睡眠は生きている上で、必要不可欠なものです。
忙しい毎日。寝る間も惜しんで、仕事をされている人も居ます。
しかし睡眠をしなければ、日常生活に大きな影響を与えます。
睡眠不足になると、体にどんな悪影響があるのか?断眠した人がどうなるのか?
睡眠不足を解消する方法などを含めてご紹介します。
睡眠は生きている上で、必要不可欠なものです。
忙しい毎日。寝る間も惜しんで、仕事をされている人も居ます。
しかし睡眠をしなければ、日常生活に大きな影響を与えます。
睡眠不足になると、体にどんな悪影響があるのか?断眠した人がどうなるのか?
睡眠不足を解消する方法などを含めてご紹介します。
睡眠不足は免疫力を低下させます。
人間に害を与える存在はたくさんりますが、免疫力が強いと、病気の原因になる細菌やウイルスなど、体に害を与える存在に対抗できるのです。
簡単に言えば、免疫力は、人間が生まれつき自分で自分の体を守る力と考えても良いです。
だから、免疫力が強い人は病気にあまりかかりません。
しかし、免疫力はさまざまな要因で低下します。
低下する原因の一つとして、睡眠不足があリます。
どうして睡眠不足が免疫力低下につながるのか?
アメリカのシカゴ大学が行った研究結果があります。
睡眠不足の人は、十分に睡眠を取った人より、体内にある抗体が約50%も弱くなったというものです。
抗体は、病原体に対抗するための存在。この抗体が弱くなるのですから、病気にかかりやすくなるのは、ある意味、必然と言えます。
人間は睡眠によって、体力を回復させています。
生きているだけで、人間は新陳代謝を行っているのですが、その際、不要な物が生まれます。
例えば、料理をする際、捨てる部分も出て来ますよね。
魚をさばけば骨や皮。野菜も皮を剥きます。たくさんの生ゴミが不要な物として捨てられることに。
人間も同じです。新陳代謝の結果、さまざまな不要物、つまり、老廃物が出て来ます。
しかし老廃物は、ずっと体内に残っている訳ではありません。
ゴミを捨てなければ、家の中はすぐにゴミ屋敷に変わります。人間の体も同じ。老廃物は、体内の隅から隅まであるリンパによって集められ、体外へ排出されるのです。だから老廃物が体内に溜まるのを防ぐことができます。
ただ、体内にはリンパがない部分があります。それが脳です。しかし脳には、リンパの代わりとし、老廃物を排出するシステムがあるのです。
脳やその周囲と脊髄には、脳脊髄液と呼ばれる無色透明な液体があります。
この脳脊髄液が、老廃物を吸収し、血液へ排出しているのです。しかしこの脳脊髄液は、いつも働いている訳ではありません。
目を覚まし、活発に動いている時は働かず睡眠中に働くのです。
脳はアミロイドβと呼ばれるタンパク質を作っています。
このアミロイドβは、脳の老廃物なんですね。このアミロイドβ、実はアルツハイマーの引き金になるという説もあります。アルツハイマーの原因は、まだ不明な部分も多いです。有力な仮設として、アミロイドβが原因の一つではないか?と考えられています。
睡眠不足になると、脳脊髄液が思うように働いてくれません。そのため、脳の老廃物であるアミロイドβが体の外へ出ていかず、溜まります。
結果、アルツハイマーが引き起こされるのではないか?と考えられているのです。
睡眠不足が精神状態に悪影響を与えると言われています。
人間は不安や恐怖や緊張という感情を持っていますよね。
人間の脳には、大脳辺縁系と呼ばれるものがあります。その大脳辺緑系の中に、扁桃体があります。
この扁桃体は、情動や記憶を司っている神経核です。
国立精神・神経医療研究センター・三島和夫部長らの研究グループがある研究を行いました。
その中に、睡眠不足が不安や抑うつの強さに対する影響も検討されたのです。
研究の中で、5日間、平均睡眠時間4時間36分にした睡眠不足状態の成人男性14名に、恐怖表情の写真を見せました。
すると、肥大扁桃体の活動が活性化したのです。
一方、恐怖ではなく、幸せな表情写真を見せた時に、扁桃体に変化は起こりませんでした。
睡眠不足が強くなると、左扁桃体と、腹側前帯状皮質と言う扁桃体の活動を抑える役割を持った部分の機能的結合が減弱します。
