MENU

住居を新築した場合、固定資産税はどれくらい?新築家屋調査とは?

 

住宅を新築した場合、頭金や不動産取得税、住宅ローンのことなどは一生懸命考えてやりくりしたり、返済プランを考えたりしますが、固定資産税のことをしっかりと頭に入れて年間の返済計画を立てる人は少ないようです。

固定資産税は毎年必ずかかってくる固定費であり、節約して低く抑える、といったようなことができません。

ですから、固定資産税のこともしっかりと考えた上で、住宅ローンを組んでいかないと、家計のやりくりが大変になってしまうこともあります。

ここでは、新築した場合の固定資産税の計算の仕方や、固定資産税調査のために必ずある「新築調査」について解説していきます。

目次

新築物件には固定資産税の家屋調査がある

新築物件が出来上がって入居してから数ヵ月以内に、調査員が固定資産税を決めるための家屋調査にやってきます。

事前に連絡がありますので、都合の良い日を指定するとよいでしょう。

固定資産税の基準になる建物評価額は、その建築物の再建築価格の50~70%といわれています。

その新築物件がどのくらいの評価かを判定するために調査員が家を訪れてチェックをします。

どうしても調査が嫌な場合は断ることができるようですが、そうなると書類上での推定での判断となってしまい、最高額である「70%」を適用されてしまう可能性が高く、高い固定資産税を課される場合があります。

家屋調査を行わずに高い固定資産税額になった場合、再調査を申し出ることもできません。

できれば、市役所から訪問の連絡があったときは受けるようにしたほうが良いでしょう。

固定資産税の新築家屋調査はどのように行われる?

固定資産税を算出するための新築家屋調査は、基本的に3つのステップで行われます。まず図面の確認をし、固定資産税の説明があります。そして、内装、外装の確認や実測をして終了となり、およそ30分~40分程度で終わる場合が多いようです。

木造の場合、評価対象は主体構造部(基礎や柱等)、仕上げ(外部、屋根、天井、床、内壁)、建築設備(キッチン、風呂、洗面、トイレ、空調等)です。

柱は太さや材質(ひのき等)を見て、床の間もチェックします。押入れの中の資材がベニヤ板であるか、ムクであるかや、大理石仕上げの場所があるかなどを見ます。

また、設備は種類や大きさと設置面積等をチェックします。エアコンは、壁掛けタイプのエアコンであれば課税対象外ですが、壁や天井埋め込み形だと評価の対象になります。

また、窓の大きさ、スイッチ・コンセント・照明の数、キッチンや洗面化粧台についても大きさをチェックしたりします。

調査員は評価項目の書類を持っており、それに従ってひとつずつ確認をしていきます。

新築の場合固定資産税はいつわかるの?

新築の家屋調査が終わってから、約1ヶ月ほどで市役所から電話があり、概算の固定資産税額が伝えられます。

このときに、固定資産税額に不満がある、納得できないなどの場合は、申し出ることができます。

新築住居の固定資産税はいつからかかってくる?

固定資産税は、1月1日時点での評価で計算されます。

新築物件に関しては、いつ完成したか、という点でのみ判断されます。もし、1月1日の時点で建設中だった場合、その年かかる建物にかかる固定資産税は課税されません。

1月2日に完成したとしても、建物への税金はかからないことになっています。

固定資産税は日割りの仕組みがないので、1月1日に建物があるかないかで判断されるのです。

しかし、土地はありますので、土地にのみ固定資産税がかかってくることになります。

この場合は住宅地ではなく「更地」として、土地に固定資産税がかかってきてしまいます。

住宅地でなければ税の軽減特例も使えないため、土地にかかる税金では「更地」が一番高額な税金を支払わなければならず、住宅完成とした場合の土地と家屋を合わせた税額よりも、未完成の土地だけのほうが高くなる可能性が高くなります。

それでは、年末に建物が完成した場合はどうなるでしょうか。

もしも、12月15日頃には建物が出来上がっていたとします。

しかし、もしも登記が年明けにずれ込んでしまった場合、1月1日の時点では、実際には建物が完成しているのに、登記上では「建物はまだ完成していない」ということになります。

この場合、建物には税金がかかりませんが、土地には「更地」として固定資産税がかかってきてしまいます。

このように、年をまたぐかまたがないかでギリギリの場合は、年内に登記を終わらせることができるように、事務作業を手早くする必要があります。

できれば、年内に余裕を持って登記ができるようなスケジュールを組んで建築すると良いでしょう。

新築の固定資産税の金額の目安は?

新築物件の固定資産税は、新築家屋調査により決定されます。

土地の広さ、建物の大きさだけではなく、家の中の設備や内装によって評価が変わってきてしまいますので、その家ごとに固定資産税額は少しずつ違います。

しかし、大まかに計算する方法はあります。

建物の価格×0.7(工務店などの利益を除くため)×0.7(公示価格の70%)でおおまかな課税評価額を算出することができます。

そして、この課税標準額に1.4%をかけると、おおまかな固定資産税額が得られます。

しかし、この計算式で算出された数字は「税の軽減適用前」の値ですし、概算ですので、正式な通知を待ちましょう。

固定資産税には軽減制度があり、条件を満たすと一戸建てでは3年もしくは5年、税金が安くなります。

その適用が終わったあと、通常の固定資産税額に戻るわけですが、上記の計算式は、その「通常の固定資産税額」を表していますので注意してください。

固定資産税は新築の軽減制度がある

住宅用の固定資産税の軽減制度があり、この適用がされると固定資産税額が大幅に減額されます。

軽減制度の条件は細かく決まっていますが、以下のようになっています。

新築された住宅が、次の床面積の条件を満たす場合は新たに課税される年度から3年分(3階以上の耐火・準耐火建築物は5年度分)、この住宅にかかる固定資産税が2分の1に減額されます。(居住部分で1戸あたり120㎡を限度とする)

認定長期優良住宅に関しては、次の床面積で要件を満たす場合は、新たに課税される年度から5年分(3階以上の耐火・準耐火建築物は7年度分)、この住宅にかかる固定資産税が2分の1に減額されます。(居住部分で1戸あたり120㎡を限度とする)

一戸建て住宅

3年間固定資産税を2分の1に減額(平成30年3月1日までに新築したもの)。

一戸あたり120㎡までを限度。

マンション(3階以上の耐火・準耐火建築物となる)

5年間固定資産税を2分の1に減額(平成30年3月1日までに新築したもの)。

一戸あたり120㎡までを限度。

建物とは別に、土地には、もともと住宅地用の税の軽減制度があります。

  • 「住宅用地」であって住宅1戸、200㎡以下の用地(小規模住宅用地)→課税標準額の6分の1
  • 「住宅用地」であって住宅1戸、200㎡を越える用地(一般住宅用地)→課税標準額の3分の1

できれば、住宅地の土地は200㎡以内に抑える方が固定資産税の節税となります。

家を建てるとき、その完成時期によって、また税の軽減制度を使えるかによって固定資産税に大きな差がでてきます。

建物に関する軽減制度もメリットが大きいですが、小規模住宅用地の軽減制度は、課税標準額の6分の1となり、非常に大きな節税効果があります。

家を建てるときは、引渡しの時期はもちろん、住宅用地の広さも考えて決めるほうが良いといえます。

固定資産税は長い期間かかってくる税金ですので、建築するときに様々な条件を考え合わせ、一番節税になるように慎重に検討して決めるようにしましょう。