消費税の臨時福祉給付金を詳しく解説!対象者は?申請は必要?
消費税は国民生活に密接にかかわっている税金です。
消費税が増税されると、毎月の生活費が上がるので困る、生活が苦しくなる、と心配している人も多いことでしょう。
消費税が上がると、所得が低い人は特に困ります。消費税は、所得に応じてかけられている税金ではありません。
日常生活に必要なものやサービスに対して課せられている税金ですから、所得の多い人、少ない人にかかわらず、皆同じ税金を支払わなければならないのです。
それでは所得が低い人に対するダメージが大きいということで、低所得の人に対して救済措置として始められたのが臨時福祉給付金です。
この給付金をもらうには条件があり、それらを満たしていることが必要となります。
ここでは、臨時福祉給付金の支給要件や申請方法について説明していきます。
目次
臨時福祉給付金とは?支給額はどれくらい?
臨時福祉給付金とは、政府がある一定の条件を満たす人に対して、1年に1回、一人につき3000円を支給しているものです。
この給付金は、平成26年4月に実施した8%への消費税税率引き上げにともない、家計に与える影響を少しでも緩和しようと始められたもので、所得の少ない人に対しての臨時的な措置として実施されています。
消費税が上がると、日常生活の負担は当然増えてきます。例えば、毎月の生活費が15万円だったとしましょう。
消費税引き上げ前は、5%の税率で15万7500円だったものが、8%に増税されたことで16万2000円になります。
5%から8%に消費税率が上がったことで、毎月4500円の負担増です。年間だと5万4000円にもなります。
消費税がかかっていないときから考えてみると、毎月1万2000円、年間で実に14万4000円も生活費が多くかかってくることとなります。
基本的に、税金というものは公平を期すために、その人の所得に応じて税率が決められているものですが、この消費税は所得にかかわらず、誰にでも一律にかかってくるものなので、所得が低い人にとっては特に負担が大きいものです。
その負担を少しでも減らそうということで考えられた給付金ですので、自分が対象者であるかどうかをしっかりと確認し、受給条件を満たしている場合は日常生活にかかる負担を少しでも和らげるため、忘れずに受給するようにしましょう。
臨時福祉給付金の支給対象者は?
この臨時福祉給付金の支給対象者は、「その年の住民税が課税されていない人」となっています。
平成28年度について考えてみますと、住民税は前年度の所得に応じて課税されるものですので、その年の住民税が課税されていない人ということは、平成27年度の所得が一定以下であった人と言うことができます。
しかし、住民税が課税されていない人でも、この臨時福祉給付金がもらえない人がいます。
その条件とは以下です。
- 平成28年度分の住民税が課税されている人に生活の面倒を見てもらっている場合(住民税において、課税者の扶養親族等となっている場合)
- 生活保護の受給者である場合
この二つに当てはまる場合は臨時福祉給付金の受給ができませんので注意しましょう。
臨時福祉給付金がもらえる人の所得の目安とは?
臨時福祉給付金の支給条件は、その年の住民税が課税されていない人とされていますが、具体的にはどのくらいの収入の人がそれに当てはまるのでしょうか。
一般的な目安が厚生労働省から発表されています。給与収入ベースの値となります。
給与所得者の場合
単身者の場合・・・・100万円
夫婦二人・・・・・・156万円
(配偶者を扶養している場合)
夫婦と子供一人・・・約206万円
(配偶者と子供を扶養している場合)
夫婦と子供二人・・・約256万円
(配偶者と子供二人を扶養している場合)
公的年金等受給者の場合
単身で65歳未満・・・・105万円
単身で65歳以上・・・・155万円
夫婦で65歳未満・・・・約171万円
夫婦で65歳以上・・・・211万円
自分の所得や、年金額をチェックしてみて、この金額よりも少なかった場合は、給付金を受け取れる可能性が高いので、区役所に行って確認してもらいましょう。
自分が住民税を課税されているのかを確認するにはどうすればよい?
