オーストラリアは日本からも比較的近い、オセアニアの大きな国です。
コアラ、カンガルーといった動物がいたり、グレートバリアリーフやゴールドコーストといった美しい風景を持つ場所があったりするため、世界有数の観光地になっています。
また、オーストラリアは赤道の南側にあるため、1年の気候は日本の正反対です。
国土が広いので地域差はあるものの、つまり日本が冬の時に行けばオーストラリアは夏で、日本が夏であればオーストラリアは冬です。
ここでは、オーストラリアの特徴と豪ドル/円についてご紹介します。
オーストラリアは日本からも比較的近い、オセアニアの大きな国です。
コアラ、カンガルーといった動物がいたり、グレートバリアリーフやゴールドコーストといった美しい風景を持つ場所があったりするため、世界有数の観光地になっています。
また、オーストラリアは赤道の南側にあるため、1年の気候は日本の正反対です。
国土が広いので地域差はあるものの、つまり日本が冬の時に行けばオーストラリアは夏で、日本が夏であればオーストラリアは冬です。
ここでは、オーストラリアの特徴と豪ドル/円についてご紹介します。
オーストラリアでは、オーストラリアドル(豪ドル)が使われています。AUDと表記され、日本では豪ドルと呼ばれています。
豪ドル/円の動きを見てみると、たまに為替レートが大きく飛ぶことがあります。
この理由は、オーストラリアの指標発表ではなく、中国の指標発表による影響の可能性が極めて高いと言われています。
一般的にはあまり知られていませんが、オーストラリアと中国は経済上、日本と中国以上に密接な関係を持っています。
この裏付けとなっているのが、TWI(Trade-Weighted Index) という指標です。
このTWIは、豪州準備銀行(オーストラリアにおいての中央銀行)が現在の豪ドルの強弱を測る基準として用いる指標です。
そして、このTWIの数字が大きい国ほど、オーストラリアとの貿易関係が強いと言えます。
[図1:TWI(2004年と2014年)]
2014年の時点では、30%近くを中国が占めています。
2番目に多い日本が12.5%、3番目のアメリカが9.8%なので、中国の一国としての影響力の高さは、他を圧倒しています。
上位5カ国・地域以外の「その他」の国々が34.7%だということからも、30%近い数字がある中国は、かなり経済的に影響力があります。
一国でここまで占めれば、経済状況が連動するのも無理はありません。
オーストラリアと中国との経済関係は最近急激に緊密になりました。
30%近くを占めるようになった2014年の10年前である2004年の時点では、日本がトップでした。
アメリカとユーロが2、3番手を争い、中国は現在よりも15%以上低い11.3%しか占めていません。
上記の円グラフを見ると、日本、アメリカ、ユーロはほぼ同じ割合で拮抗していました。
わずか10年ほどで、中国とオーストラリアは一気に緊密化したということす。
オーストラリアの値動きは、かなり特殊です。
ドル/円やユーロ/円などでは、日本時間の日中は小さく、夕方から夜間、欧米が経済活動を始める時間帯に差し掛かったところで、動き始めるというのが大半です。
しかし、豪ドル/円は午前中に乱高下するのが特徴です。
そのため、ドル/円などと同じようなやり方で取り組むとうまくいきません。
このような事実を知らないと全く儲けにならないことだけでなく、急激に動き出して一気に損をしてしまうこともあります。
そして、乱高下するだけでなく、その値幅が大きいということも問題があります。
価格変動率を見ても、最低でも0.15%近い動きがある時もあります。ドル/円と比較すると、1.10%を下回っていることからも非常に大きい差があります。
そして、変動が大きい時間帯では変動率も著しく跳ね上がり、豪ドル/円は0.3%以上動きます。
ドル/円では0.25%にすら届かないこともあります。
他の通貨ペアと比較してしまうと値動きの差がありますが、豪ドル/円とドル/円にも近い部分があります。
それは、22時頃の値動きです。この時間帯には、値動きはどちらのペアも大きくなります。
ドル/円やユーロ/円などという円関連のペアは、午前中にあまり動かかないものですが、この豪ドル/円は午前中に活発に動く珍しいペアでもあります。
豪ドル/円がこのような動きになる理由は、大きく分けて2つあります。
1つは、オーストラリアの経済指標が発表される時間帯です。
基本的にサマータイムならば、日本時間の午前9時30分、サマータイムではない標準時間では、午前10時30分に発表されます。
政策金利などを除き、毎月の雇用統計はこの時間帯に発表されるので、レートが急激に動くのです。
雇用統計が発表されるときは、必ずと言っていいほど動きがあります。アメリカの雇用統計でドル/円が大きく動くのと同じです。
もう一つが、中国の動きです。前述したように、オーストラリアと中国は密接に関係しています。
中国での発表が豪ドル円を動かすことは、もはや珍しいことではありません。
中国での指標が発表される時間帯も午前中が大半なので、オーストラリアの指標発表の動きと重なり、より強い動きになる可能性が高いのです。
昨今、アジアからの観光客が日本でたくさん買い物をする「爆買い」という言葉が生まれましたが、中国人はオーストラリアでも、大量に買い物をしています。
実際、オーストラリア旅行に来た観光客で、もっともお金を使うのは中国人と言われています。
中国がバブルを引き起こすほど急成長したのは、オーストラリアの影響も強く受けていると言われています。
デイトレードで朝から豪ドル/円を扱うのであれば、中国のニュースには必ず目を通したほうが良いでしょう。
ドル/円と同じように考えていると、一気に損失を被ることもあります。
リスク回避には、取引数を減らすことを視野に入れるなど、対策を練っておく必要があります。
オーストラリアといえば興味深いデータがありますのでご紹介しておきましょう。
観光地であるオーストラリアに、日本人はどれくらい滞在するのでしょうか。
このような日数の統計は、投資や経済に接する人にとって、非常に興味深いものです。少し検証してみましょう。
例えば、日本人が世界各国に滞在する日数の平均は36日間と言われています。
この数字には、長期滞在者も含まれているので、平均にするとこの程度ということです。
一方、オーストラリアは27日間です。世界平均と比べると少し低い数字です。
これに「中位数」という数字を求めてみます。この数字は、中央値とも呼び、データを大きさ順に並べてちょうど中間に来る数字を求めるものです。
平均とは、合計から割り出したデータですが、中位数は値を順番に並べてちょうど真ん中にくる値を指します。
下図を見てください。「平均」というと低い数字になりますが、「中位数」は平均の2倍になっています。
これをオーストラリアに当てはめてみるとオーストラリアに滞在する中位数は5日、世界平均は11日です。平均日数は27日、世界平均は36日です。
オーストラリアに滞在する人が、中位数で5日というのは世界の中でも少ないということになりますが、逆に滞在平均日数は27日になります。
このことからわかることは、長期滞在者が平均値をアップさせているということです。ちょうど以下のような図になります。
ただし、中位数では短期滞在者が多くいる(世界平均では少ないけれど)ということがわかります。
[図2:オーストラリア滞在日数の中位数と平均]
つまり、FXに限らず、経済や投資の世界では「平均」に惑わされてはいけないということです。
「平均」の曖昧さを表す典型的なデータなので、ぜひ覚えておいてください。