FXを始めるに当たってまず考える事は、運用会社を選定することといくら投資すれば良いかの「投資金額」ではないでしょうか?
投資運用会社は比較的簡単に決まるでしょうが、投資金額については「いくらから始めればいいのか?」と迷う事と思います。
ここでは、いくらくらいFXに投資したら良いのか、ということを考えてみましょう。
妥当な投資額を考える時
FXの投資額に疑問を持った時は、もちろんFXに精通している知人や友人、先輩の意見や経験も参考にするでしょうが、最後は自己責任で決めなければなりません。
自分の投資ですから責任は、100%自分(投資家)にあります。
その答えを先に言いましょう。
結論は「金額はいくらでも良い」ということです。10万円が正解だということはありません。
要は投資家のライフスタイルや経済状況(いくらの余剰資金があるか)やFXを行う初期目的(勉強のため、儲けたい為、脱サラをしたいなど)を考慮しで決めればいいのです。
Aさんにとっては10万円になるかもしれませんし、Bさんは100万円、Cさんは1万円が適切な投資額かもしれません。
10万円でFXを始めた場合
10万円を投資すれば、全く問題なくFX取引を行うことが出来るでしょう。
FXには、レバレッジという優れた魔法の武器があります。
例えばレバレッジを10にすると、10万円ならば、10万円×10(レバレッジ)=100万円までの取引が可能です。
レバレッジを25にすれば、4万円で100万円の取引が可能になります。これが魔法の杖です。
レバレッジは大きな武器ですが、一歩間違えれば、大きなリスクが待っています。
FXは未来予想の投資ですから、損もあれば得もあります。それを経験と科学と心理学を駆使して、負けよりも勝ちの確率を上げるゲームでると言えるでしょう。
これだけは言っておきたいのですが、生活資金をFXに使うのは良くありません。
先ほど述べたように心理的な側面もFXの勝ち負けに影響しますから、絶対必要資金(生活費)を投入すると、余裕を持った客観的な判断が出来なくなり勝率が悪くなります。
「余剰資金を使う」というのが、FX投資のキーポイントなのです。
全く余剰資金が無いと言う人であっても、計画的に資金を貯めればいいのです。月に1万円でも良いでしょう。
遊興費や交際費、嗜好品費を節約すれば月に1万円は節約できます。一年発起から10ヶ月で、FX投資(初期投資額10万円)が出来るようになります。
100万円をFXに投資する場合
ある程度の生活基盤が出来て、収入も増え余剰資金が100万円できたとします。
資金の流動性や金利から考えると、100万円ならFXが最も適した投資であると思います。
しかし初めから大きな取引はいけません。負けてしまって折角の100万円が「0」になるかもしれないのです。
ここは辛抱して、FXを学びながら(学ぶと言うのは学問や知識ではありません。FX投資を繰り返して行う実践です)、少額で投資したいものです。
コツコツと投資を繰り返して、少額の利益を積み上げて行きたいものです。
(1日500円の儲けでも、月間では15,000円となります。年間で18万円であるから、預金したと仮定するなら利率は18%なのです)
このくらいの資金が有れば、金利差(スワップポイント)狙いの投資も有効になるでしょう。
例えば、オーストラリアドルは金利が1.5%、南アフリカランドは7%です。
為替の変動が無くても、例えば1年間これらの通貨を買っておけば、年間15,000円並びに70,000の利益があります。
余裕はないけれど、ポケットマネーでFXを学びたい!
余剰資金が無いが将来はFXのトレーダーになりたいと考える人や、とにかくFXを知っておきたいと考える人は「ポケットマネー」で投資を勉強することから始めましょう。
投資金額1万円でも充分です。1通貨から投資が可能なFX会社もあります。
レバレッジを大いに利用しましょう。
初心者でレバレッジを大きくすると危険であると誤解している人がいるようですが、正しく「レバレッジ」の意味を理解すれば、正しい投資が出来るようになるでしょう。
私の友人の例を紹介します。彼はFXを始める前には余剰資金がありませんでした。職業はサラリーマンです。
そして脱サラして商売を始めると言う夢を持っています。そこでお金のことを学びたいと思い、FXに興味を持ちました。
しかし、当時は資金が無くて、交際費や遊興費、嗜好品代を節約して、やっと1万円を捻出してFXを始めました。
そして、夜寝る前の1時間と昼休みの30分を活用して、トレードを初めて半年で2倍(2万円)に増やしました。
彼はその後、半年で2倍になる様な勝率を維持して、3年で50万円位まで資金が増えたと聞いています。
少額でもコツコツと勝率が上がる取引を継続すると楽しい世界が待っています。
1000万円の余剰資金ができた場合の立ち回り方
FXを始める時に1000万円の余剰資金がある人は少ないかもしれません。
1000万円もあれば、投資信託などに振り向けた方が良さそうと考える人もいますが、投資信託は販売会社(主として銀行)にリスクはなく、顧客が全てリスクを取る金融商品です。
銀行は投資信託を売れば儲かる仕組みになっていて、悪い言葉ですが投資信託販売会社から見ると「後は野となれ山となれ」ということでしょう。
もちろん1000万円を株式投資に回すこともアリですが、ここではあえてFXに投資した方が良いという視点に立って解説します。
その理由は、
- FXなら流動性が大きい(翌日に現金化可能である)
- 小さな値動きでも、投資する資金が1000万円と大きいので、為替レートの1%変動でも、10万円の利益が生まれる(もちろん逆だと、10万円の損失)
また、100万円項目で述べた、スワップポイントの活用も考えられます。
1000万円で先ほどの計算をすると、南アフリカランドならば、年間で70万円の利益が生れます。(もちろん為替相場が不利な方向に動けば損失を被る)
1年間ポジションをキープ出来ない短気な方でも1ヶ月は大丈夫でしょう。約58,000円のスワップポイントが稼げます。
最後に、1000万円あれば為替相場が1%変動すると10万円の利益が発生します。
つまり、過去の日銀が金利政策を変更した際には、米ドルに対して20円ほど円安(1ドル80円→100円)になったので、この場合20%の為替変動に相当しますから、200万円の利益が出ます。
たった1週間ぐらいでこれほどの利益が生れる投資はないでしょう。
(もちろん売り買いを間違えると損失になるのは言うまでもありません。チャンスの裏にはリスクもあります)
結局、失っても痛くない範囲が妥当
色々なケースを、このコラムで紹介しましたが、結局のところ、失っても支障がない範囲の資金が妥当です。
「そんな資金はない!」という方がいたら、FX取引を始めない方が良いかもしれませんね。
FXは慣れるまでにも相当時間がかかります。貯金を全部使って、強制ロスカットなんて目も当てられません。
一番わかりやすくいうと、保有資産の一部だけ使って投資をするという方法が一番良いでしょう。
その場合、100万円使うなら最悪100万円失うだけです。
でも300万の財産を全て使ってしまったら、いざという時全部失う可能性もあるということです。
始めた当初は無理な投資はしないということを忘れないようにしましょう。