イーサリアムとは?ビットコインとの違いやスマートコントラクトを解説

イーサリアム(Ethereum)は、独自のブロックチェーンを開発するところからスタートした仮想通貨です。

イーサリアムの通貨単位はイーサ(Ether)。

 

また、イーサリアムは、ユーザーが独自に定義した契約(スマートコントラクト)・財産を扱うことができる柔軟性の高い仮想通貨となっています。

この契約(スマートコントラクト)は、チューリング完全な言語により記述することが可能なので、中央機関を通さずに契約を自動執行できます。

※契約の執行には、複雑さに応じたイーサ(手数料)を支払う必要があります。

 

現在、国内のほとんどの仮想通貨取引所で「イーサリアム」は取り扱われており、この通貨は次世代のテクノロジープラットホームとして注目を集め続けています。

今回は、この仮想通貨「イーサリアム」について初心者の方にも分かりやすく解説していきます。

イーサリアム(Ethereum)とは何か?

まずは、イーサリアムの基本的な知識から見ていきましょう。

イーサリアムの基本情報

  • 通貨名:イーサリアム(Ethereum)
  • 通貨略号: ETH(イーサ)
  • 公開日:2015年7月
  • 発行上限枚数 :未定
  • ブロック生成間隔:約12秒
  • システム:Proof of Stake(PoS)
  • 取扱取引所(国内):ビットフライヤー、コインチェック、ビットバンク、GMOコイン

イーサリアムの歴史

イーサリアムは元々、イーサリアムプロジェクトと呼ばれる「スマート・コントラクト」を構築するためのプラットフォームや関連するソフトウェアの名称でした。

その名残で、今では通貨自体も「イーサリアム(Ethereum)」と呼ばれています。

ザ・ダオ(THE DAO)が受けたハッキング

「ザ・ダオ(THE DAO)」という、イーサリアムのブロックチェーン上のサイドプロジェクトとして開発されたものが、2016年6月にハッキングを受けました。

このハッキングによって、当時のレートで約52億円もの大金が何者かによって送金される事件が発生しました。

そして、イーサリアムはこの52億円送金を無効とするために、ハードフォークと呼ばれるアップデートを実施しようとします。

イーサリアムの分裂

しかし、イーサリアムのプロジェクトメンバーの中で、アップデート後も互換性が残る「ソフトフォーク」か、互換性が失われる「ハードフォーク」にするのか意見が割れました。

結局、ハードフォーク派が多数となり、イーサリムのシステムがアップデート(ハードウォーク)されることになりました。

一方で、強く反対していたソフトフォーク派がイーサリアムから分裂して「イーサリアムクラシック」を立ち上げました。

イーサリアムとイーサリアムクラシック

このことにより、イーサリアムは「イーサリアム」と「イーサリアムクラシック」の2つに分裂したのです。

  • 従来のイーサリアム → 「イーサリアムクラシック」
  • 新たに生まれたイーサリアム → 「イーサリアム」
分裂当時、イーサリアム所有者はどちらにするか判断

イーサリアムが分裂した当時、イーサリアムの所有者は、どちらの通貨にするか選択しなければならなくなりました。

そして、多くの人がハードウォーク後の新しい「イーサリアム」を選択しました。

おそらく、ハッキングを受けたイーサリアムより、ハッキングを踏まえてアップデートしたイーサリアムの方が安心感が高かったからだと思われます。

その後、イーサリアムクラシックの取引量も増加

その後、Poloniexなどで「イーサリアムクラシック」の取引ができるようなったころから、取引量が増えました。

現在では、イーサリアムクラシックの取引量も、仮想通貨の中でベスト10に入る位置にいます。

 

イーサリアムクラシックについては、下記ページで詳しく解説しています。

仮想通貨「イーサリアムクラシック」とは?イーサリアムから誕生した背景やその違いは?

