FXのデイトレードでは、ロスカット注文狩り(ストップ狩り)を狙おう
ロスカット注文とは、トレーダーが損失の拡大を防ぐ為の安全弁として入れている「逆指値注文」のことです。
具体的には、以下のような場合に使います。
たとえば「損失は1ドルあたり5円以内に抑えたい」と思ったとしましょう。
その場合、105円でドルを買ったら、100円に「逆指値注文」を入れておきます。
そうすると、100円まで下げた瞬間に、成行売り注文が自動的に発動し、損切りできます。
この方法は、リスクマネジメントのための注文方法なのです。
ただ実は、FXの世界では、このロスカット注文を利用して稼ぐ手法があります。
多くの人がロスカットするタイミングを狙うコバンザメのような手法ですが、非常に効果的なので、ここでは具体的なやり方を解説していきます。
目次
「ロスカット注文狩り」とは?
FXは損失を小さくしてこそ勝てる投資です。
また、損失管理は非常に大切であり、FXトレーダーであれば、ロスカット注文という手法は必ず知っておく必要があります。
実際、相場に参加しているトレーダーであれば、ほとんどがロスカット注文を入れているのではないでしょうか。
長期的なトレードを視野に入れるのであれば、簡単にロスカットをするつもりがないのでロスカット注文を入れないケースも多いですが、デイトレードの場合は損失を可能な限り抑える必要がありますので、ロスカット注文を入れるのが常識です。
では、ロスカット注文はどこに入るのでしょうか?
トレーダーの心理を踏まえながらチャートを見れば、ある程度予測をすることができます。
- 直近の高値、もしくは安値を抜けたポイント
- キリの良い数値の周辺(超えたところ、もしくは割り込んだところ)
この2点が中心です。
勘の良い人ならば、これだけで「ロスカット注文狩り(ストップ狩り)」の本質が見えるのではないでしょうか。
このようにロスカット注文が大量に出てくる瞬間を狙い、少し上のポイントで利食いをするのです。
100円でロスカット注文が大量に出ることが予測できれば、102円で利食いをすればいいわけです。
ロスカット注文狩りが起きやすいタイミングとは?
ロスカット注文狩りは、独自の情報網を持つ大口トレーダーがしばしば用いる手法です。
しかし、FXトレーダーは相当な人数が参加していますので、いくら大口トレーダーでも容易に相場を操ることはできません。
では、どんな時に大口トレーダーが相場を操ろうとするのでしょうか。そのような時は非常にわかりやすい状態になっています。
つまり参加者が少なく、マーケットの流動性が低くなった瞬間を狙うのです。
次にFXマーケットの流動性が低くなるのはどんな時なのか、分析していきましょう。
経済指標発表の前後
ニュースや経済指標発表の直前と直後は、FX相場の流動性が落ちます。
- 主要な国の休日
- 銀行が休みの日
- 夏休みの期間(8月)
- クリスマス
- 元旦
上記の期間は全体的に流動性が下がるので、ロスカット注文狩りが起こりやすくなります。
早朝4時~6時の時間帯に注意
マーケットの流動性が低くなるのは、
- 「マーケットがクローズする直前」と「マーケットが開いた直後」
です。
これは、トレーダーの心理を考えても明らかです。「クローズ直前では何もできない」、そう考えるのは無理もありませんから。
しかし、忘れてはならないのは、FXは世界を相手にした取引だということです。
東京市場だけ、ニューヨーク市場だけで行わなければならないわけではありません。
世界の市場の動きに目を配りながら、24時間365日取引をすることができます。
そうした世界を俯瞰する視点で考えると、狙い目がどこなのか見えてくるはずです。
そこで、わかりやすく考えるために、世界の市場の取引時間を図にしてみました。
[図1:世界の外国為替市場の取引時間]
市場がオープンしている時間を見比べれば、どの時間帯に流動性が低くなるか明らかです。
まず、注目したいのはニューヨーク市場とウェリントン市場です。
ニューヨーク市場がクローズする直前に、ウェリントン市場がオープンします。
これが、夏時間の場合、
日本でも活動している人がもっとも少ない時間帯ですので、トレードしている人が少ないことが予想されます。
特に、月曜の早朝は極端に流動性が低いマーケットとなるので、大口トレーダーにとっては大きな狙い目となるのです。
ロスカット注文狩りはこんなときに起こる
また、この「時間のあや」は、ロスカット注文狩り(ストップ狩り)に大きく関係してきます。下の図を見てください。
[図2:ストップ狩りが起きやすいタイミング]
アジアセッション、ロンドンセッション、ニューヨークセッションが微妙にかぶっていますが、そのあとに流動性が落ちているのが分かるでしょうか?
その近くに、多くのロスカット注文が溜まっていると、大口トレーダーが狩りにいくわけです。
なぜロスカット注文が溜まるエリアがあるかというと、多くのトレーダーが、
- 「レンジの下の方で買って、上がったところで利食いしよう」
と思っているからです。
特に、ニューヨークセッションの終盤は、流動性が少なくなってストップ狩りが起きやすい傾向があります。
しかし、「狩り」が終わったあとは、まるで何事もなかったかのような動きになるのです。下の図を見てください。
[図3:ストップ狩り終了後のチャート]
「フライング」も有効な手法
エントリーは、ロスカット注文狩りの動きを確認してから行うのが低リスクですが、値動き次第では「フライング」も有効です。
下の図のように、何度も上げようとしている動きが見られたら、エントリーするのが「フライング」です。
[図4:「フライング」のタイミング]
非常に高度なテクニックですが、流動性が低下するタイミングを何度も見ていれば、適切なタイミングが掴めるようになります。
流動性の低い時間帯の見分け方
決まった時間以外にも、流動性が低下する状況は突然やってきます。
例えば以下のような時です。
- 価格が10pips程度のレンジの中で動かない
- 50pipsを超えるような乱高下が短時間に何度も起きる