住宅を購入した場合、その土地にかかる固定資産税の計算では、「固定資産税評価額」という指標が使われます。それでは、建物の固定資産税の計算方法はどうすればよいのでしょうか。
また、一戸建てとマンションでは、どちらが固定資産税が安くなるのかということも気になるところだと思います。また、新築から5年、10年経っていった場合、固定資産税額がどのように変化していくのかも知っておいた方が良いですね。
ここでは、一戸建てとマンション、中古住宅の固定資産税について考えて行きましょう。
住宅を購入した場合、その土地にかかる固定資産税の計算では、「固定資産税評価額」という指標が使われます。それでは、建物の固定資産税の計算方法はどうすればよいのでしょうか。
また、一戸建てとマンションでは、どちらが固定資産税が安くなるのかということも気になるところだと思います。また、新築から5年、10年経っていった場合、固定資産税額がどのように変化していくのかも知っておいた方が良いですね。
ここでは、一戸建てとマンション、中古住宅の固定資産税について考えて行きましょう。
まず、固定資産税の計算方法は、固定資産税=固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)で表されます。
新築一戸建ての固定資産税を、土地と建物に分けて考えてみましょう。
住む場所によって、固定資産税に加えて都市計画税が課されることもあります。
その場合の計算方法は、都市計画税=固定資産税評価額(課税標準額)×0.3% となっています。
一戸建ての場合、土地と建物の固定資産税の割合は土地が70%、住宅30%程度が多いようです。
土地は、住宅が建っていて、住宅1戸につき200㎡以下の用地を小規模住宅用地といい、課税評価額の6分の1まで減額されます。土地に関する税金の軽減制については、細かい条件は以下のようになっています。
まず、その土地の固定資産評価額を調べていきましょう。
土地の固定資産評価額=固定資産税路線価×面積(㎡)です。
固定資産税路線価とは、道路に付けられた価格のことであり、その道路に接している土地の1㎡あたりの価格を示しています。この1㎡あたりの価格に土地の面積を掛け、課税評価額を算出します。
隣接している同じ100㎡の土地でも、固定資産税路線価が10万円/㎡の道に面している土地と、6万円/㎡の道路に面している土地とでは、課税評価額が1000万円、600万円となり、納める税金にも大きな差が出てくることとなります。
このように算出した課税評価額に、軽減特例の6分の1を掛け(6で割り)、標準課税率の1.4%を掛けたものが土地の固定資産税となります。
上記の10万円/㎡の土地の場合は、1000万円÷6×1.4%=23333.333となり、2万3333円となります。
次に、建物の評価を見てみましょう。
建物を評価する場合、手に入れた新築住宅と同じものを建て直すと仮定して評価を行います。
評価に用いられるのは、総務省が発表するデータです。
必要になった資材や施工量を求め、1㎡あたりの再建築費評点数を計算します。
このあたりはとても専門的になり、自分で検証することもできませんので、言われた額に対して疑問を持つことは少ないでしょう。
しかし、あまりにも評価が高すぎると思った場合は、申し出て再確認してもらうことも可能です。
内装に大理石仕上げが使われていたり、良い材質の木材が使われている場合などは評価が上がり、固定資産税も高くなる傾向がありますので注意しましょう。
また、埋め込み式のエアコンなども評価対象となります。
家の構造によっては、夏は涼しく、冬は暖かい場合もあります。
家屋調査の時には設置せず、実際に住んでみて、その後に本当に必要だと感じたタイミングでつけても良いでしょう。
その方が節税になります。
このように、個々の住宅によって評価額に差がありますが、大まかな金額だけでも知りたい場合、便利な計算式があります。
おおまかな建物の固定資産税を算出する計算する場合は、「建物価格×0.7(工務店などの利益を除くため)×0.7(固定資産税評価額は実勢価格の7割程度のため)」の計算で算出することができます。
