光回線は高速なので、インターネット接続だけではなく電話・テレビ放送といったサービスにも利用しようという流れが強まってきています。
「auひかり」回線でのテレビ受信環境はどうなっているのか?
今回はこの疑問すべてにお答えします。
光回線は高速なので、インターネット接続だけではなく電話・テレビ放送といったサービスにも利用しようという流れが強まってきています。
「auひかり」回線でのテレビ受信環境はどうなっているのか?
今回はこの疑問すべてにお答えします。
光回線はデータ転送能力が非常に高いため、インターネット用のデータ通信以外にも用いることができます。
この高速性を活かし、テレビ放送の配信にも利用しようというのが、光回線におけるテレビサービスです。
その基本的な発想は、ケーブルテレビによく似ています。
ケーブルテレビは、地方のいわゆる難視聴地域や、構造物が多く電波障害が発生しやすい都市部でのテレビ視聴環境を改善するために作られました。
ただし、これらの問題は、アナログ放送が行われていた時代特有のもので、デジタル放送になってからは基本的に解決され、その存在意義は薄れてしまっています。
現在ではケーブルテレビは、主に都市部の集合住宅向けのサービスとされています。
都市部の集合住宅の場合、各戸ごとに衛星アンテナを設置することが難しく、個別にBS・CS放送を受信する環境を構築することが完全にはできなくなっています。
これを解決するために、マンションの屋上などに共用のアンテナが設置されたりするのですが、そういう対策が取れないところでは、ケーブルテレビ局と契約を行い、ケーブルテレビ局経由で衛星放送のデータを配信してもらうことになるのです。
近年では、建築時に最初からケーブルテレビの受信施設を構築してしまうマンションが大部分を占めており、これらにとってはケーブルテレビが「一番お手軽な衛星放送受信方法」になります。
光回線を使ったテレビサービスは、基本的にこの延長上にあるため、衛星放送が中心となり、地上デジタル放送はおろそかになっていることがあるのです。
ケーブルテレビ局の多くでは、同軸ケーブルや光ファイバーを使って衛星放送の番組を放映する他、「パススルー」という方式で地デジアンテナとユーザー宅とのテレビを接続できるようにしています。
このため「パススルー」方式を採用しているところでは、ケーブルテレビ局側が提供する端末装置をテレビの台数分用意しなくても、地デジ・BSの視聴が可能になるのです。
光回線の業者の中にはこの「パススルー」を行っているところもあるのですが、auひかりでは実施していません。
このため、auひかりのテレビサービスでは、地デジ・BSの視聴ができないのです。
もっとも手っ取り早いのが、インターネットの回線とは別に地デジのアンテナを設置し、アンテナとテレビを接続するというものです。
厳密に言えば、必要なのはテレビではなく、テレビ放送を受信するためのチューナーと、チューナーに接続するためのモニターです。
最近の液晶モニターは、HDMI端子を搭載したものが多く、この端子にチューナー等を接続できるようになっています。
実を言うとパソコン用のモニターとテレビは、パネル部分はほぼ同じもので、チューナーを搭載したものがテレビとして、搭載しないものがパソコンモニターとして売られているに過ぎません。
このため、ハードディスクレコーダーなど、チューナーを搭載した他の機器があれば、パソコンモニタをテレビ替わりとすることができるのです。
マンションの建物内には、テレビアンテナを接続するための同軸ケーブル端子があります。
この端子は、マンションの屋上などに設置された共用アンテナと接続されています。
この場合、戸別にアンテナを設置した場合と同じことになり、テレビやレコーダーのチューナーを経由して地デジ放送を受信できるようになります。
居住しているマンションに、ケーブルテレビ局からの配線がある場合には、ケーブルテレビ局と契約し、局から送られてくるセットトップボックスを設置すれば、各種テレビ放送が鑑賞できるようになります。
通常、地上波やBSは、無料で提供されるので、最も値段の安い基本パックを契約すればOKです。
