FXは、口座内にあるお金(=証拠金)をかけて、レバレッジを効かせて実際の現金は、少額ながらも高額なお金で取引ができるのが大きな特徴です。
利益も大きくなりますが、反対に損も大きくなるものです。
損失が大きくなり、損失の額が必要証拠金の額を割った場合、もしくは損失額が証拠金を上回った場合には「マージンコール」という警告が発せられます。
ここでは、そのマージンコールについてご紹介します。
「マージンコール」は強制ロスカットの警告
このマージンコールが発せられるタイミングは、業者によってまちまちですが、証拠金維持率が70%、50%などを下回ったときに発せられるのが大半です。
また、業者によっては、マージンコールというシステム自体がないところもあります。
業者からマージンコールを受けた投資家は、そのポジションを損切りするか、追加の証拠金を入れて維持します。
どちらもできない場合には、業者が自動的に損切りをします。これがいわゆる、強制ロスカットです。
[図1:マージンコール発生のイメージ]
マージンコールが発生すると、メールで通知が来ることもありますし、取引ソフト上に表示が出ることもあります。
メールなどに、強制ロスカットされる時刻が記載されているはずですので、その時間になる前に、追加の証拠金を入れるか、ポジションを決済する必要があります。
FXのソフトによっては、あといくら入れたら証拠金維持率が上がるかが表示されることもあります。
ここで少し証拠金維持率について説明しておきましょう。
例えば、必要証拠金が10万円として、証拠金率が20%を下回ったときに強制ロスカットとした場合において、1ドル100円のタイミングで1万ドル分買いを持つとします。
そして、1円逆行して損失になっているとして、損失額1円×1万ドルとなりますので1万円が損失額になります。
この時、証拠金の金額は10万円ですので、10万円-1万円となり、証拠金は9万円となります10万円から損失が1万円となるため、証拠金は9万円となり、現在は90%の証拠金維持率、ということになります。
仮に、そこから91円99銭まで大きく下がり続けた場合は、損失額が7円1銭となり、損失額は7万100円にまで膨れ上がります。
90%から考えると、1万9900円になるため、維持率では20%を切ることになります。
切った瞬間、強制ロスカットになり、決済されてしまいます。
マージンコールは大敗しないための安全装置
マージンコールやロスカットは、業者が自身を守るためのものでもありますが、投資家を守るためのものでもあります。
いわば安全装置であり、むやみに借金を背負うのを防ぐのに必要なことです。
その分、マージンコールが発生して強制的にロスカットされれば、口座内にはほとんどお金は残りません。
しかし、そもそもマージンコールは、ある程度うまく損切りできていれば、受けることはまずありません。
入れている証拠金の額にもよりますが、証拠金維持率を脅かすほど含み損を抱えているなら、それは非常に危険なポジションだと考えられます。
そのため意地になって追加証拠金を入れて維持するのではなく、早々に切って仕切りなおすのが良い方法です。
どちらを選択するのかは、人それぞれスタイルの違いがあるため一概には言えませんが、他のポジションがあるなら決済をしたり、レバレッジがかかりすぎていると感じたら、低く抑えたり、様々なことを見直すのが大切です。
マージンコールは、いわば業者の最終通告とも取れる通知です。
マージンコールが来る前に逆指値などを使って、許容できる範囲内や、もう一度トレードできる範囲内で自らロスカットできなければ、勝ち続けることは不可能だと言えます。
最初のうちはとても難しく、マージンコールを受けると辛い気持ちになるでしょう。
しかし、「このパターンは危険領域だ」ということを覚えるチャンスでもあります。
マージンコールを受ける機会を減らし、自らロスカットすることをマスターすれば、必ず長期的に利益を積み重ねていくことができるはずです。