インターネットを使う上で重要なサービスである「電子メール」ですが、このメールのやり取りに必要なメールアドレスは、プロバイダの契約とセットになっています。
このため、回線乗り換えと同時にメールアドレスが変わってしまうことが多く、これにうまく対処する必要が生まれてきます。
インターネットを使う上で重要なサービスである「電子メール」ですが、このメールのやり取りに必要なメールアドレスは、プロバイダの契約とセットになっています。
このため、回線乗り換えと同時にメールアドレスが変わってしまうことが多く、これにうまく対処する必要が生まれてきます。
インターネットは、複数のコンピュータ・ネットワークを相互接続したものです。
それぞれのネットワークは、「ドメイン名」という名前で識別されます。
ドメイン名は、トップドメイン・サブドメインなどのパートに分かれています。
トップドメインには、「com」「net」などの種別を表すもの、「jp」「kr」「tw」などの所属国家を意味するものなどがあります。
サブドメインは、主に国別ドメインに付属する種別区分用の記号です。
トップドメイン「jp」と組み合わせると、「co.jp」や「ne.jp」のようになります。
これらに、それぞれのドメインの個別名を組み合わせると、そのネットワークを指定する名称になります。
形式としては、「◯◯◯.ne.jp」のようなものになります。
それぞれのドメインは、その内部に「ユーザー」を含みます。
プロバイダと契約した場合、利用者はそのプロバイダの持つドメインのユーザーとなるのです。
あるドメインのユーザーであることをインターネット上で示すためには、ユニークなユーザー名の後に、「@」(アットマーク)を挟んでドメイン名を記述することになります。
俗に「メールアドレス」と呼ばれているものがこれです。
「メールアドレス」は、あるドメインのユーザーであることを意味する符号ですが、多くの場合、契約者は自分のユーザーアカウントを使って、「受信メールサーバー」を利用することになります。
このアカウントは受信メールサーバー利用時以外にはほとんど使われないため、メールサーバー専用のアカウント、すなわちメールアドレスとして扱われているのです。
先に説明したように、メールアドレスというのは、契約しているプロバイダが持つドメインのユーザーアカウントです。
このため、プロバイダの契約と一体化しており、プロバイダとの契約が終了すると、業者によってプロバイダの各種サーバからアカウントが削除されます。
この結果、電子メールが利用できなくなるのです。
ただし、別のプロバイダと契約した場合はそちらのユーザーアカウントが交付されるので、そのプロバイダのメールアドレスを取得することになります。
どこかのプロバイダと契約している以上、最低一つのユーザーアカウント、つまりメールアドレスは所持していることになります。
プロバイダと契約しているのに、使えるメールアドレスがないという状態は原則的にありえません。
あるプロバイダと契約するということは、そのプロバイダの持つドメインが提供する各種サービスを利用できるようになる、ということです。
契約を終了すれば、それらのサービスは利用できなくなります。
プロバイダが提供するサービスには、個人用のWebページの開設サービス(ブログ含む)、ファイル転送用のFTPサービス、さらに電子メールサービスなどがあります。
これらすべては先に述べたように、プロバイダとの契約を終了すると使用できなくなります。
プロバイダ付属のメールアドレスを常用している場合、プロバイダを乗り換えた際にメールアドレスが変わってしまい困った、ということがよくあります。
ただ、これは回避する手段がないわけではありません。
まずよくあるのが、プロバイダに紐付けられたメールアドレスを使用せず、独立したメールサービスのアドレスを使う、というものです。
独立したメールサービスには、Googleの提供する「Gmail」などがあります。
無料で使えるものが多いので、どれか一つを選んでアドレスを取得しておくとよいでしょう。
なお、かつては無料のメールアドレスはプロバイダのメールアドレスに比べ信頼性が低く、仕事などには使えないとされていました。
しかし、Gmailなどはビジネス用途に使用している人も多く、無料アドレスだからといって軽く見られることもなくなっています。
なお、電子メールそのものを使わないという手もあります。
現在ではSNSが普及し、インターネットを利用するユーザーのほとんどすべてが、何らかのSNSに参加しているような状況です。
