フレッツ光とピカラ光の違いが知りたい!料金や速度を詳しく比較
インターネット回線の中で、最も通信速度に優れる光回線。
今やネット回線の代名詞となりつつある光回線ですが、実際の使用感やコストは回線のブランドによって異なります。
たとえば、NTTのフレッツ光とSTNetが提供するピカラ光は、どちらも人気の高い光回線です。
ただし、利用にかかるコストや通信の快適性には、両者で違いがあります。
光回線は導入に工事が必要であり、一度契約すると長期間利用することが一般的。
せっかく契約するなら、納得して利用できるものを選びたいところです。
そこで本ページでは、フレッツ光とピカラ光を詳しく比較。
両回線の違いに、迫ってみることにしましょう。
目次
まずはフレッツ光とピカラ光の料金比較
光回線を選ぶ際にまず確認しておきたいのが、毎月支払うことになる利用料金。
フレッツ光とピカラ光では、どちらのほうが安く利用できるのでしょうか。
戸建てプランの場合
最初に比較するのは、フレッツ光とピカラ光の戸建向けプランの料金です。
ここで比較するのは、通信速度1Gbpsのプランの料金。
数あるプランの中から、最も人気の高いプラン同士の料金を比較します。
比較対象とする、各料金プランの名称を見てみましょう。
- フレッツ光(NTT東日本)・・・ギガファミリー・スマートタイプ
- フレッツ光(NTT西日本)・・・スーパーハイスピードタイプ 隼
- ピカラ光・・・ホームタイプ 1ギガ
各プランの料金は下記にまとめています。
各ネット料金の下には、プロバイダ利用料を記載。
フレッツ光のプロバイダ料金欄には、メジャーなプロバイダ各社の料金から、「最も安い料金〜最も高い料金」を選んで記載しています。
- ネット料金・・・フレッツ光(東日本) 4,600円/フレッツ光(西日本) 3,810円/ピカラ光 4,500円
- プロバイダ料金・・・フレッツ光(東日本) 500〜1,100円/フレッツ光(西日本) 500〜1,100円/ピカラ光 0円
- 合計・・・フレッツ光(東日本) 5,100円〜5,700円/フレッツ光(西日本) 4,310〜4,910円/ピカラ光 4,500円
上に記した各料金について、補足説明しておきましょう。
各ネット料金は、割引適用時のものとなっています。
ピカラ光の料金は、5年契約の長期割引制度「ステップコース5」適用時の、契約1〜2年目の料金です。
次に、プロバイダ料金について。フレッツ光のプロバイダ料金は、「BB.exciteの料金〜OCNの料金」となっています。
ピカラ光のプロバイダ料金が0円になっているのは、ネット料金にプロバイダ利用料が含まれているためです。
合計金額を見ると、NTT西日本エリアのフレッツ光の最安料金が最も安価ですね。
ただ、ピカラ光の料金も、同じぐらい安価になっています。
また、ピカラ光の「ステップコース5」は、利用期間に応じて料金が安くなるコースです。
契約3年目から9年目にかけて料金が下がり、最終的に月額4,200円になります。
他方、NTT東日本エリアのフレッツ光の料金は、ピカラ光より600円から1,200円も高額です。
トータルで考えると、料金はピカラ光のほうが安価と見てよいでしょう。
マンション(集合住宅)プランの場合
続いて比較するのは、マンション向けプランの料金です。
比較対象とする、各回線のプラン名を見てみましょう。
- フレッツ光(NTT東日本)・・・ギガマンション・スマートタイプ
- フレッツ光(NTT西日本)・・・マンション・スーパーハイスピードタイプ 隼
- ピカラ光・・・マンションタイプ 1ギガ(ステップコース3)
いずれのプランも、最大通信速度は1Gbpsとなっています。
各プランの料金を比較してみましょう。
- ネット料金・・・フレッツ光(東日本) 2,950〜3,950円/フレッツ光(西日本) 2,530〜3,420円/ピカラ光 3,400円
- プロバイダ料金・・・フレッツ光(東日本) 500〜1,100円/フレッツ光(西日本) 500〜1,100円/ピカラ光 0円
- 合計・・・フレッツ光(東日本) 3,450〜5,050円/フレッツ光(西日本) 3,030〜4,520円/ピカラ光 3,400円
