成人女性の塩分摂取量は、7g未満が基準とされています。これは妊娠していなくても、妊娠していても変わりません。
しかし、現代人は塩分を摂り過ぎていると言われ、実際の塩分摂取量は平均10gと完全にオーバーしています。
つまり意識して減塩をしていく必要があるというわけですね。
今回は妊娠中の減塩の必要性やその対策、おススメ減塩メニューを紹介します。
妊娠中に減塩が大切な理由とは?
妊娠中は病院からの食事指導等で減塩をすすめられるはずです。毎回の検査でも尿検査や血圧測定は必須ですよね。
妊娠中は塩分の摂りすぎに注意しなければいけません。
塩分を摂り過ぎはむくみの原因になるだけでなく、高血圧やタンパク尿を引き起こします。
妊娠中は特に水分がたまりやすくなり、むくみやすくなります。
塩分を摂り過ぎると血液中のナトリウムが増え、それを中和させようと血液の水分量が増えます。それがむくみや血圧の上昇につながります。
普段は血圧が普通だった人も、妊娠すると高血圧になりやすくなりますので油断は禁物です。
ひどくなると妊娠高血圧症候群につながる可能性もあるため、過度な塩分摂取は控えましょう。
減塩方法の3つのポイントは?
減塩といわれても、実際どのように減塩すればよいのでしょうか?
今回は減塩方法を3つのポイントにまとめてみました。詳しくみていきましょう。
調味料を計量する
毎日の塩分の摂取量は7g未満が基準とされてます。
しかし、実際には日本の女性の平均摂取量は10gと塩分を摂り過ぎているのが現状です。
料理をする時に計量スプーンを使うことは大切です。
目分量で塩やしょう油を入れていると、意外と入れ過ぎていた、ということがあります。
そのためには調味料に含まれる塩分の量を知っておきましょう。
食塩1gはどれくらいなのか表にしてみました。計量の参考にしてみてください。
調味料を変える
調味料を減塩塩や減塩しょうゆ、減塩みそなどに変えてみましょう。
風味はそのままで塩分だけが半分以下にカットされているなど、減塩の製品が豊富に揃っています。
調味料は頻繁に使うので、減塩タイプに変えるだけで一日に換算すると大きな差が出ます。
カリウムを摂取する
カリウムは人の体に欠かせない必須栄養素の一つです。
カリウムを含む食品は豊富ですが、加工食品や外食に頼りがちな現代の食生活では不足気味です。
カリウムには体の余分なナトリウム(塩)を外に排出する働きがあるので、塩分過多や高血圧が気になる妊娠中は積極的に摂りたいところです。
カリウムを多く含む食品:
ほうれん草、海藻類、納豆、アボカド、バナナ、サトイモなど
一工夫が大事!まだまだある減塩方法!
減塩方法は他にも沢山あります。普段の調理や食べ方を少しだけ工夫することで減塩になりますよ。
ぜひ、これらも参考にしてみてください。
- ニンニクやネギなどの薬味、レモンやお酢などの酸味やハーブやスパイスで味つけをする
- 昆布やかつおなどのだしのうまみを利用する
- しっかりした味つけのおかずは1品だけにして、後は薄味にする
- ラーメンやうどんなどの汁は飲まない
- ドレッシングはかけない(小皿にとって、つけながら食べる)
- 加工食品やインスタント食品は控える
おすすめの減塩商品
ポッカ レモンのおかげウレシオ
塩分を50%カットした減塩塩。レモンの風味が塩味を引き立ておいしい塩に仕上がっています。
タケヤ 減塩みそ
塩分を58%カットしながら、みその風味はそのまま。少量でもしっかり味がきいているのでみそ汁以外の料理にもおススメです。
ヤマサ 減塩しょうゆ
本醸造ヤマサしょうゆの風味はそのまま、塩分だけ約1/2にカットした減塩しょうゆです。
シマヤ 塩分55%カットだし粉末
風味豊かなかつおぶし粉末を増量、シマヤだしの素の味はそのままで塩分を55%カットした粉末だしです。
ドレッシング 塩ぬき屋
トマトをたっぷり使い塩を使わなくてもおいしいドレッシングです。化学調味料、添加物も一切不使用。エキストラバージン・オリーブオイル使用で血圧が気になる人にもピッタリです。
簡単!減塩食レシピ
ネバネバ ネットリ丼ぶり
おくらの仲間で、モロヘイヤのようなねばりがある野菜「おかのり」。ビタミンやカルシウム、鉄が豊富です。らっきょう、しそを使って、薄味でもインパクトの味に仕上がっています。
材料(2人分):
- 胚芽米 70g
- 大麦(押麦) 70g
- 水 240ml
- 納豆 2パック
- いか(刺身用) 20g(1/8杯)
