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これって早朝覚醒?朝早くに目が覚めて、それから寝られない!

 

早朝覚醒をご存知ですか?早起きは三文の得とも言います。

しかし意識して早起きをするのではなく、もっと眠りたいのに早く目覚めてしまったら嫌ですよね。

早朝覚醒や原因、どうすれば対策ができるのかご紹介します。

早朝覚醒に悩まれている方は、参考にしてみてください。

目次

早朝覚醒って何?

早朝覚醒とは、意識せず早く目覚めてしまい、二度寝もできない症状です。

早起きは悪いことではないですし、早く目覚めなければならない時もあります。

しかし早朝覚醒は、まだ外が真っ暗な時間に目覚めてしまうのです。

例えば、3時や4時に起きてしまいます。

「まだ早いから寝よう」そう思い、再び目を瞑って二度寝をしようとしてもなかなか眠れません。

結果、睡眠不足に陥ることもあります。

寝ようと思っても、なかなか眠れない時はありますよね。その時と似たような状況になるのです。

眠りたくても眠れないのは辛いですよね。

早朝覚醒は不眠の一種と言われています。

日本人の成人だと、だいたい8%の人が早朝覚醒を経験しているという話も。

成人男性と言っても、一般的に高齢者に多い症状です。女性より、男性に多いのも特徴でしょう。

しかし年齢とは別に、うつ病の初期症状に早朝覚醒があります。

原因は複数ありますので「最近、起きようと思っている時間より1時間も2時間も早く起きてしまうなぁ」という人は、思い当たる原因があるかどうかチェックしてみてください。

早朝覚醒がおこる原因は?

早朝覚醒は、年齢だけではなく、さまざまな原因があります。

逆に言えば、原因を知ることで、どうすれば早朝覚醒を予防できるのか知れば、正しい対策ができます。

早朝覚醒の因についてご紹介します。思い当たるふしはありませんか?

加齢による生理的な睡眠時間の減少

「年寄りは、朝、起きるのが早い」こんな言葉を聞いたことはないでしょうか?

実際、早朝覚醒は高齢の方に多いのです。

これは人間の生理的な問題が関わって来ます。

個人差はありますが、年齢が高くなるとレム睡眠とノンレム睡眠が減少することが知られています。

そのため、睡眠時間も短くなるのです。

どうしてレム睡眠とノンレム睡眠が減るのかも理由があります。

年齢が若い頃は、活動量も非常に多いですよね。

学校から帰って友達と遊びに行く、部活や体育で汗を流す、会社でも忙しく動き回る、外へ出るなど、日常的にたくさん体を動かしています。

一方、年齢が高くなると、日常的な活動に変化が出て来ます。

アクティブな方も居ますが、年齢が高くなればなるほど外へ出かける機会も減っていくものです。

出かけると言っても近所ぐらい。しかし、あまり体を動かしていなければ、夜になっても体が睡眠モードに変わってくれません。

眠れないと不安が生じるのはしかたないです。

年齢が高くなれば、若い頃より自分の健康リスクも現実味を帯びてきます。

不安や焦燥感が高まって交感神経が緊張し、体が覚醒状態になっていくのも早朝覚醒の原因なのです。

体内時計がずれている

人間の体では、体内時計というメカニズムが働いています。

太陽が昇って明るくなると目が覚めますが、夜になって辺りが暗くなれば眠くなります。

体内時計があるからです。ただ、年齢が高くなると、生理現象によって睡眠時間が減り、定年で仕事をしなくなれば、それまで何十年も繰り返していた生活習慣も大きく変わります。

その変化で体内時計に狂いが生じるのです。

早朝覚醒によって、早く目が覚めたとします。

そのまま二度寝をしようとしても、再び眠れない。

しかたがないので、外はまだ暗いのに起きて活動をはじめたとします。そこから一日がスタート。

ここで、睡眠ホルモンであるメラトニンが関係してきます。

メラトニンは、体のリズムの調整や睡眠を安定させるためのホルモン。

日中は分泌が抑えられているのですが、夜に増えるという特徴があります。

眠る時間の1~2時間前に増加し、だんだんと体を睡眠に入りやすい状態を作ってくれるのです。

しかし早朝覚醒で早く起きて活動したとしたら

体内時計が狂い、メラトニンが通常眠る時間より前倒しされて分泌されるのです。

眠いから、早く眠る。そしてまた早朝覚醒で早く起きて活動となればまさに悪循環です。

このように、目覚める時間と眠る時間が前倒しになっていく状態は、睡眠相前進症候群と呼ばれており、睡眠障害の一つなのです。

精神的な要因

早朝覚醒は、うつ病の初期症状でも起きると言われています。

うつ病は珍しい病気ではありません。

生きていく中で、10%程度の人が経験するという話もあるぐらいです。

朝、起きる予定より1時間も2時間も早く目覚めることが多くなったら、不安や心配事がないか、すぐ気持ちが沈みやすくなっていないかどうか冷静に自分を振り返ってみてください。