減弱をすると、不安傾向や抑うつなどが強まると分かったのです。
世の中には、なんと11日間も断眠した人も居ます。
アメリカのランディー・ガードナーという男性、なんと不眠最長記録を持っているのです。
1964年にのことでした。当時ランディは17歳。クリスマス休暇中。そこで不眠記録への挑戦という自由研究を行ったんですね。
なんで、そんなことをしようと思ったのか呆れる人も居るかもしれませんが、とにかくランディは行ったのです。クリスマス休暇で、ちょっと浮かれていたのかもしれません。
1964年12月28日午前6時にチャレンジはスタートしました。しかしチャレンジ2日目から、さまざまな変化が起きます。
体調不良だけではなく、怒りっぽくなり、さらには、記憶障害やテレビもまともに見れないほどの集中力低下が見られるようになったのです。
それでもランディはチャレンジを止めませんでした。
4日目になると、妄想や強い疲労感。7日目になると体が震えて、言語障害も発生。
そして、ランディは264時間、11日間の断眠を達成して眠りについたのです。1週間経過した後は、特に深刻な後遺症も発生しなかったようです。
この無謀とも思える断眠チャレンジは、ランディーだけではなかったのです。
ピーター・トリップ。この男性は、ラジオ番組の企画で200時間眠らないという不眠マラソンに挑戦しました。
眠らなかった時の症状は、ランディと似たような感じです。幻覚や妄想や、言語障害などなど。
バカげたチャレンジと言う人も居るかもしれませんが、人間が眠らないとどうなるのか、実際に体現したという意味では興味深い事例です。
仕事がデスクワーク中心ですと、体を動かさない日も多くなります。
仕事のため、脳をフル回転させていたら、疲労しますよね。しかし脳が疲れていても、体は疲労していないということもあります。
運動不足は、快眠の大敵。なかなか寝付けないと思ったら、軽く散歩やウォーキングなど、ちょっとした運動をしてみると良いでしょう。
しかし夏は暑く冬は寒いですよね。運動をするのが、億劫という日もあります。
そんな時は、眠る前にちょっとストレッチを取り入れてみてください。軽いストレッチをするだけでも、緊張していた筋肉が緩むからです。
体だけではなく、精神状態もリラックスにもなります。
眠る前1時間前には、入浴を済ませておきましょう。
ぽかぽかした状態は眠りにつきやすいのです。あまり熱いお湯ではなく、ぬるめがオススメです。
お風呂以外にも、体を温める方法はあります。例えば温かい飲み物です。
ホットミルクは快適な睡眠に良いと言われるカルシウムやトリプトファンが豊富です。
しょうが湯などもオススメ。しょうがは体を温め、気分を落ち着かせる効果が期待できます。
気分を落ち着かせるのでしたら、カモミールと言ったハーブティーも良いです。
睡眠不足なら、昼間、太陽の光を体中に浴びてみてください。
外へ出たくないのでしたら、カーテンを開け、部屋に光を入れましょう。窓越しで光を浴びてください。
日光を浴びると、人間の体内では神経伝達物質であるセロトニンが合成されます。
睡眠に関係するホルモンとしてメラトニンがあります。
セロトニンの分泌が活性化されると、メラトニンの分泌が抑えられて、体内時計がリセットされるのです。
しかし日光を浴びなければ、セロトニンの合成は促進されません。メラトニンの分泌も正常に行われず
睡眠リズムが崩れてしまうのです。
夜になっても眠れないという人は、睡眠リズムが崩れているのかもしれません。体内時計を調整するためにも、日光を浴びてみてください。
過剰な睡眠不足が起きると、11時間断眠した人達のような状態になってしまいます。
体調不良だけではなく、情緒不安定になり、記憶や言語に障害が起きてしまうことも。
なかなか眠れない人は、最終的に、医療機関を受診することも考えた方が良いです。
睡眠不足ぐらいで大げさなと思っていたら、体を壊すことにもつながります。
油断せず、快眠のために何をするべきなのかを考えてみてください。
参考文献 国立精神・医療研究センター
参考文献 メルクマニュアル 医学百科 家庭版