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消費税の簡易課税と原則課税の違い。消費税の還付を受けられるのは?

 

消費税は原則課税と簡易課税という二つの方式があります。

消費税率は全国一律となっていますが、事業者が税務署に支払う納税額は、事業者によっても違いますし、原則課税で納税しているのか、簡易課税で納税しているのかということによっても違ってきます。

ここでは、事業者が消費税を納める際の納税方法である「原則課税」と「簡易課税」について詳しくみていきましょう。

目次

消費税の原則課税制度とは?

消費税には「原則課税方式」と「簡易課税方式」という二つの計算方式があります。

原則課税制度では、事業者が納める消費税の納税額は、売上などに伴って顧客などから「預かった消費税」から、仕入れや経費など、実際に「支払った消費税」を差し引いて計算することになっています。

消費税8%で考えてみましょう。
 

1000円のものを仕入れるときは1080円支払う必要がありますので、80円分の消費税を支払っていることとなります。

その1000円の商品を1500円で売る場合、消費税120円を含めた1620円で売ることになり、受け取った消費税は120円となります。

そして、仕入れのときに支払った80円の消費税と、売上に伴って受け取った120円の消費税を差し引きして、40円の消費税を税務署に納めるというのが消費税の原則課税制度です。

大きな設備投資を行ったり固定資産を購入する場合は原則課税が有利

原則課税方式では、支払った消費税と預かった消費税を差し引きして、支払った消費税の方が多い場合、払いすぎた消費税の還付を受けることができます。

どのような場合に還付を受けることができるのかを見ていきましょう。

仕入れや経費がかさんで赤字だった場合

会社を設立したばかりで売上が少なく、仕入れや経費などの支出の方が多かった場合、預かった消費税よりも支払った消費税が多いこととなり、その差額分を還付してもらうことができます。

ただし、租税公課や保険料、給料や国外取引などは消費税の課税対象ではありません。

経費がかさんで赤字になっても、消費税の課税対象ではないものの比率が高かった場合は消費税の還付が受けられないこともあります。

赤字だから必ず還付を受けられるというわけではありませんので注意が必要です。

不動産の購入や大きな設備投資を行うなど、高額な資産を購入した場合

高額な設備投資を導入したり、土地や建物を購入した場合、支払う消費税の額も多くなります。

よって、預かった消費税の額よりも支払った額の方が多くなる可能性がありますので、その場合は消費税が還付されることもあります。

輸出業を営んでおり、売上のほとんどが免税取引の場合

国内から商品を輸出する場合、消費税は免除されることとなります。よって、売上には消費税が含まれないこととなります。

しかし、輸出のため国内で仕入れをしたときは消費税を支払うこととなり、結果、支払った消費税の方が多くなることがあります。

こういった場合は消費税の還付を受けることができます。

消費税の還付を受けることができるのは、消費税の申告をしている「課税事業者」に限られています。

免税事業者は還付を受けることができないこととなっています。

消費税の免税事業者と課税事業者とは?

消費税の還付を受けることができるのは、消費税の申告をしている課税事業者にかぎります。

免税事業者は還付を受けることはできません。

課税事業者の条件は以下のようになっています。
 

  • 基準期間(前々事業年度)の課税売上高が1000万円を超える事業者
  • 特定期間の課税売上高、支払った給与等の金額がともに1000万円を超える事業者
  • 資本金1000万円以上で設立した法人の第1期目および第2期目
  • 課税事業者選択届出書を提出した事業者

免税事業者の条件は以下のようになっています。