イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチが見つけた数学の法則がフィボナッチ数列です。
数学の世界では、有名なフィボナッチ数列は「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144……」と続き、自然界にも広く存在する数列です。
ここでは、フィボナッチ・リトレースメントの使い方についてご紹介します。
イタリアの数学者であるレオナルド・フィボナッチが見つけた数学の法則がフィボナッチ数列です。
数学の世界では、有名なフィボナッチ数列は「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144……」と続き、自然界にも広く存在する数列です。
ここでは、フィボナッチ・リトレースメントの使い方についてご紹介します。
チャートでは為替レートが山と谷を作り、日々ジグザグしながら変動しています。
この過去の山谷、高値安値の値幅を元に今後の為替レートの節目を予想する方法が「フィボナッチ・リトレースメント」と呼ばれる方法です。
これは、フィボナッチ数列がもとになっています。冒頭でも「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144……」といった数字が続きますが、これらはある特徴を持っています。
それは、連続した2つの数字の合計が次の数字になる、どの数字も一つ先の数字で割ると0.618に限りなく近づく、0.382をかけると2つ下の数字になる、3つ上くらいの数字を割ると0.236に限りなく近づくといった性質があります。
そして、この数字は貝殻の螺旋の模様、花びらの数など自然界に多く存在し、1:1.618は黄金比として知られておりピラミッド・モナリザといった数多くの歴史的建造物や芸術作品にも使われています。
実はこのフィボナッチ数列は為替の値動きでも支配されていると言われています。
それは、値動きが自然の摂理や普遍的な審美眼によって支配されているとして、その考えに基づいて予想する方法をフィボナッチ・リトレースメントと呼んでいます。
為替の世界ではフィボナッチ・リトレースメントにおいてこの数列から算出されている23.6%、38.2%、61.8%、76.4%という数字を使います。
理屈は抜きにしてもこれら比率が為替レートの抵抗・指示バンドとして働きます。
例えば、チャートでフィボナッチ・リトレースメントを使うと引かれた線のどちらかが支持帯や抵抗帯になることがあります。
ただし、フィボナッチを使って為替レートの上下動を確実に捉えるということはできません。
どちらかというと、投資家心理を読んでその節目や値動きを考える目安に使うほうが良いものです。
チャートで表示される値動きは数学的な法則などに則って動いているわけではないからです。
ただしチャート分析に使われているからには意味があります。
それは先ほどもお伝えしたように「投資家心理」というものを表現します。
例えば、チャートを見ている投資家がチャートの動きには何等かの意味を見出そうとします。
米国の雇用統計指数が発表されたら市場に何等かの動きがあるように、そろそろ上がるだろうとか、下げ止まりそうだといった投資行動を起こすでしょう。
チャートを見ている投資家の心理がチャートの動きに影響を与えることになります。そこにフィボナッチ数列や黄金比が役に立つ瞬間が来るのです。
フィボナッチは、チャート分析に使えないのではなく、フィボナッチの示す節目の近辺には新規の注文や損切注文が集中していることがあると言う意味です。
節目まで為替レートが上昇した場合、当然ですが投資家としては利益確定をする人やそれよりも上がらないと考えて新規売り注文を出す人が増えるはずです。
その結果売り圧力が生じて節目近辺では上昇を阻む抵抗帯として機能します。
逆に節目を超えて上昇した場合は、この節目近辺で売った人が損切りの買い戻し注文を出すこともあるので、レートの上昇が跳ね上がることもあります。
いずれにしても節目近辺ではブレイクした際に値動きに勢いがつく傾向にあります。
フィボナッチは、この価格帯(抵抗帯・支持帯)の内側や外側で大量の新規・損切り注文があると考えたほうが良いでしょう。
例えば、上図のようにドル/円のチャートをフィボナッチで表示してみたものです。
これによると、フィボナッチを価格変動のガイダンスとして使うと値動きのビジョンを立てることが可能になります。
そして、上記図のように上値の「23・6%」「38・2%」ラインを抜けるかどうかがポイントになります。
勢いよく抜けたらその方向に順張り、逆なら逆張りで臨むといった売買戦略が想定しやすくなります。
チャートは、ただチャートとして存在しているのではなく、多くの投資家が無意識で作り上げた今も進化する分析表です。
日だけでなく月足や週足で使い、比較的中程度のレンジで見てみる、使うとうことをしてみてください。
俯瞰してみると色々な値動きの発見があります。
まとめるとフィボナッチは、投資家心理という部分に焦点を当てた指標です。
相場は、投資家によって儲けたいといった考えや損したくないという心理によっても値動きします。
相場が現実的な経済ニュースや要因だけで動くものではなく、多くの投資家の心理によっても下支えされているといっても過言ではありません。
そのため、為替レートが安値から高値に推移した時、上がりすぎだと考えた買い方の利益確定をしたり、売り方の新規参戦が始まると、為替相場は必ず調整局面を迎えるはずです。
例えば、過去の高値と安値の値幅から計算されるので投資家心理を理解するのにもフィボナッチは役に立ちます。
こうした調整が起きるのはファンダメンタルズということよりも、投資家の不安や期待といった心理で起こります。
人間の審美眼に影響を与えている黄金比(すなわちフィボナッチ数列)が使われるのはそのためです。
例えば、フィボナッチを使う場合、一旦安値から高値に推移した時に50%ラインで下げ止まるか、50%ラインを割り込んだら61.8%ラインまで下がるといったような予想に数字が使われます。
このように、チャート分析は多くの投資家が利用して見ているから当たるということもあります。
フィボナッチは信奉者が多いことでも有名で1日で相当額の取引をしている機関投資家でさえ意識していると言われています。
そのため当たりやすいとも言われています。
このように、為替相場は長期的視野でみるとファンダメンタルズという要因が大きな影響を与えますが、短期になればなるほど
といった投資家の心理で動いていきます。
そのためにフィボナッチは投資家の「需要」を判断する指標として活躍するのです。