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不倫で慰謝料を請求されたらどうすれば良い?!その対処の方法とは

 

ある日突然、慰謝料請求の内容証明郵便が届いたら、きっと誰もが冷静ではいられないことでしょう。

配偶者に不倫を感づかれているかもしれない、と薄々気づいていた人や、完全に隠しとおせていると思っていたので晴天の霹靂だったという人、様々だとは思いますが、普段見慣れない内容証明郵便の効果は大きく、誰もが焦り、冷静さを失ってしまうのです。

もしこのような郵便が届いたら、まず「落ち着いて冷静になる」ことを心がけましょう。

慌てたり、混乱したりしてしまうと、間違った対応をしてしまうことにもなりますし、相手の言い分をそのままのんでしまい、不当に高い金額を払ってしまうことにもなりかねません。

まずはとにかく落ち着き、冷静になることです。

場合によっては、慰謝料請求を退けることができたり、減額できたりもしますので、相手の請求が正当であるのかどうかをひとつずつ検証していきましょう。

 

目次

慰謝料を請求されたら、弁護士に相談してみよう

今までに慰謝料を何度も請求されたことがある、などという人はいないでしょう。

初めての経験だという人がほとんどでしょうから、当然慰謝料を請求された場合の対処の仕方や相手との交渉など、何もわからない、知識がないという人が大多数です。

そういう場合は、まずは弁護士に相談してみましょう。

また、相談したからといって必ず弁護士を雇わなければならないということはありません。弁護士は、今までの判例など様々な知識を持っていますから、相談してから今後の方針を決めるのもひとつの方法です。

慰謝料を請求された、弁護士の相談費用は?

慰謝料を請求され、弁護士に相談したい場合、相談費用はどれくらいかかるのでしょうか。実は、最近は、初回の相談費用は無料というところが増えており、気軽に相談できる環境が整っています。

また、実際に事務所に行く必要がなく、電話で相談に応じてくれるところもあります。

一つの弁護士事務所に相談してもよいですし、無料のところをいくつか回り、それぞれの意見が同じかどうか、違うのならどのような点か、ということを確認してもよいでしょう。

そのように一旦相談してから、今後の方向性を決めましょう。弁護士を立てるのであれば、それからでも十分間に合います。

慰謝料を請求されたら、無視してもよい?

慰謝料を請求されたとき、無視をするのは得策ではありません。

相手の請求を無視しつづければ、いずれは裁判になってしまいます。

裁判には非常に大きな労力と費用がかかるものなので、あなたの負担が増すこととなります。

基本的に、裁判は大きな費用がかかりますし、公開されます。

また、時間と労力も要しますので、慰謝料請求した側も、裁判に持ち込まずに相談して合意したいと思っていることがほとんどです。

相手も交渉する気があるということですから、無視するのは得策とはいえません。

また、無視をするということは、「やましいことがあるからだ」「反省の気持ちがないからだ」と捉えられ、実際に裁判になった時に不利な要素となり、慰謝料が増額されてしまうこともあります。

無視しなければ、裁判までいかずに話し合いで決着できたかもしれない事案でも、無視することで裁判まで進んでしまいます。

話し合いであれば、余計な費用や手間がかからないので、不貞行為をしたとされる相手を全く面識がない、架空請求であるかもしれないなどの場合を除いては、慰謝料請求を無視することはやめましょう。

慰謝料請求が届いたら、まずは内容を確認する

慰謝料請求が届き、高額な慰謝料が記載されていたら驚き、焦ることと思います。

しかし、まずは落ち着き、慰謝料請求書の中身について確認しなければなりません。

場合によっては妥当な金額ではないため、減額する交渉をしたり、請求自体を退けることもできます。

不倫をしたことが事実であれば、罪は償わなければいけませんが、どんな高額な慰謝料でも払わなければいけないというわけではなく、妥当であり、適切な賠償というものがあるのです。

それでは、確認すべきポイントについて説明します。

相手と不貞行為があったかどうか

交際相手との不貞行為がなければ、慰謝料は請求できません。

不貞行為、つまり肉体関係があったのかということが重要です。もしも事実無根であるならば、慰謝料請求を退けることができます。

しかし、相手方も何かしらの根拠があって慰謝料請求をしていると思われるので、事実無根であるならば「なぜそのように思われてしまったのか」ということを確認しておいた方が良いでしょう。

ここで、不貞行為があったのに「なかった」と嘘をつくのは好ましくありません。相手はそれなりの証拠があって初めて慰謝料請求をしてくることがほとんどです。

証拠をつきつけられ、嘘がばれてしまった場合、反省しておらず悪質と判断され、慰謝料の増額要因となることがあります。

不倫相手が既婚者と知っていたか

相手が既婚者と知りながら肉体関係を持っていたか、ということもポイントになります。もし、知らなかったとしても、思い当たることがなかったかどうかを考えてみます。

家に行くことを拒まれた、週末は会えなかった、車にチャイルドシートがのっていたなど・・。

改めて考えて見て、既婚者であるとわかったかもしれない、というような状況が過去にあった場合、既婚者と知らなかった場合でも過失があると認められ、慰謝料を払わなければなりません。

