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FXと金(現物取引・先物投資)を比べてみよう!

 

投資にはいくつか種類がありますが、FXや株以外では、金や銀を投資の対象にすることもできます。

金や銀は、投資信託にも重なるところがあり、なかなか特殊ですが、「現物取引」や「先物投資」について知るには、わかりやすいと思います。

ここでは、FXと金について解説していきます。

 

目次

金は長期保有しても利息が得られない

金の一番の特徴は、自分の家で保管できるという点です。金とは古くより、経済が混乱するたびに注目を集めてきました。

経済が混乱しているときこそ、金のリスクヘッジ力が威力を発揮します。

これは、つい最近でも同様で、2011年にはニューヨーク市場での金価格が、なんと1900ドルを突破したこともあります。

日本では数年前の歴史的な円高のせいもあり、現時点ではあまり金価格の高騰はありませんが、上昇する可能性は大いにあります。

保有できる金は、具体的に金塊と金貨に分けられます。金塊とはいわゆる金の延べ棒のことで、延べ棒は最大で1キロ、最小で5グラムのものがあります。

また、金は利息が発生しないのも特徴です。

FXだとマイナススワップになることもありますが、金にはそれらが一切なく、価格変動につきます。

「安く買い、高く売る」、これが金取引の方法なのです。

そのため、長期保有して利息を得ようと思う人にはあまり適していないといえます。

取引コストが高いのが金取引のデメリット

金の現物取引の一番のデメリットが取引コストです。

金の延べ棒は、500グラム以上では手数料がかかりませんが、500グラム未満だとバーチャージという手数料が発生します。

バーチャージは、グラム数が小さくなるほど上がります。

5グラムの金の値段にかかるバーチャージが4200円の場合、1グラム4800円で5グラム買うとしたら、2万4000円に4200円が加算されてしまうのです。

全体の17.5%も取引コストがかかってしまう計算になるわけです。

後述しますが、金は先物で買うこともできます。

しかし、基本は現物取引であるため、手元に置けるのが魅力でもあり、その分手数料が高いのがデメリットでもあります。

FXでは、スプレッドとして数pips(ピップス:為替レートが動くときの最小単位)支払うだけですが、金では比較にならないほどの手数料なのが現実です。

円安なら金は上がる、円高なら金は下がる

そして、金は円安と円高で意外と差が出る商品でもあります。

現在、日本国内で取引されている金は円建てですので、貴金属店などで売られている金は、全て日本円で買うことができます。

日々変動していくため、需給バランスをリアルタイムに反映して値段が決められていますが、実は為替相場の影響も強く受けます。

金においての指標は、アメリカのニューヨーク商品取引所、COMEXで取引されている米ドル建ての金価格です。

同市場の終値をベースに、為替レートをかけて東京市場での金価格に採用しています。

また、アメリカでは、金の単位はトロイオンスと呼ばれており、グラム数で331.1034768グラムとなります。

トロイオンスに為替レートをかけ、出たトロイオンスの単位をグラムに直して、国内の価格にするということです。

つまり、日本国内で取引されている金の価格は、為替の影響によっても変動するのです。

金の先物取引

少し触れましたが、金は先物取引で買うこともできます。これは、将来受け渡しする金の価格を、先に決める取引のことです。

例えば、1年後の「限月」が1グラム6000円だとして、その値段でそれよりも1年前に買ったとします。

金先物取引では、1キロが最低売買単位ですので、600万円になります。

先物取引はFXのように、証拠金となるお金を担保にするだけで、取引ができます。

ここで言う「限月」は決済月のことです。

仮に限月が来るまでに、実際の金の価格がグラム7000円、8000円と上昇すれば、すでにグラム6000円で買っているため支払う必要はありません。

このように先物取引ならば、FXと同じように、レバレッジをかけて取引することもできます。

言うまでもなく、レバレッジが上がればその分リスクは高まります。

金の先物取引では、値下がりした時に多大な損失になりますし、さらに限月という仕組みにより、その月になったら必ず決済を行い、損益を確定させる必要があります。

FXのように、損切りをせずに持ち越したくても不可能だということです。

金はコストのかかる投資商品

以上色々な側面からご紹介しましたが、金は基本的に、非常にコストがかかる投資です。

現物で保有できるといっても、1キロの金塊を持つには、数百万円という単位のお金が必要になります。

現金は、極端に言えば紙切れになるというリスクがあります。

金塊は紙切れになることがないため、価値が急激に暴落するリスクがないのが大きなメリットです。

しかし、通貨が紙切れレベルまで価値を落とす事態はそうそう訪れません。

特に、日本円がそこまでのレベルになるのは、なかなか考えにくいですし、そうなるとしても、わかりやすい予兆が事前に表れる可能性が極めて高いでしょう。

さらに、現物で保有するということは、保管場所や防犯なども考える必要があります。

例えば、販売業者は、買った金塊を専用金庫に入れるというサービスを行っているところもありますが、利用するには当然追加費用が発生します。

しかも急に現金が必要になったとき、現物の金塊を売ろうとしても購入した先にしか売却できなかったり、売却するのにも鑑定や計算などでひと手間もふた手間もかかったりと、手軽さではFXと比べると天と地ほどの差があります。

このことからも何度も売ったり買ったりするのは、非常に難しいということです。

ただし、万が一の時、リーマンショックやギリシャショックのような、いきなり経済に大打撃が発生した時、金は注目を集めますので、その時のために持っておくのはアリかもしれません。

ちなみに、金はインフレに強いという特徴を持ちます。

現在はデフレからの脱却が、日本の最優先事項と言っても良いほど問題ですが、インフレはその反対です。

お金の価値がどんどん無くなっていくという意味で、インフレ率が10%だったら、100円のものが10円値上がりします。

日銀関連のニュースなどで、しばしば物価上昇という言葉が出ますが、少しでも物価を上げて、デフレから脱却する必要があるということです。

こういったインフレ時には、金の値段が上がりやすいとされているので、このようなときに役立つと考えられます。