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【手数料が安い!海外旅行に便利!】FXは外貨両替するにもお得?

 

海外へ旅行や出張をするとき、日本円を外貨に両替する必要がありまよね?

その時、どこで両替をしていますか?

実は、両替手数料は一律ではなく、業者によって異なります。

その差は意外と大きく、「どうせ手数料がかかるのだから」と目についた両替施設で両替をしていると、損をしてしまうことになります。

 

目次

海外旅行の両替はFXが一番お得

そこで、まずはどんな両替施設があるかを見てみましょう。

手数料や特徴も以下の表にまとめましたので、比較してみて下さい。

[表1:外貨両替 手数料と特徴の比較]

 手数料  特徴
FX 0.2円 ・両替手数料が最安
・振込手数料が500円~2,000円程度必要
・国内の空港で受け取れる
・口座開設が必要
現地両替所(海外) 1~3% ・日本国内の両替が割安
・先進国は両替所が割高
・空港、ホテルは高い
・DFSやカジノは安い
外貨預金 1~3% ・為替レートはかなり安い
・高い手数料を上乗せされる
・海外のATMで下ろせる
・資産運用も兼ねられる
・為替差損のリスクがある
外貨両替店頭 1~3% ・予約が必要
・電話予約時のレートが適用される
・50万以上は銀行振込
・200万以上は身分証明書が必要
金券ショップ 1.5円~2.1円 ・銀行より安い
・取扱通貨が少ない
・営業時間は比較的長い
空港内両替所 2円~3円 ・銀行より若干安い
・取扱通貨が豊富
・早朝と深夜は閉店している
・混雑時には行列ができる
外貨宅配 2円~4円 ・銀行と同レベルの高さ
・換金量が少ないと送料が有料
・取扱通貨が豊富
・オンラインで購入可能
銀行店頭 2円~4円 ・手数料は割高
・取扱通貨が豊富
・営業時間が短い
・身近で安心感がある
ゆうちょ銀行 2円~4円 ・手数料がかなり割高
・営業時間が短い
・近隣にあり行きやすい
銀行宅配 2円~4円 ・手数料がかなり割高
・配送料別途必要
・取扱通貨が豊富
・24時間注文できる
旅行代理店 3円~4円 ・手数料が銀行より高い
・事前予約や手配に時間がかかる
・旅行申し込みの時に申し込める

単位が「%」のところもありますが、おおよそ上から手数料順にしてあります。

いずれも、1ドルあたりの金額です。

知らない人は意外に感じるかもしれませんが、手数料はFXの安さが飛び抜けています。

振込手数料(もしくは事務手数料)がかかりますが、それでも他の両替方法に比べてダントツの安さです。

FXの口座を開設しなければならないのが難点ですが、海外旅行好きの中には、FX取引をしないのに外貨両替目的でFX口座を開設している人もいるほどです(安さの理由は後述します)。

現地両替所は、場所によって異なります。

タイやフィリピン、中国人民元や韓国のウォンといった限られた地域で取引される「マイナー通貨」の場合、日本国内で両替すると手数料が割高なため、FXを利用しないのであれば、現地で両替した方が良いでしょう。

外貨預金は、レートに関しては安いのですが、為替手数料が高いのが特徴です。

たとえば米ドルの場合、およそ2円です。これは日本円を替えるときだけでなく、帰国して米ドルを日本円に替えるときも適用されるためです。

忙しくて両替施設へ出向く時間がない人には、宅配がおすすめです。

取扱い業者によって両替手数料だけでなく配送料も異なりますが、わざわざ時間を割き、場所によっては交通費をかけることを考慮すれば安上がりかもしれません。

しかも、基本的にインターネットで24時間申込みができるのもお手軽です。届くのに2~3日かかるのが、唯一の泣き所と言えるでしょう。

銀行と旅行代理店は、両替手数料が一番割高です。しかも銀行は、営業時間も短いのが難点です。

ただし、主要な駅近辺には、必ずあるためアクセスがしやすいのと、取扱通貨が豊富なので、「マイナー通貨」の国へ行くときはいいかもしれません。

「たかが1円」と考えていると損をする

こうして両替手数料を比較してみると、

「たかが1円、2円くらいならそれほど変わらないのでは」と軽く考えがちです。

しかしそれは、大きな間違いと言えるでしょう。

なぜならば、1ドルあたり1円違うと、たとえば1000ドル両替したときは1000円も違ってくるからです。

そこで、両替施設別に1000ドル両替した場合の手数料を比較してみましょう。

[表2:両替施設別 1000ドル両替した場合の手数料]