チューリング完全を目指すイーサリアム

イーサリアムは、「チューリング完全」 というプログラミングで応用が可能なプラットホームを目指しています。

「Solidity」というプログラミング言語を使用

イーサリアムは、「Solidity」というプログラミング言語を使用しています。

Solidityは、どのようなアルゴリズムでも書き込むことが可能であるいう「チューリング完全」な独自のプログラミング言語です。

これにより、イーサリアムのブロックチェーンは、記録できる内容の自由度が高くなっています。

 

「チューリング完全」とは、簡単に言えば何でもできるプログラミングのこと。

なので、イーサリアムは、応用の限定がされているビットコインとは逆の性質を持ちます。

イーサリアムとビットコインの違い

イーサリアムは、仮想通貨の時価総額が現在2位ということもあり、1位のビットコインとよく比べられます。

どちらも、ブロックチェーンの技術を使用している点は同じですが、実は仮想通貨としての特性は全く違います。

ここでは、イーサリアムとビットコインの違いを見ていきましょう。

通貨と基盤(プラットフォーム)の違い

ビットコインは、通貨そのもの、簡単に言えば「決済システム」です。

イーサリアムは、基盤であり、分かりやすく言えば「アプリケーション作成のプラットフォーム」です。

要するに、ビットコインには物やサービスとの交換といった支払い機能がありますが、イーサはEthereumネットワークの使用料金として利用するのです。

「世界のコンピューター」を目指すイーサリアム

イーサリアムのブロックチェーンを利用すれば、誰でもアプリケーションを作成する事ができます。

そのため、イーサリアムは「世界のコンピューター」と比喩されたりもしていますが、実際、イーサリアムのプラットホーム「EVM(Ethereum Virtual Machine)」はそのような役割を目指しています。

 

ビットコインのブロックチェーンを利用してアプリケーションを作成する事も可能です。

しかし、イーサリアムはビットコインよりも柔軟に設計されているので、より幅の広いアプリケーションを作成することが可能なのです。

イーサリアムの元々の設計理念が「ブロックチェーンを利用した柔軟なアプリケーション作成プラットホーム」なのです。

イーサリアムの契約「スマートコントラクト」

イーサリアム最大の特徴は「スマートコントラクト」と呼ばれる仕組みを導入した点です。

このスマートコントラクトは「契約の自動化」とも言われており、ブロックチェーン上で自動で契約を行うことができます。

 

ビットコインは、取引の記録をブロックチェーンに残します。

一方、イーサリアムは、取引記録と同時に契約情報も記録します。

スマートコントラクトは、ユーザーが独自に決めた「契約」を実行してくれる技術なので、誰でも自由に「契約」を記述し、それを実行できるのです。

具体例

例えば、会社で1,000万円の商談がまとまったとします。

すると、商談成立後には、商品・サービスの購入代金1,000万円を○月○日までに支払うといった旨の契約書を作成しなければなりません。

そして、契約内容のチェック、上司の承認・押印、料金の振込などの作業があることでしょう。

さらに、もしお金の引き渡しが上手くいかなかった場合は、法的手続きなどの料金回収作業まで発生します。

これらを全部自動で行ってくれるのが、イーサリアムの契約「スマートコントラクト」なのです。

イーサリアムは、代金の支払いだけではありません。

どんな内容の「契約」でも、実行可能であれば、イーサリアムで実行してもらえるのです。

イーサリアムの特徴

続いて、イーサリアムの特徴について詳しく解説していきます。

スマートコントラクト

上記でも紹介しましたが、イーサリアムの最大の特徴はやはり「スマートコントラクト」です。

スマートコントラクトは、直訳すると「賢い契約(smart contract)」という意味になります。

スマートコントラクトの仕組み

イーサリアムのスマートコントラクトとは、ブロックチェーン上に書き込まれたプログラムを「自動で」実行させてしまう仕組みのことです。

この仕組みにより、特定の管理者がいなくても、正確にオペレーション(契約内容)を実行することができます。

 

