初心者が知っておきたい!「FX取引に欠かせない基本通貨まとめ」
外国為替証拠金取引(FX)とは、通貨の組み合わせ(通貨ペア)を売買することで為替差益を狙う投資のことを言います。
FXにはレバレッジをかけるのが通常であり、入金した資金以上の取引が可能となります。
実体的には、小さい値動きの為替変動にレバレッジをかけて為替差益を得ようとするのがFX、ということになります。
そしてFXが対象とするのは、異なる国の通貨の組み合わせである通貨ペアとなります。
この通貨ペアは様々な通貨の組み合わせによって、それぞれの個性が生じます。
ここでは、通貨ペアを構成する各通貨の特徴について解説します。
目次
取引量が多いメジャーカレンシー
外国為替市場においては取引する通貨によって、
という区別があります。
世界に多くの通貨が存在しているとは言え、やはり多く取引されている通貨もあれば、それほど取引されていない通貨もあります。
この中で多く取引されており流動性も高い通貨を「メジャーカンレンシー」と言います。
一方、メジャーカンレンシー以外の通貨を「マイナーカレンシー」と言います。
メジャーカレンシーは通貨を発行している国の信用度や国の経済力を背景に、
- 米ドル
- ユーロ
- 日本円
- 英ポンド
- スイスフラン
の5通貨が該当しています。
以下5つの通貨について簡単にご紹介します。
1.基軸通貨としての存在感が圧倒的な米ドル(USD)
世界の基軸通貨と言えば米ドル(USD)。
世界最大のアメリカの経済力と軍事力を背景に、米ドルは基軸通貨として、各方面の様々なシーンで利用されています。
米ドルを絡めた通貨ペアはドルストレートとも表現され、殆どの通貨ペアはドルを媒介して取引がなされており、為替取引のまさに中心に位置している通貨となっています。
2.第2位の基軸通貨ではあるが問題山積のユーロ(EUR)
ユーロは、ヨーロッパ連合(EU)が採用する通貨であり、外国為替市場では米ドルに次いで取引量が多く、世界第2位の基軸通貨となっています。
しかしながら単一の通貨を利用しながらも、加盟国毎にその財政政策や経済状態はバラバラという状態であり、完全に通貨としてのユーロの信認が得られているかと言えば、疑問符もあります。
ギリシャ問題やイギリスのEU離脱決定等、ユーロの信認をゆるがす話題は事欠きません。
ただし2016年秋時点では、ユーロの信認問題は小康状態を保っています。
3.取引高3位とは言え存在感の薄い日本円(JPY)
日本にいると意識することは少ないのですが、日本はアメリカ・中国に次ぐ世界第3位の経済大国です。その日本が発行しているのがお馴染みの円(JPY)。
為替の取引高も第3位ではありますが、世界的には円の存在感は希薄と言わざるを得ません。
様々な要因がありますが、日本はアメリカの同盟国であり、米ドル=日本円、と類似に見られており、敢えて日本円に取り組む必要性が少ない、といったことも背景にあるようです。
4.金融立国としての岐路に立つ英ポンド(GBP)
第二次世界大戦以前の世界の基軸通貨であった英ポンド(GBP)は、現在でもその独特の存在感を発しています。
イギリスの首都・ロンドンはヨーロッパを代表する金融都市として、現在も為替取引の中心地とも言える都市となっています。
しかしながら、イギリスはユーロ離脱を2016年6月に国民投票で決定。
ユーロ離脱後のイギリスそしてポンドがどうなっていくのか、世界が固唾を飲んで見守っている状態です。
5.歴史的に安全資産として扱われるスイスフラン(CHF)
スイスフラン(CHF)は、永世中立国のスイス連邦が発行する通貨となっています。
永世中立国としての長い歴史、また隠れた金融大国としての背景から、スイスフランはリスクオフの際の資金の逃避先として、買われる通貨となっています。
ただし通常時は、地理的につながりの深いユーロとの相関性が強く働く通貨となっています。
日頃はそれほど意識されることのないスイスフランですが、外国為替市場での取引量は米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドに次ぐ第5位の取引高を誇っており、世界を代表する通貨となっています。
メジャーカレンシー以外のマイナーカレンシー代表例
外国為替市場での存在感はメジャーカレンシーが圧倒的ですが、新興国始め多くのマイナーカンレンシーが存在しています。
しかしマイナーカンレンシーの中でも、独特の存在感を発揮している
- オーストラリアドル
- カナダドル
- ニュージーランドドル
について解説いたします。
1.高金利で人気の高いオーストラリアドル(AUD)
オーストラリア連邦が発行しているのが、オーストラリアドル(AUD)となります。
オーストラリアドルは高金利通貨として知られており、特に日本の個人投資家のオーストラリアドル買いが話題になることも、しばしばあります。
石炭や鉄鋼石といった、天然資源に恵まれているオーストラリアの発行する通貨は、「資源国通貨」に分類され、オーストラリアドルは商品市況に強く影響を受ける通貨としても知られています。
2.オーストラリアドルと兄弟関係にあるニュージーランドドル(NZD)
オセアニア地域に属するニュージーランドは、実は国の経済としては乳業が強い国ではあるものの、お隣オーストラリア同様「資源国通貨」として扱われることもあります。
ニュージーランドは地理的そして経済的にオーストラリアと強い関係があるため、ニュージーランドドルの値動きもオーストラリアドルの影響を大きく受けており、平常時はほぼ値動きが連動していることが多くなっています。
ただし純粋な資源国通貨ではないため、時としてオーストラリアドルと大きく異なる動きを見せることもあるので、注意も必要となります。
3.アメリカと密接な関係のあるカナダドル(CAD)
アメリカの北部に位置するカナダは、地理的要因からアメリカ経済と密接な関係を有しています。
よってその通貨カナダドルも米ドルの変動に大きな影響を受けます。
またカナダもオーストラリア同様、多くの天然資源を算出するため「資源国通貨」に分類されており、カナダドルは特に原油価格との相関が高いことで知られています。
まとめ
以上のように、簡単に触れただけでも各国の通貨には様々な特徴があります。
そしてFXトレードで取引されるのは、各通貨が掛け合わされた通貨ペアとなります。
よって各通貨の特徴を最初に抑えることは、FXトレードで勝利するためには必要不可欠となります。
FXトレードを始める場合は、各国の通貨の特徴を把握して、トレードする通貨ペアを選択した上で、実際のトレードに取り組みたいものです。