(2016年10月20日のデータ。1ドル=103.58円)

種類 会社名 為替レート 1000ドル両替時の手数料
FX セントラル短資 103.78 200円
外貨預金 りそな銀行 104.66 1080円
外貨両替店頭 マネーバンク 104.66 1080円
金券ショップ 大黒屋 105.68 2100円
現地両替所(アメリカ) ハワイ・ホノルルDFS 105.91 2330円
空港内両替所 GPA外貨両替専門店 106.14 2560円
外貨宅配 トラベレックス 106.21 2630円
銀行店頭 三菱東京UFJ銀行 106.46 2880円
銀行宅配 ゆうちょ銀行 106.63 3050円
銀行宅配 三井住友銀行 106.66 3080円
旅行代理店 JTB 106.89 3310円

いかがでしょうか。

「2円~4円」となっているとイメージが湧きませんが、リアルに両替する金額にしてみると差の大きさがよくわかります。

両替手数料が安いFXと、旅行代理店(JTB)では、なんと3,110円もの差があります。

この差を生んでいるのが、各業者の為替レートです。

その日のドルレートと業者の為替レートとの差額が、実質的な両替手数料で、業者の取り分となります。

上の表のデータは2016年10月20日のものですが、ドルレートによって為替レートが変動するものの、実質両替手数料は原則として変わりません。

この日は1ドル103.58円だったため、FX会社のセントラル短資の場合、両替手数料は0.20円(103.78円-103.58円)となります。

一方、JTBは106.89円-103.58円ですから3.31円です。業者によってかなりの差があることがわかります。

「手数料無料」のカラクリとは?

なお、「手数料をとっていない」としている業者もありますが、単に手数料と謳っていないだけの話です。

たとえばゆうちょ銀行の外貨宅配の場合、ホームページで「手数料をとっていない」と記しながら、一方で「ゆうちょ銀行・郵便局で外貨両替する際の為替レートと外貨宅配サービスの為替レートは異なります」としています。

ちなみに、2016年10月28日のゆうちょ銀行外貨宅配サービスの為替レートは1ドル=108.25円でした。

同日のドルレートは105.32円ですから、実質的な両替手数料は1ドルあたり2.93円です。

上の表にもあるように、同年10月20日のゆうちょ銀行の為替レートは106.63円。

ドルレートはこの日103.58円でしたから、実質両替手数料は1ドルあたり3.05円となります。

同日ではありませんので、誤差がある可能性はありますが、外貨宅配サービスとの差は0.12円です。

微額とはいえ、外貨宅配独自の手数料が実質的に上乗せされているのです。

後述する外貨仕入れの手間もありますので、両替手数料を業者に支払うのはむしろ当然のことです。

利用者の立場で言えば、わかりやすく表示してほしい気持ちもありますが、こうした表示から学べるのは、知識を持つことの重要性です。

為替レートの意味を理解できているかどうかで、支払う金額が少なからず変わってくるわけですから、的確な情報を収集することの大切さを理解してもらえればと思います。

なぜ銀行の外貨両替手数料は高いのか

さて、なぜ外貨両替の手数料は業者・業態によってこれほどまでに違うのでしょうか。

まずは、銀行の手数料が高い理由を考えてみましょう。

普段FX取引をしていると、ワンクリックで外貨の売買ができてしまうので気が付きにくいですが、実際に外貨を仕入れるのはそんなに簡単ではありません。

銀行が米ドルを仕入れようとする場合、まず東京外国為替市場で円をドルに換え、アメリカにある自行の支店に送金します。

このときは書類上の数字ですが、アメリカの支店では紙幣を調達するために別の銀行や連邦準備銀行の支店で両替をし、ようやく紙幣を入手できるわけです。

さらに日本へ空輸するわけですから、意外と手間がかかっていることがわかります。

しかも、価格が変動するため、リスクを考慮して在庫を抱えることはできません。

決して、儲けようと思って手数料を取っているわけではないのだと思います。

また、同じ銀行でも両替手数料に差がありますが、これはインターバンク・レート(銀行間相場)の影響です。

銀行は、金融機関同士が取引を行うインターバンク市場のレートを参考に、それぞれが仲値を決めます。

ほとんど横並びになりますが、同一ではありません。同一ではないため、両替手数料にもわずかながら差が出るわけです。

そして、そのわずかな差でも、1000ドルなどまとまった金額を両替しようとすれば、数百円ではありますが違ってくるというのは、上の表を見れば明らかです。

FXはなぜ外貨両替手数料が安いのか

「手数料」の言葉どおり、外貨両替には手数がかかっていることがわかりました。

では、なぜFXで外貨両替をすると安いのでしょうか。

分かりやすいように、銀行と対比させて考えてみると、主に3つの違いがあります。

 

