朝まで眠れず、夜中に目が覚めてしまう症状があります。
それが中途覚醒。せっかく気持ち良く眠っていたのに、目が覚めるとなれば本当に嫌ですよね。
結果的に、睡眠時間が少なくなります。
睡眠不足となれば、日々の疲れは取れません。
日常生活に悪影響を与えます。中途覚醒を改善するため、原因や対策を知っておくことが肝心です。
中途覚醒のメカニズムや原因、対策についてご紹介します。
朝まで眠れず、夜中に目が覚めてしまう症状があります。
それが中途覚醒。せっかく気持ち良く眠っていたのに、目が覚めるとなれば本当に嫌ですよね。
結果的に、睡眠時間が少なくなります。
睡眠不足となれば、日々の疲れは取れません。
日常生活に悪影響を与えます。中途覚醒を改善するため、原因や対策を知っておくことが肝心です。
中途覚醒のメカニズムや原因、対策についてご紹介します。
中途覚醒とは、眠っても途中で何度も目が覚める症状です。
途中で目が覚めたとしても、すぐにまた眠れる、昼間、急に眠気に襲われることがなければ、そこまで問題はないとのではないか?という考え方もあります。
問題は中途覚醒で日常生活がトラブル続きになることです。
中途覚醒によって、一旦目覚めます。
そこからまた眠れれば良いのですが、なかなか寝つけないことで睡眠不足になると問題です。
1ヶ月に、一度か二度ぐらいなら良いのですが、毎日続いていたら気をつけなければなりません。
中途覚醒で睡眠不足になり、例えば仕事中、ミスを連発したら?自動車で居眠り運転をしてしまうとなれば、生命にも関わります。
中途覚醒の予防や対策をするためには、まず、メカニズムを知ることが大切です。
中途覚醒は、眠ってから3~4時間半後に発生することが多いようです。
どうしてこのタイミングなのかと言えば、ノンレム睡眠とノレム睡眠のサイクルが関係してきます。
睡眠は、深い眠りであるノンレム睡眠と浅い眠りであるレム睡眠があり、交互に繰り返されているのです。
ノンレム睡眠から始まりレム睡眠になって終わると1サイクル。
レム睡眠から、再びノンレム睡眠になって2サイクル目がスタートします。
中途覚醒が起きると言われているのは、浅い睡眠になる時。
つまりレム睡眠時に起こるのです。レム睡眠になるまで、ノンレム睡眠が90分続きますが、ここに、3~4時間半後に中途覚醒が起きる理由があります。
90分の倍数が、3~4時間半後。
ただ90分はあくまで目安で個人差があるようです。
90分ではなく、80や100分というサイクルの人も居ます。
どちらにしても、中途覚醒は、この睡眠リズムとサイクルのメカニズムが大きな関わりを持っていると考えられているのです。
中途覚醒は、ノンレム睡眠とレム睡眠の周期が関係して来ます。
しかし、レム睡眠の時に、中途覚醒が必ず誰にでも起きる訳ではありません。
そこには原因があります。その原因を知ることで、中途覚醒に対する理解も深まり、適切な予防や対策をすることができるのです。
年齢が高くなると、体内時計が狂いやすいのです。
早寝早起きは健康に良いですが、意識せず早起きになってしまうのが問題。
まだ外が暗い朝の4時ぐらいに目覚めてしまい、二度寝しようとしてもなかなか眠れません。成長ホルモンが関係するという説もあります。
若い頃は、成長ホルモンの分泌が多いです。
これは体を成長させるために必要な分泌。
成長ホルモンが分泌されると、深く眠りやすくなるので熟睡できます。
しかし高齢になると、成長ホルモンの分泌が減っていきます。
そのため高齢者は熟睡できず、浅い眠りが多いという説があるのです。
浅い眠りですから、外部からの刺激によって目覚めやすい状態となります。そのため、中途覚醒が起きやすいのです。
中途覚醒の原因として、精神的ストレスが大きく関わっています。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つがあります。
それぞれ役割は異なっているのです。
交感神経は、日中に活発化し、人間が体を動かして活動をしている時、優位になっています。
一方の副交感神経は、夜やリラックスしている時、優位になるのです。
自律神経が正常に働いている時は良いのですが、不規則な生活やストレスを受けることで乱れます。
自律神経のバランスが乱れると、睡眠をしたくても、交感神経が優位になったままなのでスムーズに寝付けません。
脳もリラックスとはほど遠い状態で浅い睡眠になります。だから中途覚醒が起きるのです。
精神的ストレスだけではなく、身体的ストレスも中途覚醒の原因になります。
女性には生理がありますよね。生理前は、ホルモンバランスが乱れます。
女性ホルモンの1つに、プロゲステロンがあります。
生理前にこのプロゲステロンが増えることで体温が上昇するのです。