そしてほぼすべてのSNSには、加入ユーザー間で電子メールのようにメッセージをやり取りするサービスが付加されています。
これを用いれば、電子メールを使わなくても他ユーザーとコミュニケーションを図ることが可能です。
この場合、ビジネス用途はフェイスブック、ホビー用途ではツイッターやLINEなど、用途によってメッセンジャーを使い分けることも可能です。
また、チャットワークやスカイプなどのサービスも普及していますから、これらのアカウントでメッセージをやり取りするようにしていれば、メールアドレスが変わってもさほど不便に思うことはないでしょう。
すでに説明したことからわかるように、メールアドレスは回線契約や、インターネットへの接続そのものとは別個のものです。
ですから、何らかの形で契約が残り、そのプロバイダのメールサーバを利用できるようになっていれば、別回線や別プロバイダと契約をしていても利用し続けることができます。
どうしてもこれまで使っていたプロバイダメールを使いたい、という場合は、できるだけ料金の安いプランに変更し、メールアドレスを維持するといいでしょう。
メリットはなんといっても、プロバイダを変更しても同じメールアドレスを使い続けられる、という点につきます。
プロバイダメールを変更してしまった場合、よく連絡を取っていた人にメールアドレスが変わったという通知を送らなければなりませんが、維持できた場合にはそれが必要ではなくなります。
デメリットは「メールアドレスの維持に費用がかかる」という点です。
ただし、フリーのメールサービスに切り替えていた場合には、維持費用はかからなくなります。
フリーメールアドレスを利用する場合、古いメールアドレス宛のメールはフリーアドレスの側に転送するように設定しておきましょう。
こうしていれば、徐々に連絡相手に「メールアドレスが変わった」ということが浸透していき、自然にメールアドレスを移行することができます。
また、一度移行してしまえば、その後は何度プロバイダを変えようともメールアドレスは固定されるようになります。
比較的多くのプロバイダが、メールアドレス維持に向いた安価な料金コースを用意しています。
ただし、その扱いはプロバイダによってかなり違います。
あるプロバイダでは、完全に「メールアドレス維持用」となっている場合があり、また別のプロバイダでは、インターネット接続を伴わない単なる最安コースとなっていることもあるのです。
ダイヤルアップという、アナログモデムと一般電話回線を使って接続するコースを利用する場合もあります。
ただいずれの場合でも、電子メールの利用は可能です。
電子メールの送受信ができるというのは、そのプロバイダが持つドメインのメールサーバーの利用権を保持しているということです。
メールサーバは、そのプロバイダと回線接続契約を持っていなくても、インターネットに接続できるなら、そのアドレスを指定して接続することができます。
ほとんどの場合、メールソフトの設定変更は必要ありません。
ただし、送信メールサーバについては、回線契約を結んでいるプロバイダのサーバしか利用できないことがあり(迷惑メール対策です)、その場合には設定の変更が必要です。
プロバイダ名 | OCN |
月額料金 | 250円(税別) |
アカウント数 | 無料で1 |
プロバイダ名 | ぷらら |
月額料金 | 216円(税別) |
アカウント数 | 無料で1 |
プロバイダ名 | BIGLOBE |
月額料金 | 200円(税別) |
アカウント数 | 1 |
プロバイダ名 | ODN |
月額料金 | 200円(税別) |
アカウント数 | 1 |
プロバイダ名 | nifty |
月額料金 | 262.5円(税込) |
アカウント数 | 1 |
メールアドレスだけを残す最安価なサービスとして利用されていた「ダイヤルアップ接続」ですが、アナログモデムそのものの入手が困難になったこと、現在のレベルから考えると速度が低すぎることなどから、提供するプロバイダが減少してきています。
ダイヤルアップ接続サービスを停止したプロバイダが、代わりにメールコースを提供するようになるとは限りません。
全体的に、電子メールはプロバイダ依存型から、固定されたフリーメールを利用する方向に向かっています。
また、SNSのメッセンジャーサービスも普及するようになっていますから、それまで契約していたプロバイダに「メールコース」がなく、維持が難しくなった場合には、思い切ってインターネット上でのメッセージのやり取りを、これらの方法に変えていくというのも一案です。