世界の代表的な主要通貨には、ドル、円に次いで、ユーロがあります。
しかし、わずか10数年前までは、この主要通貨に入るのはユーロではなくポンドでした。ポンドの市場があるのが、イギリスです。
イギリスはヨーロッパの北西に浮かぶ島国で、日本の3分の2ほどの面積の国です。
ここでは、そのイギリスの特徴とデイトレ向きと言われているポンド/円について解説します。
世界の代表的な主要通貨には、ドル、円に次いで、ユーロがあります。
しかし、わずか10数年前までは、この主要通貨に入るのはユーロではなくポンドでした。ポンドの市場があるのが、イギリスです。
イギリスはヨーロッパの北西に浮かぶ島国で、日本の3分の2ほどの面積の国です。
ここでは、そのイギリスの特徴とデイトレ向きと言われているポンド/円について解説します。
日本と同じ島国ではあるものの、資源が豊富なのが特徴で、イギリス北部には北海油田という油田もあります。
近年こそ生産量が減ってきているものの、現在も精力的に原油を生産している、れっきとした原油生産国なのです。
さらに去年、ロンドン郊外にて、北海油田の2倍の埋蔵量があるという大規模な油田が発見されたのも記憶に新しいところです。
北海油田の生産量減少を補える可能性が高いとして、非常に注目を集めています。
また、イギリスは世界でも屈指の艦隊を誇り、数百年前から各国に侵攻を繰り返していました。
今も遠く離れた場所にイギリスの領土があったり、英語が公用語になっている国があったりと、イギリスが統治していた形跡が残っているところがたくさんあります。
たとえばアルゼンチンの沖合にあるフォークランド諸島やカリブ海にあるケイマン諸島は、現在もイギリス領です。
ケイマン諸島が近いジャマイカは数十年前までイギリスの領地だったため、現在も独特のなまりのパトワ英語を公用語に用いています。
ちなみに、アフタヌーンティーもイギリスならではの文化です。スコーンなどのお茶菓子が3段に盛られ、紅茶をたしなんで休憩します。
女性同士の社交の場という意味と、オペラなどが夜7時から9時ほどまでの時間帯に開演されることが多かっため、腹ごしらえのためにパンやサンドイッチなどの軽食を食べるという意味があります。
現在のイギリスは、世界経済の中心地と言っても過言ではないほど、すさまじい成長を遂げています。
外国為替取引とは株の取引とは異なり、集中市場がありません。
そのため実際の取引量を把握するのが難しいのですが、過去数年の為替取引シェアを比較するとおおよそが判断できます。
例えば、国際決済銀行(BIS)が3年ごとに外国為替取引量の調査結果を公表しています。
この報告書によると、前回発表の分、つまり2013年の時点では、なんとイギリスが40.9%のところ、アメリカは18.9%にとどまっているのです。
次いでシンガポールが5.7%、日本が5.6%と続いていきます。
[図1:外国為替取引量(2013年時点)]
アメリカの2倍以上を持ち、2位から5位の合計よりも多い取引量を誇っているのです。
もはや、寡占状態と言っても過言ではありません。
欧州連合が発足し、ポンドからユーロに代わり、ポンドが基軸通貨の地位を失って10数年近く経ちましたが、イギリスは依然として世界にとって欠かせない役割を持っているのです。
ニュージーランドドルも値動きが大きいことで知られていますが、ポンドの値動きも非常に大きいです。
前段でご説明したように、現在の世界の主要通貨はドル、円、ユーロですが、ポンドの動きも負けないぐらい激しく、大きい動きをします。
1カ月から半年間ほどチャートを見比べるとわかるかと思いますが、ポンド/円では、1日で100銭、200銭動くことは珍しくありません。
1時間当たりに30銭近くは平気で動く通貨ペアなのです。
時間帯としては、とても分かりやすい時間に動きます。日本時間のお昼はあまり動きません。
午後から夜にかけて最も活発に動きます。これはイギリスの経済活動が始まる時間帯であるからです。
午前こそ日本の指標発表などがあるため若干は動きますが、お昼は最も値動きが小さくなります。
日本の指標発表も一段落して、ニューヨークやイギリスの市場なども開く前なので、この時が一番動きがありません。
しかし、午後4時から一気に動き出します。特に5時以降はFRBの会見など、様々な指標発表があるため、非常に強い動きになります。
次いで夜9時、11時などはアメリカの指標発表が控えているため、同じように大きく動きます。
そして、12時以降は急激に手仕舞いするかのように動きが小さくなります。これはユーロドルなども似たような動きをします。
よく観察するとわかりますが、価格変動では大きくても、変動率ではあまり高くないことも特徴です。
ポンド円は、午前が穏やかなこともあり、変動率ではそれほどでもありません。
しかし、値動きの大きさは前段でもご説明したように、1時間あたりでも非常に大きくなることがあるので、デイトレードに向いている通貨と言えるでしょう。
値動きが大きいのに、変動率があまり高くない理由は、為替レートの具体的な数字にあります。
例えば、過去数十年などの為替の数字を見ると、ニュージーランドドル/円とポンド/円では、とても大きい値動きの差があります。
具体的には、ポンド/円は120円から250円という幅ですが、ニュージーランドドル/円ではなんと40円から95円程度の動きにとどまっています。
およそ半分も違うため、例えば両方の通貨ペアで10円動いた場合は、ポンド/円ではレートの5%にしかすぎませんが、ニュージーランドドル/円なら10%から20%を超えるほどの大変動になります。
値動きの数字が大きいということは、その分損失や利益の数字も大きくなることですので、取引をする際には持つ枚数などに十分に注意してください。
最近、イギリスには見過ごせないニュースがありました。それは「ユーロ圏からの離脱」です。
ここでは時事的なとは割愛しますが、イギリスがEUから離脱することは、FXにおいても多大な動きになりました。
6月23日に行われた国民投票の結果、ユーロ離脱が決定しましたが、それによってポンドドル、ポンド円、ユーロドル、ユーロ円などの動きは大幅に乱高下しました。
2016年10月時点で、まだまだ詰めていかなければならない議論が残されているため、これからさらに一波乱も二波乱も起こる可能性があります。
つまり、ポンド市場はますます熾烈になっていくと予想できるのです。
このことからも、ユーロ市場からも目が離せないことは言うまでもありません。
冒頭でもご紹介したように、ポンドは現在の主要通貨の一つであり、ドル/円などと並んでも安定している通貨ペアです。
そのためイギリスの動向に大きく影響されますので、今後の動きにもますます注目していきたいものです。