そうすると交感神経が優位になり、睡眠が浅くなって中途覚醒しやすい状態になります。
エストロゲンという女性ホルモンの影響もあります。
エストロゲンが減ると、睡眠に必要なホルモン、セロトニンの分泌が減少します。
これもまた、スムーズに眠れなくなる原因となっているのです。
夜間頻尿も中途覚醒の原因になります。
スムーズに眠れたと思ったら、すぐに尿意に襲われて何度もトイレへ行くのはストレスが溜まるもの。
夜間頻尿は、膀胱の容量が減少するためや、多尿が原因と言われています。
多尿の原因として、水分の摂り過ぎもありますが、裏に大きな病気が隠れていることも。
膀胱容量が減る状態は膀胱に少ししか尿を溜められなくなるからです。
膀胱炎や過活動膀胱により、膀胱が過敏になるためと言われています。
ただ、原因が不明の場合も。膀胱の老化現象として起こることもあるようです。
おねしょをするわけにもいかないので、トイレには行かなければなりません。
しかし、おしっこのために何度も目が覚めれば睡眠不足になりがちです。
さらに夜間頻尿は、睡眠に悪影響を与えるだけではありません。夜間頻尿は、病気に関連した体からのSOSかもしれないので、気になるなら医療機関で相談してください。
生活習慣の影響も中途覚醒につながります。
仕事が忙しくても、深夜に食事を摂るのは注意です。
胃の中に食べ物があると、眠っている時に消化をすることになります。
眠っていても、胃腸は消化のために動きますから、眠りが浅くなるので中途覚醒になるのです。
カフェインが含まれた物も、就寝前には飲まないようにしてください。
コーヒーを飲むのが習慣になっている人は、知らず知らず、1日のカフェイン摂取量が増えています。
個人差はありますが、コーヒーに寄るカフェインの効果が10時間以上続くケースもあるのです。
寝酒によるアルコール摂取も、中途覚醒につながります。
体の中に入ったアルコールは分解される時、アセトアルデヒドを生み出します。
これは有害物質。アセトアルデヒドの分解で、交感神経が活発化することも知られています。
そのため、眠りが浅くなりがちです。
お酒による脱水でも、睡眠に相応しくない体の状態になるので寝酒にも注意です。
自然とコーヒーやアルコールを飲み過ぎていませんか?
もしかしたら、それが中途覚醒の原因になっている可能性があります。
寝具が合わないことも睡眠に悪影響を与えます。
マットレスが体に合わなければ、寝ているだけで腰痛やコリが出て来ることもあります。
枕が高過ぎる、硬過ぎるのも悪影響です。布団が不衛生なら体が痒くなります。
新しい寝具を購入する際には、自分に合っているかどうか慎重にチェックしてください。
寝具が合わないのは、寝具の経年劣化が起きている可能性もあります。
マットレスは経年劣化で、最初、腰の部分に不具合が出て来ます。
しっかり眠っているのに、中途覚醒し腰痛があるのでしたら、寝具をチェックしてください。
経年劣化で寝具が体に合わなくなったら、眠れるものも眠れません。
睡眠時無呼吸症候群という病気があります。
眠っている時、何かの原因によって、呼吸が一定時間ストップします。
呼吸がスムーズにできなくなれば、眠っていても息苦くなりますよね。
身体的なストレスとなって眠りも自然と浅くなります。
肥満で気道が狭くなる、脳の異常によっても引き起こされると考えられています。
睡眠時無呼吸症候群で呼吸が止まると、瞬間的に脳が覚醒します。
しかし無呼吸症候群が原因による中途覚醒では、一時的に脳が覚醒しても、再び眠ってしまうのでなかなか自覚症状がない特徴があります。
周期性四肢運動障害と呼ばれるものがあります。
これは睡眠をしている時でも、足が小刻みに動いたり肘が動いたり、それが繰り返されます。
この周期性四肢運動障害も、中途覚醒の原因です。
手と足が動くことにより、脳が覚醒するからです。
中途覚醒しても、眠っている時に手や足が動いたのが理由で目が覚めたという自覚がありません。
だからなぜ目が覚めたのか不思議がる人も多いようです。
ただ、自覚症状があるという場合も。その場合、足がガクンと動いて目が覚めたと感じるようです。
周期性四肢運動障害は、年齢が50歳以降になると発症する人が増えます。
30歳未満の若者で、周期性四肢運動障害になっている人は少ないようです。
中途覚醒で睡眠不足になるのは大きな問題。
中途覚醒しないよう対策を知っておきましょう。
生活習慣も関わって来ますので、すぐに改善できるとは言えませんが、コツコツ行うことで、中途覚醒が治まる可能性が高まります。
ぜひ、ご参考にしてください。
中途覚醒の対策をするなら、生活習慣に着目してみてください。
眠る前に、カフェインが入った飲み物を飲んだりしていませんか?