上記で説明した所得の目安を参考にすることで大まかな判断ができますが、住民税が課税されているのかを確実に知りたい場合は、給与明細等で確認することができます。
会社勤めの場合は、自分の給与支給明細書を見て、「住民税」の項目に課税額が記載されているかどうかで判断できます。
65歳以上の人の場合、介護保険料決定通知書に記載されている「保険料の段階」が一定額以上になっている場合であったり、給与や年金の収入が非課税限度額を超える場合は住民税が課税されています。
確実な情報を知りたい場合は、市町村の税務担当課などへ問合せをすることが必要ですが、個人情報の観点から、電話では回答してもらえない場合もあります。
また、市役所等に出向いても、本人ではない場合は、確認に委任状等が必要な場合もありますので、どのようにすれば確認できるのかということを、まずは電話で聞いてから行くようにしましょう。
主婦や学生は臨時福祉給付金を受給できるの?
主婦、もしくはパートをしている主婦でも扶養内の場合、住民税は課税されていませんので、条件である「その年の住民税が課税されていない人」にあてはまります。
学生も、アルバイトをしているくらいの収入だと親の扶養にはいっていることがほとんどですから、住民税が課税されていないという条件にはあてはまります。
しかし、住民税が課税されている人に扶養されている場合は受給できません。
よって、主婦や学生の扶養主(一般的には夫もしくは親)の所得がどれくらいか、ということが重要になってきます。
夫婦二人での生活の場合は156万円、夫婦と子供一人の場合は約206万円、夫婦と子供二人の場合は約256万円が目安の金額となってきます。
扶養主の収入がそれよりも少なく、住民税が課税されていない場合は、家族全員がその条件にあてはまることとなりますので、主婦や学生も受給できますし、家族全体で考えると、「3000円×家族の人数分」の金額を受給できることとなります。
無職の場合、臨時福祉給付金はもらえる?
無職の場合、基本的には本人に収入がないこととなりますので、住民税の課税はされていないでしょう。
よって、本人一人の場合は受給資格があります。しかし、生活保護を受けている場合は受給できませんので注意が必要です。
なぜ生活保護の受給者は臨時福祉給付金がもらえないのかといいますと、支給されている生活保護費が、消費税のことも考慮されて決定されている金額だからです。
また、無職で、誰かの扶養にはいっている場合、その扶養主の収入によって、給付金がもらえるかどうかが変わってきます。
扶養主の収入が低く、住民税の課税がなされていない場合はもらえますし、住民税が課税されている場合はもらえないということになります。
臨時福祉給付金は申請しないともらえない!確実に申請を行いましょう
この臨時福祉給付金は、申請しないともらえません。
受給資格がある人に通知が送られてくるというような仕組みではないので、自分で「受給資格があるか」を考え、条件を満たしている場合は自分で市役所に行き、申請する必要があるのです。
この給付金や受給資格についてテレビやニュースなどで周知徹底されているとは言えず、情報に触れる機会が少ないため、この給付金のこと自体を知らない人もいるようです。
また、受給資格があるのに気づいていない人も多くいると考えられます。
子育て世代など、家族の人数が多い場合は人数分もらえることとなり、それなりの金額を受給できますから、忘れずにもらいたいものです。
申請方法は、市役所に直接申請することとなります。
臨時福祉給付金を受け取るには、
- 「その年の1月1日時点で住民票がある市町村へ申請すること」
となっています。
平成28年に申請をする場合は、「平成28年1月1日の時点で住民票があった市町村」へ申請しなければなりません。
もし、引越しなどで、1月1日時点と、現在との住民票の場所が変わっていた場合、以前住んでいた市町村に申請を行わなければなりませんので注意が必要です。
遠方に引っ越した場合もあるでしょうから、まずは電話して聞いてみましょう。
どのように申請すれば良いのかを教えてくれますし、所定の申請書を送付してくれるなど、親切に対応してくれます。
1月1日と現時点での住所が同じだった場合は、市役所や区役所に行って所定の用紙をもらい、それに必要事項を記入して窓口に提出すれば申請完了となります。
しかし、申請する市町村によっては、他に必要書類が必要なことがあるようです。
まずは、電話で市役所に電話して聞いてみるのが確実でしょう。
臨時福祉給付金の申請期間はどれくらい?