合計料金を比較すると、NTT西日本のフレッツ光の料金が最も安価になっていますね。
ただ、フレッツ光の月額3,030円は、最安のプロバイダを選んだ場合の料金です。
選択するプロバイダ次第では、ピカラ光のほうが安価になります。
プロバイダに関する条件を踏まえると、マンション向けプランの料金は、フレッツ光とピカラ光でほぼ互角といってよいでしょう。
なお、「ステップコース3」を適用してマンションタイプのピカラ光を契約した場合、契約6年目以降の料金は月額3,280円に下がります。
次にフレッツ光とピカラ光の速度比較
光回線の使用感を決めるのは、通信速度です。
ネットでの動画視聴が一般化している昨今、光回線には速度の速さと安定性が求められています。
フレッツ光とピカラ光の通信速度を、詳しく比較してみましょう。
どちらの回線も通信速度は最大1Gbps
フレッツ光とピカラ光の通信速度は、どちらも上り下りともに最大1Gbpsです。
…と、数値だけを伝えても、速いのか遅いのか判断できないですよね。
具体的にいうと1Gbpsとは、ブルーレイディスク1枚分のデータ(50GB)を7分弱で送受信できる速度です。
1Gbpsの速度が出れば、数十GBクラスのゲームソフトのダウンロードも短時間で完了します。
最大通信速度は理論上の数値
上記の最大通信速度は、あくまで理論上の数値です。
フレッツ光とピカラ光ともに、実際に1Gbpsの速度を発揮してくれるわけではありません。
というのも、ユーザー1人ひとりが、最大1Gbpsの帯域をもつ光回線1本を占有できるわけではないからです。
OLT(事業者側光回線終端装置)からONU(加入者側光回線終端装置)に届くまでに、1本の光回線は最大で32分岐します。
回線が分岐すると、各分岐先の通信速度は低下。
個々のONUに割り当てられる帯域は、かなり少なくなります。
こうしたシステムの都合上、ユーザー宅で回線の最大通信速度が発揮されることは、まずないと思ってください。
家庭用の光回線はベストエフォート
上記の説明を読んで、「実際に出ない1Gbpsを回線速度とするのは詐欺なのでは?」と、思った方も多いことでしょう。
しかし、これは詐欺ではないのです。
フレッツ光とピカラ光に限らず、すべての家庭用光回線は、ベストエフォート型のサービスです。
ベストエフォートを日本語に訳すと、“最大限の結果が出るよう努力する”といった意味になります。
ベストエフォート型の回線サービスでは、通信速度に関する保証はされません。
仮に最大1Gbpsの回線を使って、実際には100分の1の速度しか出なかったとしても、契約上の問題はなし。
このことは、契約書にも必ず明記されています。
重視すべきは実効速度
光回線を選ぶ際は、理論上の最大通信速度よりも、実効速度(実際にユーザーが利用できる速度)を重視すべきです。
そこで役立てたいのが、ユーザーが寄せる口コミ情報。実効速度に関する口コミをチェックすれば、速度面の品質を知る手がかりを得られます。
ここで、口コミサイトやTwitterに寄せられる情報からピックアップした、フレッツ光とピカラ光の実効速度を見てみることにしましょう。
以下は、各回線のユーザーが計測した実効速度の中から、特に高い数値と特に低い数値をピックアップしたものになります。
- フレッツ光・・・高い実効速度 下り519.42Mbps/低い実効速度 下り198kbps
- ピカラ光・・・高い実効速度 557Mbps/低い実効速度 18Mbps
高い実効速度は、フレッツ光とピカラ光ともに優れた数値となっています。
一方、低い実効速度は、両回線でかなり差があります。
フレッツ光の198kbps( 0.198Mbps)は、速度制限がかかったスマホとほぼ変わらない速度です。
この速度では、ネット動画の視聴はまず行えません。
ちなみに、フレッツ光ユーザーが寄せる口コミでは、速度に対する不満の声が目立ちました。
対するピカラ光の低い実効速度は18Mbpsと、実用上問題のない範囲に収まっています。
また、口コミサイトやTwitterを見る限りでは、ピカラ光の速度に関する評判は上々でした。
