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土地活用を始めるために必要な準備資金は?ローンは組めるの?

 

土地活用で大きな利益を生むためには、それに見合うだけの資金が必要となってきます。

多額の資金を用意するのには、金融機関でローンを組むという方法が一般的ですね。

しかしローンとひとくちにいっても、公的なもの・民間のもの・個人向け、法人向けと多くの種類があります。

あなたが目指す土地活用にはどのローンを利用するのが最適でしょうか?

ここでは、土地活用に利用できるローンにはどのような種類があるのか、ローンを組むためにどんな準備・手続きが必要なのかをご説明したいと思います。

目次

活用方法ごとのローンの可否

土地活用にはさまざまな方法がありますが、それぞれどのようなローンが利用できるでしょうか?

主な活用方法について順番にみていきましょう。

戸建賃貸住宅

基本的には、賃貸を目的とした建物建築費向けのアパートローンを利用します。

ただし、オーナーの自宅との併用であれば、住宅ローンを利用できる可能性があります。

住宅ローンは金利が低く、節税効果も高いのでお勧めですが、「本人とその家族」または「本人の家族」が住むための住居が対象ですので、

一般の賃貸住宅には利用できません。

ただし、自宅用スペースが全体の50%以上である、賃貸併用住宅や店舗併用住宅であれば利用可能です。

賃貸アパート・マンション

規模にもよりますが、賃貸アパート・マンションですと、戸建賃貸住宅のように、オーナーの自宅と併用で住宅ローンを利用するのは難しいでしょう。

多くの場合、アパートローンを利用します。

駐車場

立地条件によりますが、駐車場経営はあまり収益性は高くありません。

どちらかといえばローリスク・ローリターンの活用方法ですから、ローンを組んでしまうと返済だけで収入が消えてしまう可能性が高いです。

手持ちの資金で始めるケースが多いのが実情です。

強いて言えば、のちほどご紹介する日本政策金融公庫からの融資が利用できそうです。

トランクルーム

一般的にはレンタル収納事業への融資は、コンテナに担保価値がないため受けることが難しいです。

しかし、オリコ「店舗設備ローンサービス」のように、トランクルーム経営に対応している商品もあります。

また、日本政策金融公庫も利用できる可能性があります。

太陽光

太陽光発電については、銀行や信販会社がソーラーローンという商品名で取り扱っています。

太陽光発電システムを販売している会社と提携しているソーラーローンを利用するのが一般的です。

土地活用で受けられるローンにはどんな種類がある?

公的ローン

公的ローンには住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)や日本政策金融公庫(JFC)、各自治体が独自におこなう融資などがあります。

公的ローンは利益重視型ではない分、民間ローンに比べると審査がゆるい傾向にあります。

また長・中期の低固定金利型のため、返済計画が立てやすく、かつ返済負担が少なくてすむのもメリットです。

民間ローンにはない融資条件を設けているため、そういった面では自由度が低く、それ相応の対策を練る必要があります。

住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)

住宅金融支援機構には、新たに賃貸住宅経営をおこなうひと向けの賃貸住宅融資、既に賃貸住宅を経営しているひと向けの賃貸住宅リフォームローン、再開発、マンション建て替えの融資などがあります。

