hi-hoひかりはIIJグループに属するhi-hoが提供する光コラボレーションサービスです。
月額料金が安いのが売りとなっていますが、果たしてどの程度「安い」のでしょうか。
じっくりと説明していきましょう。
hi-hoひかりはIIJグループに属するhi-hoが提供する光コラボレーションサービスです。
月額料金が安いのが売りとなっていますが、果たしてどの程度「安い」のでしょうか。
じっくりと説明していきましょう。
hi-hoは、パナソニックが出資して設立されたプロバイダでした。
電機メーカーが母体になったプロバイダとしてはNECのビッグローブ、富士通の@niftyなどが連想されますが、hi-hoはこれらと比べるとずっと後発で、ビッグローブや@niftyのようにパソコン通信サービスを展開していたこともありません。
なお、ビッグローブも@niftyもそれぞれ母体になった電機メーカーとの縁は切れていますが、hi-hoも同様です。
現在ではパナソニック傘下からは離れており、IIJグループに属しています。
hi-hoは現在、各種の光回線接続サービスと、格安SIM、さらにADSLによるインターネット接続サービスを提供しています。
ADSLは今となっては退場の時を待つ過去のサービスとなりつつあるので、実質的な中心は光回線と格安SIMだといえるでしょう。
光回線サービスについては、フレッツ光・光コラボレーション・BフレッツのNTT系の回線を使用したものに加え、ドコモ光、さらにコミュファ光に対応しています。
これらのうち、コミュファ光は東海地方限定のKDDI系の回線を使用したサービスで、Bフレッツは企業向けの光回線サービスになります。
フレッツ光・光コラボレーションであるhi-hoひかり・ドコモ光は、NTTの個人向けの回線を利用したサービスになります。
フレッツ光は、NTTが最初に提供した個人向け光回線サービスです。
フレッツ光では回線契約とプロバイダ契約が別々になっています。
光コラボレーションは、NTTが回線を他業者にレンタルし、レンタルされた先の名義で提供されるサービスです。
ドコモ光は、NTTドコモがNTT本体から回線をレンタルし、各種プロバイダとコラボして提供しています。
ユーザー側から見た場合、回線の提供者(名義のみ)がNTTからドコモになっただけで、フレッツ光と契約形態はほぼ変わりません。
hi-hoはこの「ドコモ回線」でのプロバイダとして契約することが可能になっています。
他方、hi-hoひかりは、hi-hoがNTTから回線をレンタルして一般ユーザーに提供しているサービスになります。
hi-hoはプロバイダなので、サービスは回線とインターネット接続がセットになったものとなります。
フレッツ光の場合、導入先が一戸建てであるかマンションのような集合住宅であるかによって料金に違いがあります。
また、一戸建て・マンションのそれぞれにおいても回線・接続方法の違いにより、微妙に料金が異なっています。
たとえば、一戸建ての場合最高速度が100Mbps・200Mbps・1Gbpsになる3タイプがあり、それぞれ料金が違います。
しかし、hi-hoひかりの場合、回線のタイプの違いには関係なしに、統一された料金が適用されます。
マンションにおいても、事情は同様です。
ファミリーコース、つまり一戸建て住宅向けの月額料金は、5,100円で統一されています。
先に述べたように、フレッツの回線には、最高速度が異なる3タイプがあります。
ただ、このどのタイプにおいても、導入されている光ファイバーケーブルは同じものです。
最高速度が低くなるタイプは、提供を開始された時期が古く、光ファイバーケーブルの先端に接続する終端装置が旧世代のものになっていることがあります。
このため、終端装置を変更すればより高速なタイプとして通信が行えるケースがほとんどです。
なお、hi-hoひかりへの乗り換えの際に回線タイプを変更することは可能ですが、終端装置を取り替える場合には工事費が発生します。
新規導入の場合、何もいわなくても現在最速の1Gbpsタイプでの契約になります。
マンションコースの回線タイプは、一戸建ての場合よりも複雑です。
集合住宅の場合、建物の地下などにあるMDF室という場所に光ファイバーケーブルが導入され、そこから同じ建物の中に居住する加入者宅まで分配されます。
この分配方式が、光ファイバー・イーサネット・VDSLと3種類あるのです。