不倫相手の夫婦関係は破綻していたかどうか

不倫する前から、相手の夫婦関係が破綻していた場合は、慰謝料を払う必要はありません。

例えば、別居をしていた場合、同居をしていても家庭内別居の状態だった場合、また、実際に離婚調停中で、財産分与などの具体的な相談までしていた場合などは破綻していたと認められ、不倫行為が婚姻関係の破綻につながったわけではないことから、慰謝料は支払う必要がありません。

不倫相手から「夫婦仲がうまくいっていない」「離婚も考えている」と言われていた場合もあるでしょう。

しかし、不倫を継続させたい人間ならば、うそをついてそのように言うでしょうから、疑うことなくそれを素直に信じるのはおかしいのではないか?というのが一般的な意見です。

よって、夫婦関係が破綻していたと認められるのは、主に別居していた場合となるようです。

慰謝料請求が届いた時に、やってはいけないことは?

慰謝料請求が届いた時に、どうにかして慰謝料を払いたくない、もしくは金額を少しでも下げたい、と思うことでしょう。

気が動転していることも多く、冷静に判断できない状態に陥ります。

もしも請求書を受け取ったら、冷静になれていない段階での交渉は絶対に避けましょう。

不適切な行動や不用意な発言で、ますます窮地に陥ったり、不利な状況に立たされてしまう場合があります。

初回の対応では、「いきなり請求されても対応できないので、後日あらためて対応する」などと言って、その場で交渉をしないことが大切です。その後、弁護士に相談し、弁護士から適切に対応してもらうということがベストです。

また、慰謝料請求されたときに、「証拠を出してください」などと、居直ったり、嘘をついてはいけません。

慰謝料請求で裁判をする場合、その条件に「証拠があること」が挙げられます。

交渉での請求がうまくいかなかった場合、先方は裁判のことも念頭において慰謝料請求をしていると思われます。

つまり、ある程度きちんとした証拠をもっている可能性が高いということです。

証拠を出せなどと言ってしまった場合、実際に不倫をしていたのに嘘をついていたということで、慰謝料が増額される要因となるのです。

実際に不倫していたならば、うそをついたりごまかしたりしないほうが得策です。

また、電話による請求や、内容証明の書面による請求ではなく、相手が家におしかけてくることも有り得ます。

不倫相手だけではなく、不倫相手の配偶者や身内が一緒のこともあります。

そのようなとき、出された書面、例えば慰謝料請求合意書などに絶対に署名をしてはいけません。

署名をしてしまえば、合意が確定したとみなされ、それ以後どうすることもできないのです。

自分の判断で署名をせず、かならず弁護士などに相談して、適切な対応をとるようにしましょう。

交渉による慰謝料請求ではなく、調停請求されることも

交渉での請求で合意に至らなかった場合、調停申し立てによる請求がされ、家庭裁判所での非公開の話し合いになる場合があります。

ここでは弁護士など、法律の専門家が調停委員として参加し、どちらの言い分もきちんと聞いてくれます。

その上で、個別の事情も踏まえながら、一般的な判例等に照らし合わせて慰謝料を提示してくれます。

こちらの言い分もしっかりと伝えることができますので、減額になる場合も多くあります。

先方も、裁判まで行くことなく、早めに解決したいと思っている場合がほとんどですので、歩み寄る姿勢を見せるでしょう。

慰謝料請求で合意ができると、示談書が作成されます

示談書とは和解書とも言われ、話し合いで解決した様々なことを書面に残し、不倫問題解決後の争いを防ぐために作成されるものです。

タイトルは示談書、和解書、合意書、契約書などとされ、特に決まりはありません。

慰謝料を、いつ、どのように払うのかということを明確に記載することで、後日もめることを防ぎます。

また、慰謝料を受け取る側にとっては、口約束だけでは安心できないので、このように書面に残すことで、支払いを確保できる可能性が高まるといえます。

不倫した側にとっても、何度も請求されることがなくなりますし、「やっぱりもっと慰謝料を払ってほしい」などと後から言われることもなくなりますので、支払う側、支払われる側双方にメリットがあるのが「示談書」だといえるでしょう。

慰謝料を請求されたら、誰でも戸惑うことと思います。しかし、全くの濡れ衣である場合は少なく、実際に不倫をしている証拠があって初めて送られてくるものがほとんどです。自分の罪はつぐなわなければなりません。

しかし、それに適した慰謝料というものはありますから、交渉の中でお互い納得できる金額を見つけていく必要があります。

自分のしたことに対しての償いは必要ですから、真摯に受け止め、対応するようにしましょう。