また、その契約内容はブロックチェーンに記録されるので、不特定多数のデータベースに記録されることになります。

そして、この不特定多数の人の目にさらされている点が、ビットコインの取引記録と同じように信頼性の高さにつながっています。

要するに、データの改ざんが極めて難しいということです。

従来の契約との違い

従来の契約では、中央管理者として「銀行」「証券会社」「裁判所」「登記所」などが存在していました。

また、通常の契約では、契約書の作成や承認の捺印・署名なども必要です。

しかし、スマートコントラクトの場合、これらが一切不要になるので、時間とコストが節約できます。

スマートコントラクトの手数料

なお、イーサリアムでスマートコントラクトが稼働する場合、手数料が発生します。

この手数料を「Gas Fee」と呼びます。

マイクロソフトとの提携

イーサリアムのスマートコントラクトの機能に注目して、金融業界の企業などがイーサリアムを取引手段として組み込みはじめました。

最も有名なところでは、マイクロソフト社が大手金融機関4社と契約して、イーサリアム基盤のブロックチェーンを導入したことで一気に注目を浴びました。

この他にも、イーサリアムを取り扱う取引所や導入を検討する企業がどんどん増えています。

他のアルトコインにも採用されている

また、イーサリアムは、その将来性の高さから、他のアルトコインにも多く利用されています。

Ethereumを利用している代表的な仮想通貨には、「Auger」「Golem」「DAO」「LISK」などがあります。

※一般的にビットコイン以外の仮想通貨のことをアルトコインと呼びます。

4度のバージョンアップ

イーサリアムのスマートコントラクトの機能は、これまでバージョンアップが4回行われています。

  • 1回目の「Frontier」

問題が起きれば、ブロックチェーン(ネット上の取引台帳のようなもの)の巻き戻しを開発者ができるという開発者用のバージョンアップ

  • 2回目の「Homestead」

利用手数料(ETH)の引き上げ、採掘難易度の調整方法を修正して、ブロックチェーンの分岐を防ぐ機能が追加

  • 3回目の「Metropolis」

一般ユーザー向けの正式版としての修正

  • 4回目の「Serenity」

採掘の仕方がPoW(Proof of Work)からPoS(Proof of Stake)へ移行

このように、イーサリアムはバージョンアップによって、安全性と機能性を高めています。

これからもどんどん進化していくことでしょう。

マイニングには不向きの仮想通貨

イーサリアムは、マイニングでも入手可能ですが、あまり現実的ではない仮想通貨です。

イーサリアムのマイニングに関しては、2つ方法があります。

  • 「イーサリアムクライアント」というソフトをインストールして行う方法
  • 「クラウドマイニングサービス」を利用して行う方法

どちらの方法もかけた手間と得られる報酬を比べると、全然割に合いません。

マイニングが趣味という方以外は、マイニングでイーサリアムを手に入れるのはやめておいた方がよいでしょう。

 

一応、イーサリアムでマイニングを行う2つ方法を簡単にご紹介しておきます。

イーサリアムクライアント

「イーサリアムクライアント」は色々なソフトが存在しますが、公式から推奨されているクライアントは「Geth」です。

ただし、Gethのインストール画面で「一般的な家庭用PCでイーサリアムクライアントを使用するのはかなり厳しいかと思います。」と説明されています。

クラウドマイニングサービス

インターネット上にてマイニングを行うプラットフォームを貸し出しているサービスが多数存在しており、そのサービスを利用することでイーサリアムもマイニングができます。

日本語に対応している代表的なクラウドマイニングサービスとしては「Genesis Mining」などががあります。

まとめ

以上、イーサリアム(Ethereum)について徹底解説してきました。

この記事を読まれた方の中には、「イーサリアムについて興味が出たけど、そもそもどこで買うの?」という方がいらっしゃるかと思います。

最後に、イーサリアムの購入方法を簡単にご説明します。

イーサリアムの購入方法

イーサリアムは、時価総額第2位の仮想通貨なので扱っている取引所はかなり多いです。

国内の取引所では、基本的に全ての取引所でイーサリアムの取引が可能です。

 

ちなみに、海外の取引所でもほぼ全ての取引所でイーサリアムの取引が可能ですが、日本円での入出金ができません。

ですので、イーサリアムを購入するなら、国内の取引所を使う方が、海外の取引所よりも手間が少ないのでおすすめです。

 

また、国内の取引所でも、あまり無名な取引所はおすすめできません。

マイナーな取引所では、あとで倒産や資金が取り出せないといったリスクがあるため、まだ口座をお持ちでない方は、大手のビットフライヤーかコインチェックで口座を開設しておくのが安全です。

この記事を書いたユーザー

Arima
2014年からデイトレーダーやってます。 FXと株で毎日コツコツ頑張ってます。 nanairoでは主にお金・節約術に関する記事を執筆しています。 Arimaの記事一覧

PICKUP

トップへ