上記で計算した土地にかかる固定資産税、建物にかかる固定資産税を合計して、その年の固定資産税が算出できることとなります。
物が古くなると、減価償却といって、そのものの価値を下げていく計算方法が取られますが、家屋については減価償却の制度は適用されないこととなっています。
確毎年建物の評価は下がっていくので、固定資産税の金額も通常は下がっていきますが、この場合、減価償却によって資産価値が下がっているのではなく、「再建築費評価点数」に経年補正率を掛けることによって下がっているのです。
計算方法としては、「再建築費評価点数=前回の再建築評価点数×補正率」となり、その再建築費評価点数に経年補正率を掛けることで、家屋の価値現象を考慮しています。
経年補正率はゼロにはならず20%が最小値となっています。
木造住宅の場合だと、一般的には耐用年数は22年で、軽量鉄骨でも27年ほどですが、その年数を過ぎても経年補正率はゼロにはなりません。
よって、何年経っても新築時の20%程度の固定資産税は払い続けなければいけないこととなります。
マンションの場合は、重量鉄骨が34年、SRCやRCが47年となっています。よって、木造住宅よりも建物の価値が下がりにくく、その分高い固定資産税がかかってくることとなります。
建物の固定資産税に限って言えば、中古マンションよりも中古の一戸建ての方がお得であると言えるでしょう。
一戸建てでは、固定資産税の割合は、土地が70%、建物が30%ほどの場合が多いようです。
マンションでは、固定資産税における土地と建物の比率は、土地が20%、建物が80%ほどの場合が多く、建物の比率が非常に大きくなっています。
実際には、土地が10%、建物が90%という場合も少なくないようです。
一戸建てでは、住宅は木造の場合が多いでしょう。
木造住宅の耐用年数は22年と言われています。
耐用年数が過ぎても固定資産税がゼロになることはありませんが、建物の評価は20%余りとなり、資産価値としてはほぼない、と考えてよいでしょう。
しかし、一戸建てには土地が必ずついています。
土地の割合は建物の割合よりも大分高く、しかも土地には耐用年数がありません。
実際の相場によって、土地の値段の上がり下がりはありますが、建物の場合ほど価値が落ち込むことは考えにくくなっています。
逆に、マンションの場合は、土地の割合がとても低いのが特徴です。
建物の耐用年数も、長い場合では47年となり、資産価値がなかなか減らない分、高い固定資産税を支払う必要があります。
耐用年数がすぎて建物の価値が一番下の状態まできたとき、マンション全体の価値はどうなるのでしょうか。
マンションでは、土地の割合が非常に少ない分、建物が新しいか古いかによって資産価値が大きく変わってきてしまいます。
建築してから年数が過ぎているマンションは、土地の面積が少ない分、建物の価値の減少がダイレクトに「マンション」という商品の価値を下げてしまうのです。
耐用年数を過ぎた頃には、マンションの価値はゼロに近いと考えてよいでしょう。
このように、資産価値、という視点で考えた場合は、土地の割合が多い「一戸建て住宅」の方が高いと言えます。
マンションと一戸建て、どちらも長所と短所があり、選ぶことはとても難しいですね。
マンションの方が駅に近い場合が多く、利便性は高いでしょう。
バリアフリーにも気をつけて作られていますし、歳をとってから2階に上がる必要がありません。
しかし、修繕費などの積立もあり、ずっとかかってくる「固定費」の割合が多いのが特徴です。
一戸建ては土地の部分が占める割合が高いため、資産価値がマンションほど下がることはありません。
また、リフォームや修繕など、他の住民の同意を得る必要がないので、自分が思うようにメンテナンスの時期や内容を決めることができます。
一戸建ては駐車場を併設できますが、マンションでは毎月の利用料を支払って使わせてもらう場合がほとんどです。
その利用料は、車に乗っている限り、ずっと支払わなければならないこととなります。
住宅や建物自体の価格だけではなく、固定資産税などの固定費もしっかりと考えながら、どちらにするかを考えることが大切です。
住宅は、人生においての大きな買い物です。様々な要素を慎重に検討し、購入を決めるようにしましょう。