眠りにつくまで、スマホやゲームに夢中となって脳が興奮していませんか?
慢性的な運動不足や、日中もあまり外へ出ず太陽の光も浴びない生活をしていたら、中途覚醒が頻繁に起きても不思議ではありません。
中途覚醒だけではなく不眠症全般に、不規則な生活習慣は悪影響を与えます。
食事にも注意してください。睡眠の質を上げる食べ物を、積極的に食べることをオススメします。
睡眠の質を上げるには、セロトニンと言う神経伝達物質が必要です。
セロトニンの分泌をうながすには、トリプトファンや、ビタミンB6、タンパク質などの成分を摂取しなければなりません。
トリプトファンが豊富に含まれている食べ物は、豆腐や、牛乳やバナナなど。アーモンドも良いです。
ビタミンB6は、マグロやカツオやレバー。
タンパク質なら、大豆や肉類から摂取することができます。
大量に1つの成分を摂取すれば良いわけではなく、バランス良く食べることが大切です。
食べてからすぐ寝るのも良くありません。
胃に食べ物が残っていると、睡眠の質が低下します。
この点を注意し、睡眠に良い食事をしてください。
自律神経が乱れていると、中途覚醒が起きやすくなります。
自律神経の乱れを改善するため、軽く運動をすると良いです。
眠る前に、激しい運動をするのは良くありませんが、日中、体を動かすのは悪いことではないのです。
疲労感で深く眠ることができます。特に年齢が高いと、成長ホルモンの分泌が減ります。
しかし運動で成長ホルモンの分泌をうながすこともできるので、積極的に体を動かすと良いです。
自律神経の乱れは、リラックスすることが大事。
お風呂にきちんと入ってください。シャワーだけでは、体の芯から温まることはむずかしいです。
風呂桶にお湯を張ってゆっくりと入浴することが肝心なのです。
体が眠りの準備を整える時は体温が上下します。
入浴をすることで睡眠に対する体の準備がスムーズに行われます。
眠りに入るのも早くなりオススメです。
中途覚醒の対策をするなら、寝室環境も整えてください。
光が睡眠を邪魔するなら、遮光カーテンを使用するのもオススメです。
眠る時に着用するパジャマにも注意。
肌触りの良い下着や、パジャマを着用することでリラックスできます。
散らかっている部屋状態は論外。埃が舞っている、悪臭がするような寝室ではまともに眠れません。
布団もきっちりと干し、快眠できる環境を作ってください。
睡眠をうながしてくれるサプリメントも市販されています。
ストレスを解消するものや、スムーズな睡眠をサポートしてくれるものも多いです。
サプリメントを選ぶ際には、成分に注目してください。
寝付きが良くなる成分が入っているかどうかチェック。
例えば、トリプトファンが多いならセロトニンも増加します。
神経が高ぶって眠れないという人は、カモミールやパッションフラワーなどのエキスが入ったサプリもオススメです。
リラックスした状態をサプリメントで作ってください。
睡眠時無呼吸症候群や、周期性四肢運動障害、夜間頻尿などで中途覚醒が起きるのであれば、専門医にご相談されることをオススメします。
睡眠時無呼吸症候群は肥満だけではなく、脳に原因がある可能性も考えられるからです。
睡眠呼吸障害センター、睡眠時無呼吸外来や、睡眠外来など、睡眠に関した専門外来がある医療機関もあります。
周期性四肢運動障害も、睡眠障害の専門医に診てもらうことで、改善の道筋が見えて来るかもしれません。
夜間頻尿についても同じ。泌尿器科などに相談をすることが良いです。
中途覚醒は油断してはいけません。さまざまな病気が隠れている可能性もあるからです。
しっかりと診療を受けることをオススメします。
中途覚醒の陰に、病気が潜んでいる可能性も考えておかなければなりません。
たまになら、たまたま起きたとも考えられますが、毎日、中途覚醒が起きるようでしたら専門医に相談することをオススメします。
中途覚醒で睡眠不足になり、トラブルにならなよう注意してください。
参考文献 武田薬品工業株式会社
参考文献 日本泌尿器科学会
参考文献 せせらぎメンタルクリニック