ここでは、新たに賃貸住宅経営をおこなうひと向けの賃貸住宅融資をご紹介します。

子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資

子育て世代に適した省エネルギー性能の高い、良質な賃貸住宅を建設する場合に利用できます。

返済期間は最長35年で、35年固定金利または15年固定金利を選択することが可能です。

15年固定金利を選択した場合は、15年経過した時点で適用金利の見直しがおこなわれます。

【建物の主要条件】

延べ面積:
賃貸部分の延べ面積200㎡以上

敷地面:
165㎡以上

1戸あたりの占有面積:
原則50㎡以上の2LDK以上

建て方:
共同建て、重ね建てまたは連続建て

構造:
耐火構造または準耐火構造

機構の技術基準:
断熱等性能等級4でかつ1次エネルギー消費量等級4以上の住宅、または、 建築物エネルギー消費性能基準に適合する住宅

戸数制限:
なし

サービス付き高齢者向け賃貸住宅融資

「サービス付き高齢者向け住宅」として登録する賃貸住宅を建設する場合に利用できます。

返済期間は最長35年で、35年固定金利または15年固定金利を選択することが可能です。

15年固定金利を選択した場合は、15年経過した時点で適用金利の見直しがおこなわれます。

【建物の主要条件】

延べ面積:
賃貸部分の延べ面積200㎡以上

敷地面積:
165㎡以上

1戸あたりの占有面積:
[一般住宅型]25㎡以上、[施設共用型]18㎡以上

建て方:
共同建て、重ね建てまたは連続建て

構造:
耐火構造または準耐火構造

住宅の規格および設備:
[一般住宅型]各居住部分にキッチン、トイレ、収納設備、洗面設備および浴室を備えた住宅
[施設共用型]次の要件をいずれも満たす住宅
・各居住部分にトイレおよび洗面設備を備えた住宅
・共用部分に共同して利用するための適切なキッチン、収納設備または浴室を備えることによって、各居住部分にキッチン、収納設備または浴室を備えていない住宅

機構の技術基準:
接道、断熱構造、配管設備、区画、床の遮音構造、空地の確保およびバリアフリー構造に関する基準あり

戸数制限:
なし

日本政策金融公庫(JFC)

日本政策金融公庫は100%政府出資の政策金融機関で、中小企業への資金支援として多くの融資制度を取り扱っています。

土地活用に向いているものとしては、小規模企業向けの小口資金や新規開業資金の融資をおこなう「国民生活事業」のなかの、新企業育成貸付、企業活力強化貸付があります。

賃貸住宅に限らず、コンビニエンスストアやコインパーキングなどの経営であっても、一定の要件を満たせば低金利で融資を受けることができます。

また、社会的弱者(若者・高齢者・女性)にも積極的に融資をおこなっているので、民間金融機関では融資を受けられなかったひとでも、融資を受けられる可能性があります。

【例】

新規開業資金

新たに事業を始めるまたは事業開始後おおむね7年以内の場合に利用できます。

使途:
新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金

融資限度額:
7,200万円(うち運転資金4,800万円)

返済期間:
[設備資金]20年以内<うち据置期間2年以内>、[運転資金]7年以内<うち据置期間2年以内>

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性または35歳未満か55歳以上で、新たに事業を始めるまたは事業開始後おおむね7年以内の場合に利用できます。

使途:
新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金

融資限度額:
7,200万円(うち運転資金4,800万円)

返済期間:
[設備資金]:20年以内<うち据置期間2年以内>、[運転資金]7年以内<うち据置期間2年以内>

自治体融資

都道府県、市町村独自にその地域の事情に合わせた融資制度を設けています。

一定期間その地域に住んでいることや、事業所があること、その地域の業者を利用することなどの条件が設定されています。

【例】

千葉県県制度融資(創業資金)

千葉県内で新規開業をしようとするまたは創業後5年未満の場合に利用できます。

要件:
事業所の場所が千葉県内であること

使途:
設備資金、運転資金

融資限度額:
2,500万円(認定特定創業支援を受けた方は3,000万円)
(※独立開業の場合、+2,500万円)(運転資金は1,500万円まで)

返済期間:[設備]7年以内、[運転]:5年以内

民間ローン

「民間ローン」とは、民間の金融機関が取り扱うローンです。

銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、生命保険会社、損害保険会社、ノンバンクなど多くの金融機関が様々なローン取り扱っており、金利、融資条件、サービスも多種多様です。

例えば、賃貸住宅向けのローンでは、住宅ローンのほかに「アパートローン」があります。

「アパートローン」とは、賃貸を目的としたアパートやマンション、戸建住宅などを購入・建築するための費用を融資する商品です。

アパートローン、賃貸ローン、不動産投資ローンなどさまざまな名称で呼ばれています。

一般的に公的ローンに比べ民間ローンは、金利が高めで審査も厳しいのですが、土地の立地条件や事業計画に大きな収益が見込めれば、少ない自己資金で(極論を言えば自己資金ゼロでも)融資を受けられる可能性があります。