- おかのり 4本 30g
- らっきょう漬 12g
- しそ 2g(4枚)
- ★減塩しょうゆ 小さじ1と2/3
- ★練りからし 小さじ1/4弱
- アボガド 1/4個
作り方:
(下準備)
- ★の調味料を合わせておきます。アボカドは食べやすい大きさに切ります。しそは細切りにします。
- 胚芽米と大麦をといで用量の水を入れ30分おき炊飯器で炊きます。
- おかのりはゆで粗くたたきます。らっきょう漬けはみじん切りにします。
- ボウルに納豆、いか、2を合わせます。
- 3を混ぜ合わせ合わせておいた調味料を加え和えます。
- 丼にご飯を盛りアボカドを並べて4を載せて上にしそを飾って出来上がりです。
豆腐ときのこの簡単グラタン
豆腐は良質なタンパク質で、血圧の上昇を抑える働きがあります。
葉酸やビタミンが豊富なほうれん草、食物繊維たっぷりのしめじと合わせてバランスの取れたおかずです。
塩分はチーズだけで、十分おいしい一品です。
材料(2人分):
- 木綿豆腐 1丁
- 有塩バター 大さじ1/2
- しめじ 2/3パック
- 乾しいたけ 2.5枚
- ほうれん草 1/3束
- 焼きのり 1.5枚
- ホワイトソース 大さじ2と2/3
- プロセスチーズ 大さじ1と2/3
- 黒こしょう 少々
作り方:
(下準備)
- バターは室温に戻しておきます。
- 干し椎茸は水に1時間ほどつけて戻しておきます。
- しめじは石つきを取りほうれん草と一緒に軽く茹でます。
- ほうれん草は3~4センチの長さに切ります。
- 木綿豆腐はキッチンペーパーで包み500Wのレンジで1分ほど加熱水けを切り3センチ角に切ります。
- グラタン皿にバターを塗り、豆腐、しめじ、干し椎茸、ほうれん草を入れます。
- ホワイトソースとチーズをかけこしょうを降ります。
- オーブントースターで焼き色がつくまで焼きます。ちぎった青のりを散らして出来上がりです。
うまみタップリ!減塩具沢山スープ
タンパク質と野菜が一緒に摂れ、ボリュームたっぷり。お腹もふくらみ大満足のスープです。野菜や鶏肉のうまみ、トマト缶の味だけで、塩不使用でもおいしい一品です。
材料(3~4人分):
- 鶏むね肉 1枚
- キャベツ 約5~6枚
- 玉ねぎ大 2~3個
- ニンジン 1本
- じゃがいも 2個
- オリーブオイル 大1
- トマト缶(カット缶使用) 1缶
- コーン缶(砂糖、塩不使用のもの) 1缶
- 粗挽き胡椒 適量
作り方:
(下準備)
- 鶏肉は縦半分に切り3ミリほどの厚さにスライスします(半解凍の状態にすると切りやすい)。
- キャベツは1センチぐらいの粗みじん、他の野菜は一口大に切ります。
- 鍋にオリーブオイルをしき、鶏肉を焼きます。色が変わったらキャベツを加え一緒に炒めます。
- 他の野菜も加え軽く炒め合わせます。
- トマト缶とコーン缶を加え、ひたひたになるまで水を入れます。
- 粗挽き胡椒をふり、煮立ったら弱火でコトコト30分ほど煮ます。具材が柔らかくなったら出来上がりです。
切干大根と豆苗のごま煮
減塩しょうゆを使ったやさしい味の副菜です。胡麻の風味がきいていて、薄味でもおいしい一品です。
材料(4人分):
- 切り干し大根 1袋(30g)
- ニンジン 1/2本
- 豆苗 1/2パック
- 水 150㏄
- 料理酒 大さじ3
- 砂糖 小さじ2
- 減塩しょうゆ 大さじ1
- 白すり胡麻 大さじ2
作り方:
(下準備)
- 切り干し大根は軽く洗って水に10分ほどつけて戻しておきます。
- 水気をきり食べやすい長さに切ります。
- ニンジンは皮をむいて3ミリの厚さに斜め切りした後3ミリ幅の千切りに。
- 豆苗は半分の長さに切っておきます。
- 鍋に水と酒を入れ中火にかけ沸騰してきたら砂糖を加えます。切り干し大根とニンジンを入れ、しょうゆをかけます。
- 菜箸で時々混ぜながら7分ほど煮ます。胡麻をかけて軽く混ぜ豆苗を加えたら火を止めて、余熱でしんなりしたら出来上がりです。
まとめ
減塩と言われても、最初はどうしていいかわからず戸惑ってしまうかも。
でも、深く考える必要はありません。
調味料を変えたり、素材の味をいかしたおかずを一品プラスしたりするなど、少しずつ変えて行きましょう。
そうすることで少しずつの積み重ねが減塩につながります。
妊娠中だけでなく、家族の健康のためにも減塩生活を食卓に取り入れてみてください。
参考文献:岡山旭東病院 知っ得情報 減塩のコツ