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副業でFXをしている人は、マイナンバー導入で会社にバレたりする?

 

これまで、「普通徴収」で確定申告をしながら副業としてFXをしてきた人は、マイナンバー制度が導入されたことで、これまで通りのやり方だと会社にバレるのではないかと心配になっていませんか?

しかし実際にその可能性は低いでしょう。

ここでは、その理由と、バレないための注意点を探っていきます。

目次

副業がバレる原因は、ほとんどが住民税

そもそもなぜ副業が会社にバレる恐れがあるのでしょうか。キーワードは住民税です。

住民税は、会社員であれば基本的に毎月給与から天引きされます。

その額は1年間の所得合計によって異なり、副業などを行った場合はその収入も所得としてプラスされます。

つまり副業収入の額が大きいと、他の会社員に比べて天引きされる住民税の額も増えます。それが、会社に知られる原因なのです。

そこで、副業分の確定申告をする際には、確定申告書用紙B内の「給与・公的年金などに係る所得以外の所得に係る住民税の徴収方法選択」欄において、「自分で納付」という項目を選択します。

これで、「普通徴収」を選択したことになります。

「普通徴収」は、住民税を自分で支払うということです。

天引きされる住民税の額が大きくならないよう、副業分の住民税は自分で支払うようにすれば、会社の給与からは本業分のみの住民税が引かれることになります。

その結果、副業がバレにくくなるというわけです。

マイナンバー制度について

では、マイナンバーが絡むことによってどうなるのでしょうか。

そもそもマイナンバー制度は、行政の効率化、国民の利便性向上、公平・公正な社会実現を目的として導入されました。

その中の「公平・公正な社会実現」という部分が税金制度と関わってきます。

現在、会社員などの給与所得者は、収入の10割を税務署に掌握されています。

それに対して自営業者は5割、農業や水産業などは3割。これは「10(トー)5(ゴー)3(サン)」という言葉で表されます。

そのため、給与所得者以外の自営業者などは、税金対策としてグレーな方法でかなりの節税が可能でした。

しかしマイナンバー制度の導入により、それらの人の収入も把握されるため不公平さは解消。グレーな行為はできなくなります。

つまり、確定申告をして税金をしっかりと納めている人にとって、マイナンバーは特に問題とならない制度なのです。

ただし、これまで何の申告もしてこなかった場合はバレる可能性が高くなります。

税理士と市役所の見解

税のことは専門家に聞くのが一番でしょう。

ある税理士いわく、

「今のところはこれまで通り普通徴収にしていればバレることはない」

とのことでした。

税理士仲間とも当面は問題ないだろうと話しているそうです。ただしまだ制度がスタートして間もないため、不確定な部分もあるのは否めません。

一方、公的機関の見解はどうでしょうか。

ある役所に、

「これまで普通徴収で副業分の住民税を自ら支払っていたが、マイナンバー制度の導入で会社に副業が知られることはあるのか」

と質問したところ、返答は

「マイナンバーは収入があるにも関わらず確定申告をしていない人に対して、課税を推進する制度。従って副業をしていることが会社に明らかになることとはつながらない。これまで普通徴収をしているのであれば、改めて何かをする必要もない」

とのことでした。

ただし、これも税理士と同じく、まだ確実なことは言えないというのが前提のようです。

副業はマイナンバーと関係なく、バレる時はバレる

以上から、マイナンバーが副業のバレに直結しないことはおわかりいただけたと思います。

しかし、100%確実とは言えません。

これまで普通徴収をしてきて問題なかったのであれば今後もバレる可能性は低いですが、普通徴収にさえしていれば良いというわけではありません。

以下で考えられるケースを見ていきましょう。

自分の発信によってバレてしまう

意外と落とし穴になるのが、フェイスブックやツイッターなどのSNSサイトです。

そこでFXをしていることやそれを匂わせる発言をすると、会社の同僚に見られるケースがあります。

会社関係の人と直接SNS上でつながりがない場合でも、電話番号やメールアドレスが検索対象になり、知らない間に自分の記事やつぶやきが読まれる可能性もあるでしょう。

たとえばフェイスブックには、友人の友人や電話番号などをたどり、自分に関連していると思われる人の名前が勝手に表示されてしまう機能があります。

そこから思いがけずバレてしまうこともあるのです。

もし、仮名で登録したり、設定したプロフィールが本来の自分とはかけ離れたものであったりしても、何かのきっかけでバレることは十分考えられます。

ほかにもブログやメルマガを書いたり、副業の話題を飲み会で思わず話題に出してしまったり、といったことで明らかになる場合もあるので気を付けましょう。

確定申告の際、事業所得として赤字計上する

確定申告をする時に、事業所得と雑所得のどちらを選択するかで迷うケースがあります。

FXの場合は、たいてい雑所得として申告することが多いので、問題にならないことが多いですが、注意すべきなのは、事業所得と雑所得とでは、赤字の扱われ方が違う点です。

事業所得として赤字申告した際は、損益通算といって給与所得から差し引くことができる仕組みになっています。

たとえば本業の給与が400万だが、副業で100万の赤字が出た場合、300万の所得となり、税金を安く抑えることができます。

しかしその分住民税が安くなり、バレる可能性が出てくるのです。

住民税が高くなってバレるのとは逆ですが、安くなった場合は住民税を還付してもらうケースが出てきて問題になります。

住民税は後払いですが、そもそも還付される住民税を払う前であるため市区町村では還付ができず、本業の給与所得と相殺することになります。

そのため普通徴収を選択しても住民税が安くなり、バレることがあるのです。

一方で雑所得として赤字申告すると、損益通算は適応されません。

なので特に赤字の場合、副業がバレないようにするためには雑所得として申告するほうが良いでしょう。

副業であっても、雇用関係があり給与所得をもらっている

アルバイトなどをしている場合は給与になるため、確定申告で普通徴収を選んでも「特別徴収」の扱いになり、会社の給与から副業と本業の収入が天引きされてしまいます。

ただし、この仕組みは市町村によってばらつきがあるので、普通徴収でも大丈夫なケースは存在します。

また、個人的にFXで副業をしている場合には、雇用関係も発生しないので特に気にする必要はないでしょう。

公的機関の職員のミス

まれに役所職員のミスにより、普通徴収を選択しても特別徴収になってしまうケースがあります。

そういった事態を防ぐため、確定申告後に市区町村へ電話を入れ、確認すると良いでしょう。

可能な限りバレないためには

確実な方法は、やはり税理士に相談することです。

「個人で依頼するのは気が引ける」と思うかもしれませんが、今やそういったケースは珍しくありません。

依頼金の相場も10万円前後であり、何より面倒な申告作業の手間が省けるのも助かるところです。

もちろん確定申告に特化したソフトを利用するのも方法なので、よく検討して決めると良いでしょう。