うつ病もさまざまな原因が考えられています。

一つの説として、脳内の神経伝達物質の働きが悪化しているという話があります。

神経伝達物質は神経細胞へ情報を伝達する働きがあります。

しかし何かしらの原因、例えばストレスの影響によって量や働きや脳の血流に変化が起きるのです。

例えば、セロトニンとノルアドレナリンという神経伝達物質の量が減っているという説です。

セロトニンとノルアドレナリンは気分や思考や意欲を担当する神経伝達物質。

ストレスだけではなく、病気や環境の変化と言ったさまざまな要因で、うつ病は発症します。

早朝覚醒の原因がうつ病にあるのでしたら、早めに医療機関で専門医に相談した方が良いです。

うつ病が回復に向かえば、早朝覚醒の症状もなくなるかもしれません。

対策は?

早朝覚醒に悩まされていても、きちんと対策をすれば、ある程度、早朝覚醒を予防できます。

原因から導き出された対策を複数ご紹介いたします。

朝、早く起きていつも寝不足で苦しい人は、参考にしてください。

コツコツ対策をすることで、早朝覚醒の苦しみから逃れられる可能性が高まります。

寝室環境の改善

快眠できる寝室環境になっていますか?

朝日で目覚めてしまう人も多いですよね。

朝日によって予定時間よ、早く目覚めてしまうことも少なくありません。

そのため、朝になっても光があまり入って来ない寝室環境にすると良いです。

例えば遮光カーテンにして、部屋を暗くする対策があります。

眠る時も光には注意。眠る時には、寝室を暗くしてください。

完全に真っ黒だと不安になったり恐怖心が湧くのでしたら、間接照明を使っても良いです。音はどうですか?交通量の多い道路がそばにあり、音で目覚めるなら防音対策をした方が良いです。

手軽で安くできる防音対策として、耳栓があります。

寝具にも気を遣ってください。どんなに高級な品物でも、自分の体に合っていなければ睡眠が阻害されます。

自分に合ったマットレスや布団、枕などを使うのがオススメです。

朝方の光を浴びない

早朝覚醒対策をしたいなら、体内時計を狂わせないことです。

そのため、目覚めてから2~3時計ほどは強い光を浴びないようにしてください。

太陽の光と言った強い光を浴びれば、体内時計はリセットされます。

朝、7時に目覚める予定なのに、早朝覚醒で5時頃、目を覚ましたとしますよね。

その時、二度寝しようにも眠れないので外へ出ます。

朝日を浴びたら、そこで体内時計はリセット。体内時計がスタートし、結果、夜、眠る時間も早くなります。また次の日も早く目覚めることに。

早朝覚醒の対策をしたいなら、予定時間より早く目覚めても外へ出て太陽の光を浴びないようにすることです。

寝室環境を良くする所で述べたように、部屋へ光が入らないよう遮光カーテンにしてみてください。

しかし外へ出たいなら、サングラスをするのも早朝覚醒の対策になります。目に光が入らないようにしてください。

日中の運動量を増やす

日中、昼間は、運動量を増やすと良いです。

年齢が高くなればなるほど、あまり体を動かさなくなります。活動量が減れば、体も疲れません。あまり疲れていなければ、夜になっても眠りたいとなかなか思わないものです。

しかし、日中たくさん動いて疲れたら、眠りたくなくても睡魔がやって来ますよね。

疲れていなければ、体は「別に眠らなくても大丈夫」と判断し、眠れても、浅い睡眠にしかなりません。

深い眠りにするためにはノンレム睡眠がポイントです。

レム睡眠は、体が眠っていて脳が働いている状態。

だから浅い眠りになります。ノンレム睡眠は、体は動いているけれど、脳は眠っている状態。

深いノンレム睡眠になるよう、室内環境を快適に眠れるよう整え、日中はしっかり体を動かしてください。

脳の興奮を避ける

脳が興奮したままで眠ると、浅い睡眠になりがちです。

そのため早期覚醒が起きやすい状態になります。

脳が興奮しないような対策をしてください。

眠くなるまでテレビを眺めていたり、インターネットやスマホ、ゲームをしていたら、脳は興奮状態になります。

体を激しく動かすのはもってのほか。動くなら軽いストレッチ程度に抑えておくと良いです。

ハーブティーを飲んだり、アロマを焚くのもオススメ。

カモミールやパッションフラワーは神経を鎮めると言われているので、なかなか眠れない人は飲んでみる価値があります。

ハーブティーは睡眠前の水分補給という意味でも飲んで損はありません。

脳が興奮しない環境を作り、気持ち良く眠りに入ってください。

体内時計を整えることからスタート!

早朝覚醒は、加齢による生理現象や、うつ病に代表される心の安定が崩れた状態が原因として考えられています。

しかしきちんと対策を取れば、早朝覚醒を予防することができるのです。

しかし少々の対策では、なかなか改善しないかもしれません。

その場合、睡眠障害を専門としている専門医の診療を受診することをオススメします。

 

参考文献

アステラス