以上の点から、安定性を含めた速度面の性能は、フレッツ光よりピカラ光のほうが優れていると判断できます。
フレッツ光とピカラ光のキャンペーン比較(キャッシュバック等)
ほとんどのインターネット回線は、新規契約する際に何らかのキャンペーンを利用できます。
せっかくなら、おトクなキャンペーン特典をゲットしたうえで、回線の利用を始めたいですよね。
フレッツ光とピカラ光には、どのようなキャンペーンが用意されているのでしょうか。
フレッツ光
以前であれば、かなり豪華なキャンペーン特典つきで、フレッツ光を契約できました。
しかし現在では、フレッツ光のキャンペーンは縮小しています。
NTTが光コラボ(他業者に回線を卸売りするサービス)の普及を重視する方向に舵を切ったため、相対的にフレッツ光の広告費は縮小しているのです。
とはいえ、フレッツ光のキャンペーンが、完全になくなってしまったわけではありません。
代理店サイトでフレッツ光を契約すれば、キャンペーンの適用を受けられます。
代理店が行っているキャンペーンの一例として、株式会社エフプレインのキャッシュバックキャンペーンをご紹介しましょう。
エフプレインでフレッツ光の契約を申し込むと、最大で20,000円のキャッシュバックを受け取れます。
ただし、満額のキャッシュバックを得るには、多数の条件をクリアしなければなりません。
条件としてあげられるのは、エフプレインが指定するプロバイダへの加入やひかりTVの契約、ほかの申込者の紹介など。
2万円のキャッシュバックを受け取るための条件としては、割に合わないものが目立ちます。
以上のように、フレッツ光の代理店が用意するキャンペーン特典は、あまり魅力的といえないのが現状です。
NTTには、フレッツ光の広告費にもう少し予算を割いてほしいところですね。
ピカラ光
代理店サイトでピカラ光を契約すると、おトクなキャンペーンが適用される場合があります。
ここでは、代理店で適用されるキャンペーンの一例として、フルコミット株式会社のキャッシュバックキャンペーンをご紹介しましょう。
フルコミットが用意するキャッシュバック額は、最大30,000円と高額。新規契約するピカラ光のプランに応じて、キャッシュバック額が決まります。
満額のキャッシュバックを受け取るために、特別に厳しい条件をクリアする必要はありません。
ただし、キャッシュバックの受け取り時期は、回線開通月を含めた契約12ヶ月後とやや遅めです。
また、特典を受け取るには、申込月を含めた10ヶ月後に、所定の手続きを行わなければなりません。
以上の注意点はありますが、3万円のキャッシュバックは魅力的。新規契約者向けのキャンペーンは、フレッツ光よりピカラ光のほうが優れていると判断してよいでしょう。
サービス提供エリアの比較
サービス提供エリアの広さも、光回線の重要なスペックです。
提供エリアが狭い光回線は少し不便。
契約した後に遠方への引越が必要になると、引越先で継続利用できなくなる可能性があります。
フレッツ光とピカラ光の、提供エリアの広さを比較してみましょう。
フレッツ光
フレッツ光は、全都道府県を提供エリアとしています。
人口カバー率は95%と、国内の光回線で最大。
ほかの回線が開通していないような地域でも、フレッツ光なら契約できる可能性があります。
ピカラ光
ピカラ光の提供エリアは、以下の4県に限られています。
徳島県、香川県、愛媛県、高知県
ピカラ光は、四国地方限定の光回線。ほかの地域では利用できません。
サービス提供エリアの比較は、フレッツ光の圧勝ということになります。
初期費用比較(契約事務手数料+工事費)
光回線を契約する際、意外と大きな出費になるのが初期費用です。
特に初期工事費は、1万円以上となることが一般的。
できれば、こうした費用も安く抑えたいところですよね。
フレッツ光とピカラ光の初期費用を比較してみましょう。
- 事務手数料・・・フレッツ光 800円/ピカラ光 0円
- 工事費(戸建て)・・・フレッツ光 18,000円/ピカラ光 25,000円
- 工事費(集合住宅)・・・フレッツ光 15,000円/ピカラ光 25,000円
工事費を比べると、フレッツ光よりピカラ光のほうが高額ですね。
