酒田五法と呼ばれる日本独自の相場予測法があります。
これは、200年以上も前に、本間宗久によって考案されたものです。
天才相場師とも呼ばれた彼によって考案されたこの酒田五法は、現代のFX投資でも活用できる予測法です。
ここではその酒田五法についてご紹介します。
このように酒田五法は、基本的な考え方をベースに「2つ星、3つ星」、「ツバメ返し」「抱きの一本立ち」「陰の陽はらみ」といった、ユニークなネーミングの色々なローソク足の形に注目して予想しました。
これをFXで活用する場合、多少株価と異なる部分があります。
それは、終値と始値が同じ(24時間の取引が可能なため)判断しにくいということです。
株の場合なら空白が開いた場合(ローソク足の間に空間がある)は土日があるからで、酒田五法の中でも同じような3本の連続するライン(陰でも陽でも)三空(さんくう)や三兵(さんぺい)などといった形は使いにくいはずです。
この三空は、陽線が間をあけて3本並ぶ時三空踏み上げは売り、逆の時は陰線が間をあけて3本並ぶ時三空叩き込みは買いというように使うからです。
間=窓であり、土日などの時間の開きを指します。
また、三兵は陽線3本が重なりながら連続するような赤三兵は上昇するときは買いシグナルになりますが、このようなケースもFXは区別しにくい場合があります(陰線が3本なら三羽烏で売りシグナル。三空と逆の判断になります)。
例えば、上昇トレンドの場合に、初動で陽線が3本連続した時は、赤三兵と判断し、今後も少しずつ上昇が続くと判断します。
上昇相場が過熱して、そのあとは「三空踏み上げ」と呼んで、売りシグナルを出すように考えていきます。
この考え方でいうと、下落トレンドの場合でも、出現する買いシグナルの「三空叩き込み」と呼ばれるものも、売り継続の場合の「三羽烏(さんばがらす)」(これは売りシグナルで通常は使われる)も同じで、下降トレンドの初期か煮詰まり局面かで判断が違ってきます。
また、順張り的使い方の「赤三兵」「三羽烏」は、相場が過熱すれば、上ヒゲや下ヒゲが長くなり勢いがなくなった「赤三兵先詰まり」といった反転のシグナルがあります。
これは、酒田五法の最後の一つになりますが、これは短い陽線と陰線が連続して相場が停滞したような状態です。
相場が停滞している状態を指します。相場には買いと売り、休みというような局面がありますが、それも本間宗久は三法と言っています。
上げ三法と呼んだ場合は、大陽線が出た後に、小陽線、小陰線が続き相場が調整局面に入った後、再び大陽線が出て切り返します。
そして、このように相場が小休止することでエネルギーを蓄えて再び活気つくまでの間を指します。
逆に、下落トレンドで小休止してまた下落したという売りシグナルが下げ三法と呼ばれます。
ここまで解説してお気づきの方もいらっしゃるでしょうが、実は酒田五法には、非常に沢山の組み合わせがあります。
そのため、すべて正確に理解して使うという訳にはいきません。
ただし、今後の展開を分析するには、とても良い判断になることが多いのです。
特にこれが一番効力を発揮するのが、相場天井や底値といったトレンドの転換を察知するのに有利になります。
そして、酒田五法の鍵になる数字は3になります。
これは、三山などからもわかるように、相場の値動きはWとNの字を組み合わせたような3つの波動や流れがあります。
それらを組み合わせることで考えていくことが、酒田五法のやり方です。
例えば、下記図のような乱高下が続いたユーロ/円のチャートは、よく見ると色々な場所に酒田五法のシグナルが見られます。
例えば、②の高値で持合い相場が続くところからの反転下落は、前日からの陽線を包むように出てきた陰のつつみ線が、相場の下落を暗示しているということがわかります。
上昇に勢いがないと判断したら、ローソク足を見てどんな形状になっているかを観察してみましょう。
もちろん、トレンドラインや移動平均線などの売買シグナルで確認してから確実なところで判断してみてください。
そして、下落トレンドが継続する場合、何度かリバウンドした時に③・④といった下ヒゲが長いたくり線や明けの明星が出てきます。
そして、反発して上昇することにつながります。
これは酒田五法でなくても、わりとオーソドックスにこのような判断になることがありますが、下ヒゲが長い陽線や陰線は相場が上げ(下げ)止まりになるという前兆を示していることが多いのです。
このように酒田五法は、現在のFXの取引でも相場の勢いを判断するのにとても役に立ちます。
単独で使うよりも、他のメインのテクニカル指標をサポートするような使い方をすれば非常に役に立つ方法です。