なお、CSなどの有料放送の場合、複数のテレビで受信する場合テレビの台数分のセットトップボックスが必要になりますが、地上波や無料BSのデータは「パススルー」と言ってセットトップボックスとは関係なしに供給されます。
このため、セットトップボックスが一台でも、複数台のテレビで地上波・BSは受信可能になります。
地デジアンテナを設置した場合のメリットは、初期費用以外のコストが発生しない、ということです。
地デジアンテナそのものもさほど高いものではないため、この方法で受信環境を整えるのが基本となるでしょう。
地デジアンテナには「指向性」というものがあり、最適な方向に向けないとテレビ電波を受信できなくなります。
これはBSアンテナでも同様です。
このため、住宅によっては、アンテナの設置が難しいケースがないとは言えません。
特に市街地においては、このことがデメリットとなるでしょう。
auひかりでは地デジをサポートしていないため、光回線を使って地デジ放送を見たい場合には、auひかりを解約して、地デジをサポートしている他社回線に乗り換えることになります。
「光コラボ」系のサービスの場合、乗り換え時にさまざまなキャンペーンの特典を受けることができるというのがメリットとなりますが、回線変更に伴い工事が必要となるので、場合によっては工事費で損失が出てしまうこともあり得ます。
基本的に地デジ放送受信のためだけに、インターネット回線を切り替えるというのはあまり経済的ではなく、おすすめはできません。
ケーブルテレビは、今では地デジアンテナの設置が難しい、都市部の集合住宅を対象としたサービスとなりつつあります。
ですから、上で述べた「地デジアンテナの設置が難しい場所」の場合、大抵ケーブルテレビの接続環境が用意されているのです。
そうでない場合には、集合住宅そのものに共有アンテナが設置されています。
ですから、アンテナの設置ができない場合、ケーブルテレビを利用するというのが、スタンダードなやり方となります。
ケーブルテレビは、インターネット接続サービスも同時に提供していることが多く、インターネット接続もこちらに切り替えてしまうと、比較的経済的な接続環境を作ることができます。
デメリットはどこでも導入するわけにはいかない、ということですが、ケーブルテレビが引けないところでは大抵地デジアンテナ設置可能となっているので、実際上の問題はあまり生じません。
先に述べたように、auひかりは地デジに対応していないので、インターネット回線で地デジも受信しようとした場合には「回線乗り換え」になります。
光回線を「auひかり」のままで地デジ受信可能にする方法はないので、注意が必要です。
NTTのフレッツ回線を利用したインターネット接続サービス「ソフトバンク光」の利用者がオプションとして選択できるテレビサービスです。
基本的にはスカパーの提供する放送を、光回線を通じて流すという形態を取っており、各種チューナーがあればスカパーで提供されるすべての番組を受信可能になります。
ただ、提供エリアは限定されており、「フレッツ」のエリアだからといって即利用可能になるわけではありません。
ソフトバンク光と同じく、「光コラボ」系のサービスである「ドコモ光」のオプションです。
チューナーがあれば地デジ・無料BS・スカパーが鑑賞可能になる点、提供しているプロバイダーが違っているだけで、「ソフトバンク光」の場合とほぼ同一です。
eo-netはケイ・オプティコムが提供する光インターネット接続です。
こちらもオプションとしてテレビ放送のサービスがあります。
接続の仕組みは「光コラボ」系のサービスとほぼ同じですが、eo-netの場合提供エリアが関西方面の一部と限定されています。
これは提供元の業者が関西電力の子会社であるためです。
繰り返したように、現状「auひかり」の回線で地上波を鑑賞するする方法はありません。
テレビ放送を見たい場合には、回線を交換するか、他の受信環境を整えるしか手がない、というのが現状です。
ただし、2016年の後半に総務省が地上波テレビ放送のインターネット配信を認める方針を明らかにしており、2019年度に実施される見込みが高くなっています。
こちらを待てば、auひかり回線でも問題なくテレビ放送を受信できるようになるでしょう。
その時を待ちながら、今は携帯電話のワンセグ等で急場を凌ぐ、というのも一つの方法です。