  • 外貨に対するスタンスが違う
  • 外貨取引量が多い
  • 運営コストが低い

外貨に対するスタンスが違う

理由としては、まず外貨に対するスタンスの違いが挙げられます。

FXは、そもそも外貨を売買して出た差益を目的とする取引です。

オンライン上の数字のやりとりになるのでイメージしにくいですが、FX口座では常に外貨が出入りしています。

ですから、利用者はFX取引を行っている時点で、実はすでに外貨を手にしているのです。

銀行の場合は、数あるサービスのひとつとして「外貨両替」があります。

実際は都度行うわけではないでしょうが、利用者のオーダーに応じて外貨を仕入れるわけです。

いわば「注文販売」のようなイメージです。在庫を抱えることはありませんので、特に安くなることもないわけです。

外貨取引量が多い

銀行は、外貨両替の“事前予約”を推奨しているほど外貨保有量は限られています。

しかし、FX業者は外貨売買を行うのが前提ですから、その取扱量は銀行とは比較にならないくらい多いわけです。

為替レートも、銀行は原則として1日1回変わるだけですが、FXはリアルタイムで変動しています。

利用者の取引数を考えれば、1日の取引量は膨大な数にのぼります。取引量が多ければ、単価を安くできるのはビジネスの原則です。

運営コストが低い

銀行は窓口で外貨両替ができます。

メガバンクは全国津々浦々に支店を持っており、その運営コストがかなりの額にのぼっていることは容易に想像がつきます。

その点、FX業者は原則としてリアル窓口を設けていません。

そのための家賃や人件費といったコストが一切不要なため、銀行と比べると圧倒的に運営コストが安いと言えるでしょう。

FX業者の両替手数料

FX業者を利用して外貨両替を行うときは、以下の手順が必要です。

  1. FX業者に口座を開設
  2. 口座に日本円を入金
  3. 外貨を購入(買いポジションを保有する)
  4. コンバージョン(両替取引)を申請
  5. 銀行口座へ送金(業者によっては空港受取も可能)
  6. 外貨を引き出す

現在は、FXを利用した外貨両替が安いことが知られ始めていることもあり、外貨を購入しなくてもコンバージョンできる業者が登場しています。

逆に、外貨両替に対応していない業者も存在しますので、事前に調べておきましょう。

以下の表に、外貨両替できる業者をまとめましたので、比較検討してみてください。

[表3:FX業者の外貨両替手数料]

FX業者 両替手数料 受取手数料 対応通貨 最短受取
可能日
受取
セントラル短資FX 無料(ただし各通貨レートに0.1銭の上乗せが発生) 三井住友銀行:無料
みずほ銀行:無料
三菱東京UFJ銀行:
本店は無料、支店は1,500円
その他金融機関:
一律1,500円
7通貨 4営業日 外貨預金口座
ワイジェイFX(YJFX) 無料 1回1,500円 8通貨 2営業日 外貨預金口座
マネーパートナーズ
【空港受取】
0.2円/1通貨 1回500円 6通貨 4営業日 空港(成田・羽田・中部国際・関西国際)
マネーパートナーズ
【外貨口座受取】
0.2円/1通貨 2,500円
(1買い無料のサービス付き。同一通貨で2万通貨以上の場合は無料)
9通貨 3営業日 外貨預金口座
マネースクウェア・ジャパン 0.03~0.1円/1通貨 6,000円(50万通貨ごと) 7通貨 約1週間 外貨預金口座
マネックスFX
プレミアム
0.2円/1通貨 2,000円(1件につき) 2通貨 4営業日 外貨預金口座

空港で受け取るのがもっとも手間がかからず、手数料も安いですが、対応しているのは現在のところマネーパートナーズのみです。

なお、受け取れるのは

の4カ所です。

注意したいのは、銀行口座に送金したい場合です。

すでに外貨になっていますので、まず外貨預金口座を開設する必要があります。

そして、そこに送金された外貨を引き出す際には、銀行にとってリフティングチャージ(外貨取扱手数料)などが別途必要な場合があります。

また、FX業者と提携していない銀行へ送金する場合は、さらに出金手数料や送金手数料が加算されてお得ではなくなってしまいますので、外貨預金口座をどこで開設するかも含めて検討しておくと良いでしょう。