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相続税対策では、不動産は生前贈与する方が良い?節税の方法を解説!

不動産を相続する場合、相続税も大きくなることが多いので、できるだけその対策について生前より考えておくことが重要となります。

自宅の場合は、「小規模住宅等の特例」がありますので、適用されれば大幅に評価額を減らせますが、収益物件ではどのように対策をしたら良いのでしょうか。

実は、アパートやマンションなどの収益物件では、生前贈与をした方が相続税対策になることが多いのです。ここでは、不動産を生前贈与する場合のメリットについて説明していきます。

目次

相続税では「貸家建付地」の評価は更地の場合より低い

土地を相続する場合、その土地の評価額が相続財産として加算されます。マンションやアパートを建てると、その土地は、相続税法では「貸家建付地」として評価されます。

この「貸家建付地」では、更地の場合に比べて、およそ2割低い評価となっているので、更地を相続する場合よりも節税できることとなります。

マンションやアパートを建てることは相続税対策になるの?

利用していない土地に賃貸マンションを建設し、家賃収入を生み出す「事業」として土地を利用した場合、この土地にかかる固定資産税も「経費」として扱うことができます。

相続財産の総額は「(プラスの財産-非課税の財産)-(マイナスの財産+葬儀費用)+相続開始前3年以内に贈与された財産」で算出できるので、賃貸マンションを建設するために借り入れをした場合、その借り入れ額分を相続財産から引くことができますので、相続財産を減らすことができ、結果として相続税の節税につながります。

収益物件は「相続時精算課税制度」で生前贈与し、相続税を節税

贈与税には「相続時精算課税制度」というものがあります。

これは、「贈与する側は60歳以上の父母または祖父母であること」、「贈与される側は贈与者の推定相続人である20歳以上の子供や孫であること」という条件にあてはまれば、生前の贈与を2500万円まで非課税にできる制度です。

この制度を使い、アパートやマンションなどを贈与してもらうことで、大幅な相続税の節税になるのです。この非課税制度のメリットは、大きく分けて三つあります。

  1. 2500万円という多額の贈与が非課税になる
  2. 相続時、土地が値上がりしていても、土地の評価は贈与時の評価額で行う
  3. 収益部分は相続税の対象とならない

この「相続時精算課税制度」で忘れてはならないのが、相続が発生したときには、この非課税制度を使って贈与された財産は、相続財産として加算されるということです。

それならば生前贈与する意味がないのではと思う人も多いと思います。

しかし、相続時に差し戻しされるとしても、収益物件に関しては、この制度を使うメリットがあるのです。例を使って考えていきましょう。

(例)マンションの所有者Aさんが、息子Bにこの非課税制度を使って土地とマンションを贈与した。

「貸家建付地」の評価額は1億円。年間の収益は300万円。

10年後にAさんが亡くなった。土地が値上がりしたので、「貸家建付地」の評価は1億3000万円となっていた。

上記の場合を考えてみます。まず、収益に関して見ていきましょう。

年間300万円の収益があるわけですから、Aさんが亡くなるまでの収益は10年間で3000万円となります(経費等は割愛します)。

相続時の差し戻し加算では、土地建物は相続財産として加算されますが、収益部分は加算されないこととなっています。

もしも生前贈与していなかったら、死亡するまでの10年間にAさんの資産は3000万円増えていたことになり、この部分にも相続税がかかってくることになります。

しかし、生前贈与していた場合は、この収益部分は息子Bさんのものとなっていますので、相続税とは関係ありません。

つまり、相続時まで収益物件を持ち続けると、持ち主Aさんの相続財産がどんどん膨れ上がり、それに並行して相続税も増えていくことになりますが、生前贈与をするとそれを防ぐことができ、収益部分に対する節税ができるということになるのです。

次に、土地について見ていきます。

10年後に相続が発生した時に、贈与された土地が相続財産に加算されます。

しかし、加算される際の評価額は、相続時の「1億3000万円」ではなく、贈与を受けた時点の「1億円」の評価額となります。

つまり、1億3000万円の評価額の土地とマンションが、贈与時の評価額の「1億円」として相続財産に加算されるのです。

ここで、相続財産の合計が3000万円分少なく見積もられることとなるので、節税できます。

このように、土地が値上がりした場合は、メリットがあります。(逆に値下がりしているときはデメリットとなります)

この点については、収益物件に限らず、土地だけであっても同じメリットが見込めます。

更地であっても、将来値上がりが見込める場合は、相続時精算課税制度を使って生前贈与をしておくほうが、低い評価額で相続財産に加算されることとなりますので得になるということです。

この制度を使う場合は、贈与税がかからない場合でも申告が必要です。

贈与税の申告書、相続時精算課税選択届出書、住民票の写し、登記事項証明書を用意し、期限までにきちんと申告するようにします。

相続時精算課税制度のデメリットとは?

この制度には、デメリットも多く存在しますので、利用するにはデメリットをしっかりと理解し、その上で制度を利用することが重要です。大きなデメリットとは以下になります。

デメリット1 この制度を一度使うと、暦年課税に戻すことができない

相続時精算課税制度選択届出書を一度提出すると、撤回することができず、暦年課税に戻すことはできません。

毎年110万円までの非課税での贈与が受けられなくなります。最初に届け出を出す時点で、よく考えることが必要です。

デメリット2 生前贈与を受けた財産を物納することができない

相続税を納める場合、現金以外のもの、例えば相続した土地や建物などで物納することができます。

しかし、この相続時精算課税制度で贈与を受けた財産に関しては、物納することができません。

相続が発生した時に、相続時精算課税制度で贈与された土地や建物を売って相続税にあてようと考えているならば、この制度を使ってはいけないということになります。

デメリット3 不動産を贈与された場合にはコストが高くなる

通常、相続時に土地を相続した場合は登録免許税が0.4%となっています。

しかし、生前贈与の場合は登録免許税が0.4%→2%にあがります。

また、それに加えて不動産取得税もかかってきます。

将来その土地がどれくらい値上がりしそうかということと、費用が割高になることを天秤にかけて考え、生前贈与をするかどうかを決める必要があるでしょう。

デメリット4 贈与財産は相続時に小規模宅地等の特例が受けられない

土地に関しては、相続時に一定の条件を満たせば「小規模宅地等の特例」を受けることができ、評価額を最大80%低くすることができます。

1億円の土地でも、この特例を受けることができれば、評価額を80%減額してもらうことができるので、「評価額は2000万円」とすることができるのです。

この特例が適用できる土地であるならば、小規模宅地等の特例を使うか、相続時精算制度を使うかを比べ、有利な方を選択する必要があります。

まとめ

相続税をいかに節税するか、ということを生前から考えておくことはとても重要です。

相続税が大きくなると、保有している土地や収益物件を売却しなければならなくなったり、物納したりして、相続税を支払うために奔走しなければならなくなるからです。

残された人が困ることがないように、資産額が大きな人ほどしっかりと対策を考えておきましょう。

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