「FXで勝つ方法」みたいなタイトルの情報商材って実際に役に立つの?
インターネットでは、「空いた時間を使ってFXで儲ける」などの「FXで勝つ方法」的な情報商材をよく目にします。実際のところ、この手の情報商材を活用すれば本当に勝てるのでしょうか?
これは難しい問題で、勝てる人もいれば、勝てない人もいます。そのため「少しでも勝率を上げるために情報商材を活用したい」と考えても決して不思議ではありません。しかし、何も考えず「儲かる」というキャッチコピーに飛びついていては、タチの悪い詐欺に引っかかることもありえます。
少なくとも、「FXの情報商材」の現状を知り、どのように活用するかを考えてからでも遅くはないでしょう。ここで解説していきますので、それから自己責任で判断してみてください。
目次
FXはラクに勝てる取引ではない
まず大前提として、「FXでラクに○○万円稼ぎました」という話を検証してみましょう。
確かに、ある瞬間だけ切り取れば珍しいことではありません。
しかし、それが継続できるかどうかは別問題です。
よく考えてみてください。
FXトレードを行う外国為替市場は、24時間、世界中の機関投資家が“切った張った”を繰り返している異種格闘技戦のリングのようなものです。
しかも、機関投資家ともなれば、間違いなく高性能コンピューターで武装しています。
驚くほど高い学歴を持つ人や、金融の専門家並みの知識を持つ人も少なくありません。
そんな中で、初心者の素人投資家がわずか数万円程度の情報商材で武装したとしても、継続して勝てるでしょうか。冷静に考えれば、かなり確率が低いことが理解できるはずです。
仮に、最初のうちは勝利を重ねたとしても、ビギナーズラックのようなもので、まず長続きはしません。
少なくとも、「ラクに勝つ」とか、「空いた時間にパパッと勝つ」というのは、ほとんど実現不可能な夢物語だと考えるべきです。
その原則を踏まえたうえで、「FXの情報商材」とはどのようなものなのか、そして、どのように活用するべきかを分析していきましょう。
自分の生活スタイルや、性格に合った手法でないと身につかない
インターネットで検索すれば、すぐに数多くのFX系情報商材を見つけることができます。数千円レベルのものから何十万円もする高額なものまで、価格もさまざまです。
どうしても、まず価格が気になるでしょうが、それだけにとらわれていると間違いなく失敗するでしょう。では、最初に何を考慮するべきなのでしょうか。
ここで大切な視点は、「自分の生活スタイル」と「自分の性格」です。たとえば、会社勤めの人は、「モニターに張り付く」手法の商材を購入しても、実践することはできません。
午前中や夕方の取引方法をいくら学んだとしても、毎日残業で夜遅く帰宅しているならば、いつまで経っても実行に移せないのです。
「性格」も意外と重要です。
短気な人に長い期間ポジションを保有する手法は合いませんし、のんびりタイプの人は、短期トレードを繰り返すような手法を実践するのは難しいでしょう。
実は、「FXの情報商材を活用しても勝てない」と思っている人の多くは、ライフスタイルや性格とミスマッチしているケースがほとんど。したがってFX情報商材の良し悪し以前に、その手法が自分に合っているかを見極めなければ意味がないのです。
最適な情報商材をゲットしても、儲けるまでには時間がかかる
「ならば、自分にマッチした情報商材なら儲けることができるの?」
この問いの答えは、結論から言えば「Yes」です。ただし、いくつかの条件が必要です。
まず、実際に勝っているトレーダーが作成した情報商材というのが大前提です。
これは非常に重要なポイントなので、次の項目で詳しく説明します。
もうひとつ、いくら自分にマッチしていてもある程度の時間は必要です。冒頭でも触れましたが、FXの世界は強者ばかりが集って戦っているリングのようなものです。FXの情報商材は、確かにそこで戦うための武器になります。しかし、どんな武器でも、基本的な使い方がわからなければ役に立ちません。そして、ある程度の経験を積まなければ、意のままに使いこなせないでしょう。
さらに、FXの世界で勝ち抜くためには、基本的な作法や立ち回り方、戦いの避け方など、知らなければならないことが山ほどあります。武器を手にしただけで勝てるほど、戦いは甘くないのです。