土地から、より多くの利益を生み出すことが土地活用の主目的ならば、リスクをとってレバレッジ効果を狙うことも可能です。

金利タイプは全期間固定金利型、変動金利型、固定金利選択型の3種類があります。

全期間固定金利型は契約時点で金利が固定されるタイプ、変動金利型は年に2回金利の見直しが行われるタイプ、固定金利選択型は契約から一定の期間は金利が固定され、期間終了後、変動金利型または固定金利選択型を選択するタイプです。

金融機関によっては、取扱いが変動金利型のみの場合もあります。

返済期間は1年以上30年以内が一般的です。

民間ローンの種類は「提携ローン」と「非提携ローン」の2種類です。

提携ローン

銀行、生命保険会社、損害保険会社、ノンバンクなどが建設業者や住宅メーカーと提携したローンです。

審査がとおりやすい、金利が優遇されるなどのメリットがあります。

非提携ローン

利用者が金融機関に直接申込むローンです。

金融機関を自由に選べるので、自分に合ったローンを探すことができます。

元々取引のある金融機関であれば、提携ローンよりスムーズに手続きができる上に、金利も優遇されるかもしれません。

融資を受けるために必要な準備

土地の鑑定額を出しておく

融資を受けるにあたり、所有している土地の正確な価値を把握しておく必要があります。

土地は担保になりますから、いくらぐらい融資を受けられるのか、資金計画を立てる上で重要な目安となります。

不動産の価値は、「不動産鑑定評価」を受けることで確認できます。

「不動産鑑定評価」とは、土地や建物といった不動産の経済価値を、一般的要因、地域要因、個別要因を考慮しながら、複数の不動産鑑定評価方式を用いて総合的に判定し、その結果を価額表示することです。

不動産鑑定評価ができるのは、国家資格である「不動産鑑定士」を取得した専門家のみです。

具体的には、不動産鑑定事務所に依頼して実施します。

必要となる物を準備する

融資のためのローン審査を受けるには、どのような書類を用意しておけばよいのでしょうか?

借入れ希望額が大きいほど、審査も時間をかけておこなわれます。

もし提出書類に不備があれば、そこで一旦審査がストップしてしまいます。

何度も再確認や手直しをおこなうなら、時間が無駄になるだけでなく、金融機関への印象も良くありません。

はじめから、きっちり不備なく揃えることを心がけましょう。

【アパートローン申し込み時必要書類例】

  • 本人確認書類(運転免許証・保険証・パスポートいずれか)
  • 収入証明書類(確定申告書または源泉徴収票の直近3年分)
  • 所有資産を証明する書類(預金通帳・固定資産税課税明細書など)
  • 他に借入れがある場合はローン返済表
  • 事業計画書
  • 不動産登記簿謄本
  • 公図
  • 建物図面
  • 地積測量図
  • 固定資産評価証明書・関係証明書
  • 工事請負契約書
  • 工事見積書
  • 建築確認通知書

以下に、アパートローンの申請時に必要とされる書類の一例を記します。

金融機関によって必要書類は異なります。

詳しい内容は、必ず申し込みをする各社に問い合わせをして確認するようにしてください。

まとめ

土地活用に利用できるローンは実にさまざまな種類があることがわかりましたね。

とにかくいろいろ調べ、相談して、無理のない資金計画を立てることが肝要です。

土地活用のための資金源には、ローン以外に、自治体が交付する補助金や助成金制度を利用する方法もあります。

例としては、建物の撤去費用の補助やリフォーム資金の補助などが挙げられます。

土地活用はその地域の活性化にも繋がりますので、自治体も制度の利用を推奨しています。

上手に利用すれば、初期費用をおさえて運営を始めることが可能です。

是非検討してみてください。