NTT系のフレッツとは、異なる光回線インターネット接続サービスとして注目を集めているのが「auひかり」です。
フレッツと比べるとやや後発になるため、フレッツからの乗り換え顧客を積極的に集めようとお得なキャンペーンを繰り広げています。
そのすべてについて、ずばり解説します。
NTT系のフレッツとは、異なる光回線インターネット接続サービスとして注目を集めているのが「auひかり」です。
フレッツと比べるとやや後発になるため、フレッツからの乗り換え顧客を積極的に集めようとお得なキャンペーンを繰り広げています。
そのすべてについて、ずばり解説します。
日本の光回線インターネット接続サービスは、大きく分けると4種類になります。
ひとつはNTT東西が提供している「フレッツ光」系の回線網を利用するものです。
NTTの光ファイバー網は全国に広がっており、もっとも利用者数の多いサービスとなっています。
次は、KDDIグループの回線網を利用する「auひかり」です。
回線網としては、NTTのフレッツ系とは独立しています。
三つ目は、電力会社系の回線網を利用したサービスです。
これは電力会社のサービスエリアごとに分かれており、全国規模のサービスを展開する業者はありません。
なお、中部電力がメインとなって提供している「コミュファ光」は、KDDIの影響下にもあり、東海地域限定で「auひかり」の代替となっています。
最後は、独自で光回線を持たず、他社の未使用の回線を利用してサービスを提供する業者です。未使用の回線のことを「ダークファイバー」といいますが、この回線を利用した代表的なサービスとしては「NUROひかり」があります。
auひかりはすでに説明したように、KDDIグループの光回線を利用し、auブランドで提供されているインターネット接続サービスです。
NTTの「フレッツ光」は、回線とプロバイダ契約が別々になっているのですが、「auひかり」では窓口が一本化されています。
月々の支払いも、回線・プロバイダ別々ではなく、一括してまとめて支払うことになっています。
サービスエリアは、中部地方を除く全国となっていますが、「フレッツ」と比べるとやや狭めになっています。
中部地方については、上で述べた「コミュファ光」が「auひかり」の代替を務めています。
auひかりのメインサービスで、インターネットへの接続サービスです。
auひかりを契約すると、基本的にはこのネットサービスに加入することになります。
他の電話サービスやテレビサービスは、ネットサービスのオプション扱いとなります。
いわゆる「ひかり電話」のサービスで、一般電話回線の代わりに光ファイバーを使って接続する電話です。
一般電話回線に比べると月額料金が安く、今まで使っていた番号を引き継げるなど使い勝手のよいサービスとなっています。
欠点は、停電時などインターネットが使用不能になった際には、電話も使えなくなるという点です。
ただし携帯電話が普及した現在では、このことはあまり大きなデメリットにはならないとも言われます。
光ファイバーケーブルを利用し、BS・CSの有料放送を配信するサービスです。
auひかりのテレビサービスでは、「スカパー」の番組を視聴することができます。
他の業者が提供するテレビサービスの場合、地上波デジタルや無料BS番組の視聴もできるのですが、auひかりの場合、これらの番組はサポートされていません。
一戸建て向けのauひかりの料金プランは、
の3種類となっています。
「3年縛り」のプランは「ずっとギガ得プラン」と呼ばれ、月額利用料金が最も安く、かつ、2年目、3年目以降と月額100円ずつ利用料金が下がっていくという特徴があります。
3年目以降はずっと同じ料金です。
「2年縛り」プランは「ギガ得プラン」です。
縛りのないプランは「標準プラン」という名前になります。
「ずっとギガ得プラン」「ギガ得プラン」の場合、更新月以外に解約をすると違約金を取られますが、「標準プラン」の場合は違約金は課せられません。
ただし、「標準プラン」はその分、月額料金はすべてのプランの中で最も高額となっています。
「ずっとギガ得プラン」は、3年間年を追うごとに月額料金が100円ずつ下がっていく料金プランとなっています。
1年目の料金は5,100円、2年目は5,000円、3年目は4,900円です。4年目以降もずっと4,900円となります。
ひかり電話は基本料金500円固定、テレビは最小限のチャンネルをまとめたパックが500円で、チャンネルを追加すれば価格が上がるようになっています。
こちらは年によって価格が変わることはありません。
ネット | ネット+電話 | ネット+電話+テレビ | |
1年目 | 5,100円 | 5,600円 | 6,100円~ |
2年目 | 5,000円 | 5,500円 | 6,000円~ |
3年目以降 | 4,900円 | 5,400円 | 5,900円~ |
集合住宅向けのプランは、回線を単独で使うか、他のマンション住民と共有するか、さらに共有する場合何人と共有するかによって変わってきます。
また、共有に使うマンション内の配線の種類によりも変化します。
配線で一番安いのはイーサネット(タイプE)で、続いて光ファイバー(タイプF)、VDSL(タイプV)です。
ただし、マンション内の配線がどうなるかはマンションの状況によって決定され、ユーザーが個人で選ぶことはできません。
ごく最近建設された物件以外、ほとんどのケースにおいてタイプVになります。
