為替相場の行き過ぎを測るのに最適な指標「乖離率(乖離線)」
相場の行き過ぎを図るのに最適な指標と呼ばれる「移動平均乖離率」という指標があります。
移動平均線は、ある期間の為替レートの平均値を結んで作られたラインですが、その移動平均線から今の為替レートがどの程度離れているかを計算したものが「乖離率」です。
ここではその乖離率についてご紹介します。
目次
トレンド相場を掴むにも強いオシレーター系指標の移動平均乖離率とは?
移動平均線を利用した取引をした場合、この乖離率は、最も勝率が高い方法だと言われています。
例えば、逆張りの場合は移動平均線の乖離率を使うのは必須の方法になっています。
通常のトレーダーなら順張りで利用するでしょうが、逆張りの場合も使える方法です。
この乖離率を求めるには、以下のような計算式で行います。
乖離率=(現在の為替レート-期間内の移動平均値)÷期間内の移動平均値×100%
逆張り投資で使うと、筆者の経験上は勝てる可能性が高い方法だと判断しています。
下げトレンドにある価格が大きく戻すと見込んで買い、利益を得ようとする手法です。売りをするならその逆で行います。
移動平均線は、為替レートの平均値ですが、為替レートが上昇するとそれに沿って上昇し、下降トレンドになれば下降していきます。
当然と言えば当然ですが、為替レートは移動平均線に沿ったような動きをします(移動平均線はある期間の移動平均値なので当然ですが)。
為替レートがこの移動平均から離れすぎた場合、近くでこの動きを転じて相場が転換するケースが多いのです。
そのため相場の天井や底値を判断するのに有効な方法です。
日足を例にとると、5日線や25日線などを使ってどの程度離れているかを、上記の計算式で求めたように%で表示します。
一般的には5日線から10%以上、25日線から15~20%以上離れた場合、レートは先ほども説明したように移動平均線に近づこうとします。
使い方例としては、以下のようになります。
- 所定の通貨ペアに乖離率の最大値・最低値があり、その付近に達した後に逆転方向に動いたら逆張りの取引を行います。
- 移動平均線の乖離率の傾きが右肩上がりは上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンドと判断します。傾きが変わった場合は逆張りトレードと判断します。
- 傾きが急激な場合はトレンドが変わるポイントにないrます。傾きが緩やかな場合はトレンドが続くと考えます。
この移動平均乖離率は、RSIやストキャスティクスなどと比べると強いトレンドでも十分使えるというところにメリットがあります。
RSIやストキャスティクスは、強い相場では使い物にならない場合が多いからです。
例えば、移動平均線の乖離率を描画した場合(図をご覧ください)、乖離が大きくなった場合逆張りに使えるという言い方をしましたが、それだけでなく移動平均線乖離率にトレンドラインを引いて、トレンドラインを下に抜けたら売り、上に抜けたら買いということも可能です。
このようにトレンドラインも使用して、トレンド判断をしてからトレンドの行き過ぎ、弱まりといった動きを確かめて売り買いする方法も可能です。