル | 基準価格+0.05豪ドル | 基準価格-0.05豪ドル | |
※2015年11月19日現在 |
なお、店頭FXの場合は、各FX会社がサービス内容を競った結果、現在は1通貨や100通貨、1,000通貨といった単位でのトレードが可能なFX会社も存在しています。
店頭FXの場合は、平日は24時間取引可能としている会社もありますが、くりっく365は朝方に取引ができない時間帯が存在します。
以下がくりっく365の取引可能時間です。
[表2:くりっく365の取引可能時間]
くりっく365の取引可能時間 | ||
米国冬時間(標準時間) | 米国夏時間 | |
月 | 対円通貨取引/7:10~翌6:55 クロスカレンシー取引/7:10~翌6:25 |
対円通貨取引/7:10~翌5:55 クロスカレンシー取引/7:10~翌5:25 |
火・水・木 | 対円通貨取引/7:55~翌6:55 クロスカレンシー取引/7:55~翌6:25 |
対円通貨取引/6:55~翌5:55 クロスカレンシー取引/6:55~翌5:25 |
金 | 対円通貨取引/7:55~翌6:00 クロスカレンシー取引/7:55~翌5:30 |
対円通貨取引/6:55~翌5:00 クロスカレンシー取引/6:55~翌4:30 |
表にあるように、クロスカレンシー取引は、対円通貨取引より30分早く取引が終了します。
なお、原則として土曜日、日曜日、1月1日(1月1日が日曜日の場合は1月2日)は休業日となっています。
くりっく365では以下の24通貨ペアの取引が可能となっています。
[表3:くりっく365で取引可能な通貨ペア]
通貨ペア | |
対円通貨 取引 |
米ドル/円 |
ユーロ/円 | |
英ポンド/円 | |
豪ドル/円 | |
NZドル/円 | |
スイスフラン/円 | |
加ドル/円 | |
南アランド/円 | |
ノルウェークローネ/円 | |
香港ドル/円 | |
スウェーデンクローナ/円 | |
ポーランドズロチ/円 | |
トルコリラ/円 | |
クロスカレンシー 取引 |
ユーロ/米ドル |
豪ドル/米ドル | |
NZドル/米ドル | |
英ポンド/米ドル | |
ユーロ/豪ドル | |
英ポンド/豪ドル | |
米ドル/スイスフラン | |
米ドル/加ドル | |
ユーロ/スイスフラン | |
ユーロ/英ポンド | |
英ポンド/スイスフラン |
くりっく365も店頭FXも、現在、レバレッジは25倍までと規制されています。
くりっく365も店頭FXも、必要な証拠金はほぼ同額です。
2016年11月3日現在の主要通貨ペアの必要証拠金は以下の通りとなっています。
[表4:必要証拠金(2016年11月3日現在)]
通貨ペア | 必要証拠金 |
米ドル/円 | 42,000円 |
ユーロ/米ドル | 46,000円 |
ユーロ/円 | 46,000円 |
英ポンド/円 | 51,000円 |
豪ドル/円 | 32,000円 |
各必要証拠金は、レバレッジ25倍の場合、以下の計算式で導き出されます。
「ドル円100円×1万通貨÷25倍=4万円」
この計算式は、わかりやすいようドル円100円としました。
なお、基準金額は1週間ごとに定められています。
くりっく365と店頭FXの現在の最大の違いの1つはスワップ金利です。
店頭FXの場合、ほとんどの会社で受取金利が不利(支払金利>受取金利)となりますが、くりっく365は受取と支払の金利額が同額です。
くりっく365のスプレッドは変動型となっており、大型の指標発表の際はスプレッドが大きく広がります。
店頭FXは、スプレッド原則固定制を採用している会社がほとんどですが、雇用統計など大型の指標発表時はスプレッドが広がる会社がほとんどです。
どの程度広がるかはFX会社によりけりですが、決して変動しないわけではないので注意が必要です。
つまり、くりっく365のスプレッドは店頭FXと比べると若干広めですが、変動型のスプレッドという意味では、実質的に店頭FXとあまり変わりません。
以前は、くりっく365の取引手数料を徴収している会社がほとんどでしたが、今や取引手数料を徴収している会社は少数派です。
現実的には、ほぼ取引手数料は無料と言って良いでしょう。
しかし、手数料が無料と言っても、本来取引手数料がかかるところを無料にしているだけなので、スプレッドがどうしても店頭FXより広めにならざるを得ないのです。
2015年11月より、東京金融取引所では「くりっく365ラージ」というサービスを開始しています。
「くりっく365ラージ」は10万通貨からの取引サービスで、大口トレーダー向けです。
原則として取引手数料がかかるものの、通常のくりっく365と比べると、スプレッドは非常に狭くなっており、店頭FXと同等のレベルです。
なお、手数料は片道10万通貨あたり1,000円前後に設定している会社がほとんどです。
また、「くりっく365ラージ」は、「約定拒否なし・スリッページなし」と高い約定力をアピールしており、手数料はかかっても確実に大きな取引を行いたいトレーダーにとっては、非常に重宝する取引環境を提供しています。
ただし、1注文の上限枚数は50枚(500万通貨)までに限定されています。
建玉の上限はありません。
税制上優遇されていたくりっく365ですが、2012年の税制改革で、税率がくりっく365も店頭FXも一本化されたため、くりっく365の利用者は減少傾向にあります。
それでも、ここまで説明してきたように、くりっく365は今も多くのメリットがあります。
手数料がかからなくなったとはいえ、スプレッドが広めなため、デイトレードやスキャルピングといった短期のトレードには向きませんが、スワップポイントは支払額と受取額が同等であるため、ポジションを持つ期間が長いスイングトレードには、まだ十分活用の余地があるサービスと言えます。
また、2015年11月スタートの「くりっく365ラージ」は、約定拒否なしという大口トレーダーにとっては非常に魅力的な取引環境です。
10枚以上のトレードを行うFX上級者となった際に利用を検討したいサービスです。
なお、くりっく365は内容がサービス提供会社によって、特に手数料が若干異なっているケースがあります。
ですから、くりっく365のサイトだけでなく、サービス提供会社のサイトも必ずチェックしましょう。