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市民税(住民税)の仕組みを解説!所得税との控除の違いに注意

 

市民税(住民税)は、サラリーマンなどの給与所得者はお給料から天引きされているため、基本的に「滞納する」といったようなことは起こりません。

しかし、自営業者など給与所得者以外の人は、自分で市民税を払わなければなりません。

失業している人も、市民税は前年度の収入に基づいて金額が算出されるので、失業後1年は払わなければならないことになりますね。

必ず払わなければならない市民税ですが、失業していたり、事業がうまくいっておらず生活が苦しかったりといった理由で市民税を払うことができず、延滞してしまう人も多くいます。

前年度の住民税が今年に請求されることになるので、収入がない状態で払わなければならないこともあり、最悪の場合は財産を差し押さえられたりします。

しかし、事情があれば理解してくれるので、分割払いにしたり、再就職まで月々可能な額だけ少しずつ払ったりと、職員の人が臨機応変に対応してくれるようです。

とはいっても、住民税は義務ですから、どのような方法を使ってでも必ず払わなければならないということを覚えておきましょう。

ここでは、意外と知らない市民税の仕組みについて説明します。パートでは103万円まで所得税がかかりませんが、住民税は98万円の収入からかかってくるということなど、知らなかった!という新しい発見がきっとあるはずです。

まずは市民税(住民税)のことをしっかりと理解していきましょう。

目次

市民税(住民税)とは、前年度の所得に応じて決められる

市民税は、均等割と所得割があります。

所得割は、個人の所得によって決められ、均等割は所得に関係なく、定額で課税されることとなっています。

均等割は、都道府県分と市町村分があり、その標準税額は市町村民税が3,500円、都道府県民税が1,500円となっています。

しかし、この均等割は各自治体によって自由に決められることになっているので、例えば神奈川県横浜市などのように、都道府県民税が1,800円、市町村民税が4,400円となっているところもあります。

所得割の標準税率は、都道府県が4%、市町村が6%となっていますが、こちらも自治体によって自由に決められるため、もっと高い税率を使用しているところもあります。

これらの市民税は、前年度の1月1日~12月31日までの所得に対して課税される仕組みとなっています。

毎年6月頃、1年間の住民税の額が決定され、通知書が届きます。分割で払う場合は4回に分けて、各納付期限までに払います。

一括払いもあります。

忘れそうだという人は、口座振替もありますので、選択することができます。

所得税がゼロなのに、市民税(住民税)がかかる場合も?

所得税がゼロだったので安心していたら、住民税の決定通知がきてびっくりした、というケースが多くあるようです。どうしてこのようなことが起こるのでしょうか?

所得税は、「所得金額=給与収入-給与所得控除-基礎控除」で求められます。

パートで年間103万円までの収入だと、103万(給与収入)―65万(給与所得控除)―38万(基礎控除)=0となるので、所得税がかかりません。

しかし、住民税の所得控除だと、基礎控除が38万円ではなく、33万円です。

よって、計算してゼロとなるのは所得が98万円の時で、98万(給与収入)―65万(給与所得控除)―33万(基礎控除)=0となるのです。

パートで住民税がかからないラインは、98万円ということができます。

正確には、住民税の所得控除には様々な種類があり、収入からそれらの控除を引いた額に対して住民税がかかってきます。

所得税の控除と住民税の控除については比較してみましょう。違いがあることがわかってもらえると思います。

所得控除の種類 市県民税 所得税
障害者控除 特別障害 30万円

同居特別障害 53万円

普通障害 26万円

特別障害 40万円

同居特別障害 76万円

普通障害 27万円

寡婦控除 特別 30万円 普通26万円 特別 35万円 普通 27万円
扶養控除(一般) 33万円 38万円
扶養控除(特定) 45万円 63万円
扶養控除 (同居以外の老親以外の老人) 38万円 48万円
扶養控除 (同居老親) 45万円 58万円
勤労学生控除 26万円 27万円
寡夫控除 26万円 27万円
配偶者控除 33万円 38万円
配偶者控除(老人) 38万円 48万円
生命保険控除 最高7万円 最高10万円
地震保険控除 最高2万5千円 最高5万円
基礎控除 33万円 38万円
医療費控除 「1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費」-「保険金などで補填される金額」-「10万円(年間所得が200万以下の人は所得金額の5%)」となります(所得税・住民税共通)

まとめ

このように、「市民税(住民税)の控除」と「所得税の控除」は違う、という特徴があります。

そもそも、住民税がどのように計算するのかということもよくわからなかった人が多いのではないでしょうか。

特に、パート労働者の住民税は、103万円以上ではなく、98万円以上の所得からかかってくるということですから、気をつけなければなりません。

しっかりと市民税(住民税)の仕組みを理解し、節税できるところはしっかりと節税をしつつ、きちんと税金を払っていきたいものですね。