会社でも、大学を卒業したばかりの新入社員が一人前になるまでには、2~3年かかるのが普通です。FXも同じ。パッと始めて2~3か月で利益を生み続けられるならば、世界中お金持ちであふれています。何事も、「習熟」が必要ということを、ぜひ忘れないようにしてください。
詐欺的なFX情報商材も存在している
残念ながら、FXの情報商材の中には、実際にトレードしていないのに「これで儲けた!」と謳っているものが多くあります。初心者のうちから、こうした詐欺的な情報商材を見極めるのは、決して簡単ではありません。
防衛策としては、興味を持って購入する前に、販売者なり作者なりに質問を行うのが効果的です。販売者にしてみれば「見込み客」なので、たいていは丁寧に対応してくれますが、実際にトレードをしていない人だと、辻褄の合わないことを言ってくることがあります。
どんな対応が返ってくるかを見てから購入しても、決して遅くはありませんので、一回は質問を投げかけてみることをおすすめします。
あとは、情報商材の名称をインターネットで検索することも忘れないようにしてください。
ただし、アフィリエイトが絡んでいると悪評を見つけるのは難しいので、たとえ評判が良かったとしても過信は禁物です。
注意したいのはレビューサイトです。
口コミは、つい疑いもせず信用してしまいがちですが、サイトの管理人が、購入してもいないのに「この情報商材なら勝てる!」と謳っているケースも少なくありませんので、鵜呑みにしないことをおすすめします。
こうして見ていくと、情報商材の良し悪しを見極めるのが難しいことがわかるでしょう。
ただし、以前と比べれば、ここ2~3年で詐欺的な商材は随分減った印象があります。
少なくとも、上記に挙げたポイントに注意していれば、悪質な情報商材に引っかかるリスクを減らすことができますので、覚えておいてください。
商材ジプシーも存在
Aという商材を購入して勝てないとなると、Bという商材を購入し、それでも勝てないとさらに別のCという商材を購入して……。こうした、勝てるFXの情報商材を求めてさまよい続ける人は、決して少なくありません。いわゆる「商材ジプシー」と呼ばれる人たちです。
「商材ジプシー」は、詐欺的な情報商材ばかりに引っかかっているのでしょうか?
実は、そうでもないのです。良質な情報が得られる商材を入手しても、数週間程度で結果が出なければ「この商材はダメだ」と決めつけてしまう人たちが多いのです。
先述したように、「パパッと簡単にFXで勝てる方法はない」ということを認識せず、自らの努力を放棄して商材に責任転嫁していては、いつまで経っても進歩できないでしょう。
いくつも情報商材を入手して「商材ジプシー」になってしまい、気付けば商材の購入費だけが嵩んでしまっている……。
そんな状態に陥ってしまったら、FXの世界で勝ち組になることができないのは、言うまでもありません。
まとめ
FXで勝てるようになるには、手法を学ぶだけでなく、外国為替市場を動かす様々な要因や、立ち回り方を学ぶ必要があります。
逆に言うと、それらの知識やノウハウを身につけることができれば、FX商材は十分に外国為替市場で使える武器になります。テクニカル指標の知識は、その最たる例です。
つまり、地道に学びながら情報商材を活用するのが、もっとも賢い活用法なのです。
そこに至る前に挫折してしまったり、「商材ジプシー」になってしまったり、あるいは詐欺的な商材に引っかかってしまったりする人が多いため、「情報商材はうさんくさい」と思われがちですが、使いこなせれば強力な武器にもなりえます。
通常の商売と同じく、いくらビジネスノウハウを教えてもらったからと言って、実践できるかどうかは別問題です。
情報商材は、入手しただけで効力を発揮するものではありません。
あくまで情報のひとつであり、わかりやすく言えばツールのひとつだと考えるべきです。
通常のビジネスでも、ただノウハウを知識として得ただけで役に立たないのと同じです。
せっかくの情報を有効に利用できるかどうかは、上手にツールとして使いこなせるかどうかにかかっていると言えるのではないでしょうか。