ただし、ピカラ光の工事費は、ネットと電話を同時に契約することで、キャンペーンが適用されて無料となります。
しかもピカラ光は、契約事務手数料を設けていません。
つまり、ネットと電話を同時契約した場合は、初期費用が無料となるのです。
対するフレッツ光には、工事費の無料化や割引は用意されていません。
初期費用に関する条件は、ピカラ光のほうが優れていると考えてよいでしょう。
お得なスマホ・ケータイの割引サービス比較
インターネット回線と、特定のスマホ・携帯電話を同時に利用すると、料金割引サービスを受けられる場合があります。
フレッツ光とピカラ光の場合はどうでしょうか。
スマホ・携帯電話の割引サービスへの、対応状況をチェックしてみましょう。
フレッツ光には携帯とのセット割引のサービスがない
フレッツ光とスマホや携帯電話を同時に利用しても、割引サービスは一切受けられません。
NTTドコモでは「セット割」というサービスを提供していますが、フレッツ光は対象回線に含まれないのでご注意ください。
ピカラ光電話にも加入すると「auスマートバリュー」でさらにお得
ピカラ光に加えて「ピカラ光でんわ」に加入すると、「auスマートバリュー」の適用を受けられます。
auスマートバリューは、対象インターネット回線と、auスマホ・携帯電話を同時利用することで適用される割引サービスです。
割引額は、auの回線1契約に対して最大2,000円。
割引を適用できる回線数は、家族が契約しているものを含めて最大で10回線となっています。
家族全員がauスマホや携帯電話を利用している世帯なら、auスマートバリューの適用によって、大幅に通信費を節約することが可能。
年間数万円の節約も、難しくありません。
フレッツ光とピカラ光のその他の違いを紹介
フレッツ光とピカラ光の主立った違いを見てきましたが、いかがだったでしょうか。
本節では、ここまでにご紹介した内容以外の、フレッツ光とピカラ光の違いをまとめて見てみることにしましょう。
①フレッツ光は選べるプロバイダの選択肢が多く、ピカラ光はプロバイダー料込み
フレッツ光が提携しているプロバイダ数は、実に300社以上。
プロバイダは好みに合わせて選べますし、フレッツ光の契約期間中に乗り換えることも可能です。
対するピカラ光は、回線とオリジナルプロバイダがセットで提供されます。
このため、ユーザー側でプロバイダを選ぶことはできません。
ただ、プロバイダ料込みでサービスが提供されるため、料金が比較的安価です。
また、ネットに詳しくない方でも、プロバイダ選びに悩まされることなく光回線を契約できます。
②ピカラ光の方が料金体系がシンプル
ピカラ光は、料金体系がごくシンプルです。
基本となる料金プランは、1Gプランのみ。適用する長期割引契約の種類によって、料金が変わるシステムとなっています。
一方、フレッツ光の料金体系は、比較的複雑です。
たとえばNTT東日本エリアの場合なら、通信速度の違いやレンタル機器の有無でプランが分かれています。
さらに、定額制プランだけでなく2段階定額制のプランもあり、料金プランの名称を覚えるだけでも一苦労です。
初めてネット回線を契約する方だと、プランの多さに戸惑ってしまうかもしれません。
③ピカラ光ならセキュリティソフト「カスペルスキー」無料で利用できる
ピカラ光ユーザーは、総合セキュリティソフト「カスペルスキー」を無料で利用できます。
提供されるカスペルスキーは、マルチプラットフォームタイプ。
Windows、Mac、Androidに対応しており、合計3台の端末にインストールできます。
まとめ
本文でご紹介したとおり、フレッツ光とピカラ光では、サービス内容や実効速度などが異なっています。
おすすめできるのは、料金が安く実効速度に定評のあるピカラ光です。
ただし、ピカラ光を利用できるのは四国地方のみ。提供エリアは、広いとはいえません。
四国地方にお住まいの方は、本ページの内容を吟味して、契約する回線を選んでみてください。
四国以外にお住まいの方には、フレッツ光とほかの回線を比較してみることをおすすめします。
- ホーム
- 光回線
- フレッツ光とピカラ光の違いが知りたい!料金や速度を詳しく比較