臨時福祉給付金は申請を行わないと受給できませんが、その申請期間は全国で統一されておらず、市町村によってまちまちなのが現状です。
自分の住んでいる自治体の情報をきちんと確認しないと、申請しそびれてしまうこともありますから注意しましょう。
例えば、平成28年度を例にとってみますと、千葉市の場合は、申請受付開始が平成28年9月15日で、申請受付終了日が12月16日です。
さいたま市の場合は、平成28年8月12日が受付開始で、12月12日が申請受付終了日です。
大阪市の場合は、平成28年8月1日が申請受付開始で、平成29年2月1日が申請受付終了日となっています。
このように、自治体によっては申請時期がまったく違っており、バラバラですので、自分の住んでいる市町村の情報を確認することが必須となっています。
申請の必要書類等の確認も必要なことから、できれば直接市役所等に電話して事前に確認するのが確実です。
しかし、まずは気軽に調べたいという人は、厚生労働省の「確認じゃ!給付金。」というサイトに、自治体の申請期間を検索できる便利なページがありますので、ここで調べてもよいでしょう。
申請は個人で行わなければならない?家族の場合は?
支給対象者は個人単位となっていますが、市町村によっては同一世帯分の申請をまとめて行なうことが可能となっています。
具体的な申請方法については各市町村によって異なりますので、1月1日に住民票があった市町村に確認しましょう。
臨時福祉給付金の支給日はいつ?
書類を提出すると、市役所や区役所の方で支給要件にあてはまっているかという確認が行われます。
支給対象であると確認されると、申請用紙に記入した銀行口座等にお金が振り込まれます。
支給してからどれくらいで振込まれるか、ということについては、その市町村によっても違いますし、申請の時期によっても違います(繁忙期はどうしても事務作業が遅れがちになります)。
申請期間は数ヵ月というところが多いですが、早く申し込めばそれだけ早くに受給できるということです。
申請しそびれないためにも、早めに申請に行くことをおすすめします。
臨時福祉給付金の対象者で高齢の場合、3万円が別に支給される。
消費税の臨時福祉給付金の受給資格がある人で、なおかつ高齢であったり、障害・遺族年金を受給している人は、高齢者向けの年金生活者等支援臨時給付金や、障害・遺族年金受給者向けの年金生活者等支援臨時福祉給付金を受給することができます。
年金生活者等支援臨時給付金とは、賃金引き上げの恩恵が受けにくい低年金受給者の支援や、高齢者世帯の所得全体の底上げを図るもので、個人消費の下支えにもなるようにということで実施されているものです。
消費税の臨時福祉給付金の受給資格を満たし、かつ高齢だったり、遺族基礎年金を受給している人などが当てはまります。
詳しい条件は以下のようになっています。
高齢者向けの年金生活者等支援臨時給付金について(平成28年度の場合)
条件を満たすと対象者一人につき1年に1回、3万円が支給されます。
支給対象者は、平成28年度の住民税が課税されておらず、かつ、平成28年度中に65歳以上となる人です。
ただし、住民税が課税されている人に扶養されている場合や、生活保護を受けている場合は対象外です。
障害者や遺族基礎年金受給者向けの年金生活者等支援臨時給付金について(平成28年度の場合)
条件を満たすと対象者一人につき1年に1回、3万円が支給されます。
支給対象者は、平成28年度の住民税が課税されておらず、障がい・遺族基礎年金を受給していて、かつ上記で説明したような高齢者向けの年金生活者等支援臨時福祉給付金を受給していない人が対象となります。
さいごに
このように、所得が少ない人のために給付金がもらえる仕組みがありますので、条件に当てはまる人は必ず申請を行いましょう。
消費税は平成31年10月から10%になることが決まっています。
その時には、食品などの生活必需品の消費税率を据え置きにする「軽減税率」の導入が決まっており、できるだけ日々の生活に影響が出ないように配慮されていますが、10%になるとやはり大きな影響はあるでしょう。
この臨時福祉給付金の制度は、まだまだ続いていくようです。
毎年申請する必要がありますので、きちんと申請をして、給付金をしっかりと受け取るようにしましょう。
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