マンションタイプは、一戸建て向けの「ギガ得プラン」のように契約年によって月額料金が変化することはなく、常に固定となっています。
16回線以上共有のタイプVだと、月額料金は3,800円になります。
タイプVの料金
ネット | ネット+電話 | ネット+電話+テレビ | |
8戸以上共有 | 4,100円 | 4,600円 | 5,100円~ |
16戸以上共有 | 3,800円 | 4,300円 | 4,800円~ |
ライバルとなるNTTのフレッツと比べると、普及度がやや劣るのでその分空いており、高速に通信ができる可能性が高くなっています。
ただし、これはあくまでも全体的にそういう傾向だということで、場合によってはフレッツよりも激しい渋滞に巻き込まれることがないわけではありません。
同じKDDIグループのauのスマートフォン契約をしていた場合、スマートフォン側の接続料が割引になります。
ただし、au以外のスマートフォンには適用されません。
プロバイダごとに料金がばらばらになっておらず、どこでもKDDI側が決めた料金で統一されています。
また、フレッツのように支払先が回線・プロバイダで別々になっておらず、一括徴収となっています。
auひかりは、現在あるネット回線の中ではキャンペーン特典(主にキャッシュバック)のお得率が高い方となっています。
特に、フレッツの利用者がauに乗り換えた場合、大きなメリットを受けられるようになっています。
auひかりは、先行して普及したNTTのフレッツの顧客を奪う形でシェアを拡大してきました。
このため、より多くの乗り換えユーザーを増やすためにさまざな特典が用意されています。
その最たるものが、乗り換えユーザーに対し、前の業者の違約金相当額を還元するというキャンペーンです。
このキャンペーンは、一戸建ての「ずっとギガ得プラン」を洗選択した場合に適用されます。
auひかりに限らず、光回線を導入した場合最初に工事費を徴収されます。
ただし、auひかりの場合、ネットサービスと電話を同時に申し込むことにより、工事費相当額をその後月額料金を割引くことにより還元するキャンペーンの適用を受けることができます。
auひかりの場合、途中解約で違約金が発生する「縛り」があるのは一戸建て用の「ギガ得プラン」(2年縛り)と「ずっとギガ得プラン」(3年縛り)の2種類だけです。
一戸建て用の標準プランとマンション用の各プランでは、いつ契約を解除しても違約金は課せられません。
auひかりの提供エリアはフレッツと比べるとまだ狭く、日本全国をカバーしていません。
このため、これまでフレッツが使えていた地域でも、auひかりに乗り換えができないことがあります。
また、東海地方は全域がauひかりのエリア外となっていますが、こちらには代替サービスとして「コミュファ光」が用意されています。
auひかりの場合、サポートしているプロバイダは全部で7社しかありません。
ただし、大手のプロバイダはほぼサポートされているし、プロバイダによる価格差が少ないので、実用上大きな不都合が生じることはあまりないでしょう。
デメリットはプロバイダごとに異なるキャンペーンの比較ができないことぐらいです。
auひかりのひかり電話は基本利用料500円とリーズナブルなのですが、標準状態で利用できるのは2番号までとなっています。
2番号あれば電話とFAXとでの使い分けも可能なので、一般ユーザーであれば不都合を感じることはないでしょう。
auひかりのネットサービスでは、IPアドレスが固定になっています。
ネット掲示板などで悪さをしてアクセス禁止になった時など、ルータをリセットしてIPアドレスを変え、再接続するなどという小技が使えません。
ただ、そういう悪さをしなければ、IPアドレスが固定になるということは必ずしもデメリットとはいえません。
多くのプロバイダの場合、自前のサーバを用意して外部に情報発信が可能になる固定IPアドレスサービスは、比較的高価な有料オプションとなっています。
1アドレスだけとはいえ、追加費用なしで固定IPアドレスが使用可能なauひかりは、外部への情報発信の必要性が生じる自営業者や小規模オフィスにとっては、逆に選択の可否を決める重要なメリットとなります。
NTTとは異なる回線網を使用しているため、これまでフレッツを使用して乗り換える場合でも旧来の回線を利用するわけにはいかず、回線を引き直すことになります。
このため、工事を回避して費用を節約するということができません。
フレッツの場合、申込から工事までは2週間程度ですが、auひかりの場合1ヶ月から2ヶ月かかってしまうことがあります。
工事までの期間が長くなりがちなことは、auひかりの明らかなデメリットだといえるでしょう。
一戸建ての「ギガ得プラン」と「ずっとギガ得プラン」は、更新月以外に解約すると違約金を請求されます。
しかし、これは違約金を設定することと引き換えに、月額料金を標準プランよりも安くするというサービスなので、完全なデメリットともいえません。
とにかくお得にまとめたいのなら、更新月をしっかり記憶しておき、損にならないような形で契約を更新していけばいいだけの話です。
「auひかり」は、フレッツ系と比較するとユーザー数が少ない分快適に使える可能性がやや高く、なおかつフレッツからの乗り換え、auスマートフォンを使っていた場合などにお得な割引が発生するようになっています。
提供エリアはフレッツほど広くはないので、ごくまれに「フレッツは使えたがauひかりは使えない」ということがありますが、対応エリア内だったら、乗り換えの候補になるでしょう。