どの分配方式になるかは、マンションの構造によって決定され、ユーザーが選ぶことはできません。
もっとも、光ファイバーやイーサネットを選べるのはごく最近になって建設されたマンションだけであり、ほとんどの場合は、一般電話回線を利用するVDSLタイプの配線になります。
さらに、同じ建物の中で一本の光ファイバーを共有しているユーザーの数によっても、価格差がある場合がありました。
しかし、hi-hoひかりの場合、これらの状況に全く関係なく、マンションタイプであれば一律3,900円になります。
フレッツ光の「ひかり電話」に相当するサービスで、高速な光ファイバーを利用して音声通話を実現するというものです。
月額基本料が500円と、一般固定電話の1/3程度になります。
また、通話料金も国内一般電話だと7.7円/3分、アメリカ向けの国際電話が8.64円/1分と安くなります。
一般固定電話からの番号引き継ぎや、ナンバーディスプレイなどのオプションの利用も可能です。
ひかり電話は、光ファイバーの終端装置やVDSLモデムにあるモジュラージャックと、通常のアナログ回線用の電話機を接続して利用することになります(もちろん、プロバイダ側での工事が必要)。
モジュラージャックのない終端装置やVDSLモデムを使用していた場合、モジュラージャックありのものと交換することになりますが、これが「宅内工事」扱いされて料金請求の対象となります。
hi-hoの場合、光回線の導入工事と同時に行えば、ひかり電話の工事費の方は無料になります。
導入する場合には、回線全体と同時に行うことをおすすめします。
光コラボレーションの回線では、多くの場合スカパーJSATが提供するインターネットを利用したテレビ放送の配信サービスが利用できます。
こちらは月額基本料金が660円で、地上波デジタル放送と無料BS放送が受信できます。
初期費用はスカパーJSATの施設利用料が2,800円で、工事費は光回線と同時の場合3,000円、すでに回線があり、ひかりテレビだけを新規導入する場合は7,500円です。
なお、BS放送に対応したテレビやチューナーがあれば、有料のものを含むすべてのBS放送が受信可能になりますが、有料放送の場合別途視聴料を支払わなければなりません。
また、回線とテレビを接続する場合にも、有償工事が必要になります。
光コラボレーションサービスでは、どの業者でも導入時に「事務手数料」が請求されます。
hi-hoひかりでも同様で、新規・転用のどちらの場合でも3,000円が請求されます。
この金額そのものは、他プロバイダの場合とほぼ同額です。
転用の場合は、それまでのフレッツ光の回線を利用するので工事費は原則的にかかりません。
ただし、ファミリータイプで転用と同時に回線タイプを変更する場合には、工事費がかかることがあります。
新規の場合には、標準工事費としてファミリータイプで18,000円が請求されます。
マンションタイプの場合、分配された配線の形式により金額が変わります。
一般電話回線を使ったVDSL接続と、光コンセントがないタイプの光ファイバー接続の場合は15,000円ですが、光コンセントありの場合とイーサネット接続の場合は7,600円になります。
hi-hoひかりは、いわゆる「◯年縛り」タイプの契約形式にはなっていませんが、契約後2年以上継続して使用することが前提となっています。
このため、契約後2年以内に解約した場合、違約金として10,000円が請求されます。
hi-hoひかりの速度は、原理的にはフレッツ光と同じになります。
転用によってプロバイダを変更した場合、プロバイダ側の機材の状態により通信速度が変化する可能性があります。
ただし、実際にはプロバイダの機材以外の原因で速度が変わる可能性の方が多く、なんでも「プロバイダのせいだ」とすることはできません。
例えば、これまで同じ動画サーバーを利用していたとしても、プロバイダが変わればそのサーバーまでの経路が変わって速度が変わってしまうということがあるのです。
また、マンションタイプの場合、最も速度に大きな影響を与えるのは、同じ建物内で光ファイバーを共有しているユーザーの数とその利用形態です。
つまり、同時に多数がインターネットにアクセスするような環境だと、プロバイダがどこであっても速度は低下してしまいます。
