ユーロとは、欧州の国が連なって構成されています。ユーロは、19か国がユーロを使用しています。
最近離脱投票が行われたイギリスもユーロに参加していますが、通貨はポンドを使用しています。
ここでは、ユーロの生まれた背景とユーロ/円についてご紹介します。
ユーロとは、欧州の国が連なって構成されています。ユーロは、19か国がユーロを使用しています。
最近離脱投票が行われたイギリスもユーロに参加していますが、通貨はポンドを使用しています。
ここでは、ユーロの生まれた背景とユーロ/円についてご紹介します。
一昔前までは、ヨーロッパの国々は全て独立していました。
つまり、隣り合っているので、車などで気軽に行けるのに、パスポートが必要であり、買い物などにはその国の通貨が必要でした。
ヨーロッパは様々な国が密集しているのにもかかわらず、非常に制限されている環境であり、ある種の閉塞感がありました。
そして、その閉塞感を打ち破るためにも、連合体としてのユーロが生まれ、共通通貨ができたことで、一気に解き放たれました。
とりわけ、企業活動では絶大な効果を発揮しました。
それまでのユーロ(ヨーロッパ諸国)は、陸続きでほぼ同地域にあっても輸出入のことを考える必要があるため、為替差損などにも配慮していましたが、その必要がまったくなくなりました。
個々では力が弱かったものの、連合になることで一気に力がついた瞬間です。
しかし、連合化したことのデメリットもあります。参加している、ある一か国の問題が大きくなれば、すべての信頼が揺らいでしまうのです。
この典型的な例が、ギリシャショックです。
ギリシャは、リーマンショック、サブプライムローン問題以降、失業者が飛躍的に増えました。
失業率は一気に上昇し、2012、2013年には25%を突破し、単純計算で4人に一人が失業しているという異常事態になりました。
それと同時に、増税や公共サービスの改悪によって財政を確保したため、ギリシャ国民の不満が爆発しました。
それだけに留まらず、他のユーロの国々から借金をして財政を賄っていたことで、莫大な借金だけが残りました。
特に失業者の問題は深刻で、若年者の失業率ではなんと一時50%を上回りました。
失業率が50%を超えるということは、どう考えても働いている人のほうが少ないということです。この異常事態により働く場所がなくなりました。
これがギリシャショックです。
その後、ユーロからの追加支援策などで、現在はピークを過ぎましたが、依然として深刻な事態であることには変わりません。
不幸中の幸いだったのは、ギリシャの力が絶大ではなかったことです。
もし逆であれば、ユーロ崩壊もあり得たかもしれません(もっともギリシャに経済的な力があった場合は、ユーロは壊滅していたので)。
それは例えば、ギリシャのGDPはわずか1.8%です。
ドイツが28.7%、イタリアやフランスなどはさらに低いのですが、ギリシャのピンチは実質的にユーロ全体で見た場合ほとんど影響がないと思えるレベルです。
それならば、EU全体でギリシャを支えられることも不可能ではないと考えられるでしょうが、実は借金を抱えている国は、ギリシャだけではないのがポイントです。
ユーロは連合であり、お互いが支えあって維持しています。それに加えてスペインやイタリア、ポルトガルなども多かれ少なかれ借金をしています。
そのため、ギリシャだけを特別扱いして救済したとしたら、そのほかの国も要求する可能性もあるでしょう。
いわゆる連合体として考えた時、組織的なリスクが顕在化しているのが現在のユーロ事情という訳です。
現在ギリシャは抜本的な改革などによって、一時のようなピークは過ぎましたが、依然として目が離せません。
しかも、現在はギリシャだけでなく、イギリスもユーロ離脱を国民投票で決定しました。
即時解決が難しい大きな問題が起こりやすい、それがユーロの現実です。
今後ユーロがどうなるのかは、予想するのが難しい状況です。
実は、ユーロが現在のような状態になった理由があります。一番の元凶となったのが、リーマンショックとサブプライムローン問題です。
どちらもアメリカで発生したものですが、この騒動以降、ユーロ圏が非常に不安定になりました。
ユーロ/円は、2001年あたりから円安傾向になり、2008年までにかけて170円台にまで行きました。
その直後リーマンショックにより、一気に円高になりましたが、2012年後半、政権交代をしてドル/円が上がるのと同時に、再び円安傾向になり、130円から140円台になりました。
ユーロ/円は、ドル/円と比べても、リーマンショックから8年近く経った現在でもリーマンショック前の水準には全く達していません。
その理由は、ユーロも日本のように低金利を続けて量的緩和政策をしていました。
低金利のツケが、今まさに回ってきていると言ってもいい状態です。
ポンド/円などと同じく、やはり日本時間の早朝、お昼、日中はあまり動きがありません。
日本の指標発表がある午前9時、10時前後こそ変動率が多少高くなりますが、後はほとんど動きません。
しかし、ユーロ/円は15時ぐらいからガラッと動きが変わります。
15時から17時ぐらいまではいくつか指標発表があるため、午前中とはまた違う動きになります。
17時過ぎから20時過ぎまでは再び落ち着きますが、日中と比べると変動率は高くなります。
20時以降、再び変動しますが、次第に小さくなり、日付が変わり朝を迎えます。
変動率の変化はドル/円よりもユーロ/円のほうが分かりやすく、時間の区切りを意識してチャートを見てみると、とても分かりやすいはずです。
ちなみに、5・10日(ごとうび)もわずかにではありますが動きます。
この日は、具体的には円高(下向き)傾向になることが多いと言われています。
それは、ユーロ圏で取引する日本の企業が多いためです。
5・10日は様々な通貨ペアの取引で影響があると言われていますが、ユーロ/円なら意識しなくても問題ないレベルでしょう。
また、ユーロは大きいニュースが飛び込みやすいので、そちらに注意を向けるのがおすすめです。