FXと比較されやすいのが株式投資です。その理由は、投資信託よりもFXに似ているので、しばしば比較されやすいのです。
チャートなども見やすく、理論も通ずるところがある両者ですが、実際に始めるとなると、意外と迷うかもしれません。
見た目は似ていても、儲けの額、質など、中身は大きく異なります。
ここでは、両者の取引資金や取引にかかる時間、取り組み方などについてまとめていきます。
FXと比較されやすいのが株式投資です。その理由は、投資信託よりもFXに似ているので、しばしば比較されやすいのです。
チャートなども見やすく、理論も通ずるところがある両者ですが、実際に始めるとなると、意外と迷うかもしれません。
見た目は似ていても、儲けの額、質など、中身は大きく異なります。
ここでは、両者の取引資金や取引にかかる時間、取り組み方などについてまとめていきます。
FXの一番の特徴で、武器と言ってもいいのが、「レバレッジ」です。FXほどのレバレッジは、株にはありません。
株は現物に対して信用取引という方法で、3倍のレバレッジをかけることができます。
具体的に言うと、1株300万円の株を100万円で1株買うことができます。
一方、FXでは、最低3倍から25倍までのレバレッジをかけることができます。
例えば、1ドル100円の時、1万通貨分(1万ドル分)は100万円です。100万円を用意するのは大変ですが、4万円程度なら用意できるのであれば、レバレッジを25倍かければ100万円分の取引ができるのです。
また、ここでよく間違った理解がされていますが、レバレッジを25倍にすると利益と損失も25倍になるわけではありません。
利益と損失は、どれだけの通貨を持つかで変わります。
一般的に、1ロットと言われる1万通貨を購入しただけなら、1倍でも10倍でも、最小単位の値動きがあった場合では、10円の損益です。
2ロット、5ロットなどを持つと、持つ通貨の量が大量に増えますので、飛躍的に変わります。
これは、株では絶対できない、FXならではの特徴です。
しかも、25倍になったのは、最近の法改正によるもので、法人格であれば、25倍以上のレバレッジをかけることもできます。
テクニカル分析は、基本的に株もFXも同じ理論が適用できます。
例えば、デッドクロス、ゴールデンクロスといった用語もそのまま使われることがあります。
ただ、違う点を挙げるとすれば、売りから入れるかどうか、銘柄数、ファンダメンタル分析、取引時間などが異なります。
FXにおいての銘柄となる、通貨ペアはマイナーなものも含めても最大で50から60ほどです。
しかも、マイナーな通貨ペアだと動きを把握することが難しく、日本人が手を出すのはかなり難易度が高いため、メインとなるのは、ドル円やユーロ円やユーロドルなどです。
しかし、株だと数千種類の銘柄があり、どれを買うのか探すだけで大変です。
そして、ファンダメンタルのことも考える必要があります。
FXのファンダメンタルと言えば、各国の経済指標、議長や日銀総裁などの見通し、動向を見て予想するというものですが、株式はそれに加えて、その会社の業績、将来性を判断して買うかどうかを決める必要があります。
言うまでもなく、ただ景気が良く儲かっていれば「買い」というわけではありません。日経平均が上がっているから、その個別銘柄も上がるということもありません。逆もしかりです。
FXでは、例えばアメリカの経済の見通しが良ければ、ドルを買いで持てば、ある程度の利益は期待できます。
しかし、株は通貨のような大まかなものではなく、その会社の銘柄として業績などが大きく影響します。
さらに、東証一部やマザーズなど、市場によって値動きが異なることもよくあります。
言い換えれば、その会社の業種・業界に精通していて、強い根拠のある・見通しが立っているなど、詳細情報を熟知しているのであれば、FXよりも勝つ算段は付きやすくなります。
「その会社の業種・業界に精通している」ということを突き詰めると、インサイダーや仕手の可能性まで行き着きます。
ある組織、個人の思惑だけで値動きをするのが、FXよりも可能性が増すということがあるかもしれません。
FXでは、たとえ一個人が1憶円2億円を利益確定しようが、損切りしようが全く影響はありません。
また、株は「売りで入る」ということができません。株には空売りという言葉がありますが、それは前述の信用取引のみ出来ることで、通常はできません。
一方、FXはどんな通貨ペアでも、売りか買いのどちらでもポジションを持つことが可能です。
このように、株なら業界に精通する方向け、FXなら初心者でも気軽に始められるという部分が違います。
株は、東証の場合ならば平日9時~15時まで、昼休憩を1時間はさみ、2部制になっています。要するに、1日5時間しか取引ができません。
一方、FXは土日以外の平日なら24時間絶え間なく動き、取引することが可能です。
また、株は15時で閉まるため、昼間は普通に働いて帰ってから副業感覚でやることが不可能です。
しかし、FXなら世界中の市場が常に開いています。
日本の5時ごろには東京時間が終わり、夜に入りますが、それからは欧州時間となり欧州の市場が開きます。
次いでニューヨーク市場が開き、終わるころに朝になって東京時間が始まるのです。
夜に少しだけやりたいというのであれば、FXしか選択肢はありません。
しかし、これはデメリットでもあります。「延々ずっとやってしまう」という可能性があるからです。
まるでネットゲーム中毒のように、朝も昼もなく張り付くこともできます。
基本的に、どの通貨ペアでも値動きが少ない時間帯はありますが、それでもわずかに動いているため、24時間張り付くことも理論上はできます。
以上簡単に違いをまとめてきましたが、投資には変わりませんので、どちらもリスクは抱えています。
資産管理や手法次第では、損をすることも当然あり得ます。そして、どちらの取引にも手数料が発生します。
FXでは、売買手数料とスプレッドが発生します。
現在、基本的にはスプレッドのみのところが多いですが、中にはスプレッドが0な代わりに、必ず一定の売買手数料が発生するというところもあります。
スプレッドとは、買い、売りの値段の間に生まれる差額です。
FXでは、現在のレート通りにポジションを持つことはできず、必ずどちらかに振れている状態で持ち、マイナスから始まります。
株にかかる手数料は、売買手数料です。
証券会社に払う手数料で、スプレッドのように各会社によって異なりますので、事前に確認しておきましょう。
以上が、株とFXの比較です。
わかりやすいよう表にまとめましたので、それぞれのメリット・デメリットをよく確認してください。
中・上級者になると見方が変わってくると思いますので、その際の判断材料としても活用していただければと思います。
[図1:株とFXの比較]