ストキャスティクスは、相場の過熱感を把握するテクニカル指標の一つです。
この指標は、RSIと並んで為替レートの買われ過ぎ・売られ過ぎ(つまり過熱感)を示すものです。
これは、ある期間の為替レートの最高値と最安値の値幅の中で、現在の為替レートがどの程度の位置にいるのかということを指標化したものです。
ここでは、そのストキャスティクスの使い方についてご紹介します。
一番注意したいのは、ストキャスティクスなどのオシレーター系の指標は、レンジ相場のような動きの時に、非常に威力を発揮する傾向があります。
これは、他のオシレーター系指標も同じようなことが言えます。
いわゆるもみ合い相場で一番使えるのですが、逆に上昇や下降トレンドの場合はトレンドをうまく読み取ることができません。
強いトレンド相場に弱いという弱点があります。
どうしてそうなるかというと、強いトレンドが発生した相場では、買われ過ぎや売られ過ぎシグナルが頻発してしまうからです。
特にストキャスティクスは、最高値と最安値という2点に注目しているため、為替レートのちょっとした勢いでも敏感に反応してしまうからです。
それを回避するには、ストキャスティクスのクロスが、チャートの山と谷の頂点に合うように、通貨ペアの現状に適した期間設定を行うことが必要になってきます。
次のコラムでは、トレンド相場でもこのストキャスティクスを有効に使う方法をご紹介します。
ストキャスティクスのクロスがチャートの山と谷の頂点とうまく合うように設定します。
例えば、期間設定を9日にしていた場合、それを5日に変えたらチャートの山の部分と%D、%SDがデッドクロスする地点が重なるように調整してみます(この場合期間は任意なのでそれぞれの状態にあった期間に調節してください)。
こうすれば、相場における売りポイント(またはその逆の買いポイント)を確実に捉えることが可能になります。
ただし、単独では使用せずにトレンド系指標と一緒に使うようにします。
トレンドが強い相場では使い物にならないのですが、例えば下げ相場での売りポイントや上げ相場での買いポイントはトレンド系指標よりも売買シグナルが早く点灯します。
つまり
というようなトレンドに対して順張りのみの場面なら非常に使えることがあります。
ストキャスティクスは、レンジ相場で有効な指標と思われていますが、工夫して使えばトレンド相場でも通用します。
また、短期売買に向いた指標だとも言われていますが、実際は中長期的な大底買い・天井売りなどを狙う比較的時間軸が長い取引でも使えます。
週足チャートなどの時間軸眺めのチャートでは、ストキャスティクスを単独で使っても十分通用する場合があります。
そして、ストキャスティクスに加えてボリンジャーバンドなども加えて分析するとさらに精度がアップします。ぜひ試してみたい指標です。