光回線の速度に不満を感じた場合、それが果たしてプロバイダのせいなのか、それとも他に原因があるのかを、よく考えてみる必要があります。
hi-hoひかりは、料金体系をシンプル化し、月額料金を低めに設定して集客するタイプの光回線です。
このため、特別なキャンペーン等は実施していません。
唯一、「移転工事費割引キャンペーン」つまり、引っ越しをした時の工事費を割り引くキャンペーンというのを実施しています。
ただ、hi-hoひかりを契約したまま引っ越しをするユーザーというのは少数だと考えられますし、キャンペーン適用以外の価格が公表されていない(つまり割引価格が事実上の定価状態)ので、誰にとってもメリットがあるとは言い難くなっています。
hi-hoでは「hi-ho LTE typeDシリーズ」という格安SIMのサービスを提供しています。
これはNTTドコモのLTE/3G回線を利用したサービスです。
このためSIMフリーの端末か、NTTドコモ用の端末が利用できます。
ただ、他社の格安SIMサービスで実施しているような、端末とセットの販売を行っていません。
データ通信を開始するにはAPNの設定というのを行わなければならないので、初心者にとってはちょっとハードルの高いものとなっています。
「hi-hoスマート割」は、「hi-ho LTE typeDシリーズ」と「hi-hoひかり」を同時に申し込んだ場合、hi-hoひかりの月額料金が216円割引になるというものです。
「hi-ho LTE typeDシリーズ」の最廉価コースは月額770円(データ通信のみ)なので、500円あまりの追加料金で、モバイル通信も可能になると考えればいいかもしれません。
ただし、ルータやスマホなどの端末が別途必要になります。
これらはネットオークションなどを利用すればかなり安価に入手できますが、オークションで売られているものが果たして使用可能なものかどうかを確認するのにちょっとした知識が必要です。
hi-hoひかりの場合、他社でよくある同時加入でキャリア系のスマホ・携帯料金が割引になるというサービスは実施されていません。
ただ、同じhi-hoがプロバイダとなっている「ドコモ光」だと、ドコモのスマホ・携帯料金の割引が受けられます。
どうしてもスマホ・携帯の割引を受けたいと思う場合には、こちらの導入を検討してみるとよいでしょう。
なお、ドコモ光+hi-hoの場合の通信速度は、hi-hoひかりとほとんど同一です。
①申し込み
公式ページから、申し込みを行います。
②登録完了通知と工事日確認
登録完了通知が郵送され、それと前後して工事日のスケジュールの調整が行われます。
③契約内容通知書の到着
契約書やルータのID・パスワードなどを記した書類が郵送されます。
④工事と開通
工事が行われ、hi-hoひかりでのインターネット接続が可能になります。
①転用承認番号の取得
NTTのフレッツ公式ページから、転用承認番号を取得します。
②申し込み
公式ページから、申し込みを行います。
③登録完了通知の到着
登録完了通知が郵送され、開通日のスケジュールの調整が行われます。
④契約内容通知書の到着
契約書やルータのID・パスワードなどを記した書類が郵送されます。
⑤開通
hi-ho側での工事が終了し、ルーター等の設定を変更すればhi-hoひかりでのインターネット接続が可能になります。
「プロバイダを変更したら速くなった」などという書き込みがツイッターなどではよく見られますが、たいていその他の条件等については詳しく書かれていないので、自分のケースに当てはまるかどうかは疑問、ということがよくあります。
キャンペーンについては、2015年に期間限定で事務手数料が無料になるものを実施したぐらいしかありません。
キャンペーンを削って月額基本料金を下げるスタイルだと考えられます。
契約開始月から数ヶ月だけ割引、という価格体系になっていないので、他社からの乗り換えの際には月いくら払えばいいのか計算しやすいというメリットがあります。
hi-hoひかりは、光回線接続のみをシンプルに低価格で提供するというタイプのサービスです。
スマホや携帯電話の割引は利用できません。
hi-hoの格安SIMとの組み合わせだと割引の適用が受けられますが、月額200円とそれほど大きなものではありません。
基本的に、ネットだけ接続できればいいから安くして、というユーザー向けのサービスだといえるでしょう。