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投資信託の分配金や売買益。損益通算して節税しよう!

 

投資信託の譲渡益や分配金には税金がかかります。

平成25年12月31日までは軽減税率が適用されており、上場株式等の配当、譲渡所得等にかかる税率は復興所得税を含む10.147%でしたが廃止され、平成26年1月1日より通常の税率に戻り、かかる税率は復興所得税を含む20.315%になりました。

このように、利益に対してかなりの税金がかかるようになり、できるだけ賢く節税することが効率的な資産形成には必要となってきています。

ここでは、株式投資信託の税金のかかり方や、損益通算をしてできるだけ税金を抑えるためのやり方について見ていきましょう。

目次

投資信託には株式投資信託と公社債投資信託の2種類がある

投資信託には二種類あり、「公社債投資信託」と「株式投資信託」に分けられます。

「公社債投資信託」は、安全性が高い公社債を中心に運用する投資信託で、「株式を一切入れない」とされており、値動きが大きい株式を入れないので安定した収益を確保することができます。

「株式投資信託」は株式を対象に投資を行うが、公社債を組み入れることも許されていて、その市場の状況によって公社債の割合が株式よりも多くなったりしてもよいとされています。株式と公社債どちらも組み入れることができ、自由度が高い投資信託です。

今まではこのふたつのタイプの投資信託で、税金のかかり方に違いがありましたが、平成26年1月より税制が一本化され、株式投資信託と公社債投資信託の税の違いがなくなりました。

公社債投資信託の売却(償還)損益や利子や分配金にも20.315%の税金がかかります。

そして、今までできなかった上場株式等との損益通算ができるようになったので、節税することも可能になっています。

今までは公社債投資信託は別扱いで、株式や株式投資信託で損失がでていても損益通算ができず、公社債投資信託の分配金や解約・償還益には税金がかかっていましたが、平成26年1月からは損益通算できるようになりました。

よって、他の金融商品において損失が出ていた場合には、損益通算すると税金がかからない場合があり、税制改正後は節税が可能です。

投資信託の解約時、売却益には税金がかかる、その計算方法は?

投資信託の売却益には税金がかかります。投資信託の売却額から、取得価額や手数料をひいた残りの額に20.315%(所得税15%、住民税5%、復興所得税0.315%)の税金がかかってくるのです。

約2割引かれてしまいますので、大きい額となっています。

投資信託の分配金には税金がかかる、その計算方法は?

投資信託の分配金には「普通分配金」と「特別分配金」があります。

「特別分配金」は、投資信託の個別元本から払い戻された分配金のため税金はかかりません。

税金がかかるのは「普通分配金」で、分配金に20.315%の税金がかかります。

分配金は受け取るときに「源泉徴収なし」の口座であっても強制的に源泉徴収されます。受け取った時点で既に税金が引かれています。

投資信託の分配金なしの場合、税金は?

分配金を出さない方針の投資信託や、運用状況が悪くて分配金を出せない投資信託などは分配金が出ないことがあります。

この場合、分配金が出ないわけですから、税金もゼロということになります。

投資信託の分配金を再投資するとき、税金はかかる?

投資信託の分配金にかかる税金は、源泉徴収あるなしの設定にかかわらず、強制的に徴収されることになっています。

よって、再投資するときは「税金が引かれた後の額」で買いましすることになります。

損益通算して、分配金での税金が払いすぎていた場合は、現金で還付されることになります。

投資信託の税金を引かれるタイミングはいつ?

投資信託の税金を引かれるタイミングとしては、現金を受け取る時ですが、使っている証券会社の口座が「源泉徴収あり」か「源泉徴収なし」でかわってきます。

証券会社の口座には「特定口座・源泉徴収あり」「特定口座・源泉徴収なし」「一般口座」の3つの種類の口座があります。

証券会社の取引口座が「特定口座・源泉徴収あり」の口座だと、投資信託の売却益から20.315%引かれた額を受け取ります。

「特定口座・源泉徴収なし」の口座だと、税金は自分で確定申告して納めることになっていますので、売却額から税金を引かれていない額が受け取れます。税金は確定申告をして収めます。

「一般口座」でも同様に、自分で確定申告をすることになっていますから、税金が引かれていない、そのままの額が受け取れます。ここでも税金は、確定申告時に収めます。

ただし、分配金(普通分配金)に関しては、源泉徴収あるなしにかかわらず、強制的に20.315%が引かれた後の額を受け取ることになります。

もし、損益通算で損失の方が多かった場合は、分配金から強制的に徴収された税金が戻ってきます。

「源泉徴収あり」の口座の場合は、自動的に特定口座に還付されます。

「源泉徴収なし」の口座や「一般口座」では、確定申告後、払いすぎていた場合は税金が還付されます。

投資信託の税金は、確定申告すると損益通算できる

投資信託の売却益や分配金にかかる税金は、他の投資信託や株式の売却益・損や配当等と損益通算できます。

「特定口座・源泉徴収あり」の場合は、証券会社が損益を自動で計算してくれます。年間を通して、税金を払いすぎていた場合は特定口座に還付されます。確定申告の必要はありません。

「特定口座・源泉徴収なし」の場合は、自分で確定申告をして、損益通算する必要があります。

証券会社ごとに特定口座を持っている人もいるかと思います。このような場合も、確定申告を行うことで、それぞれの特定口座の損益を合算することができます。

「一般口座」の場合も、自分で確定申告が必要です。一般口座の利用者は少数派ですが、1割ほどいるとされています。

「特定口座」は年間報告書を証券会社が作ってくれるため、手間が大幅に省けます。

そのような理由から、ほぼ9割の人が特定口座を利用していると言われていますが、特定口座は「国債や社債の取引には対応していない」というデメリットがあります。

国債や社債の売買をしたい人は、一般口座を使うしかないので、利用者もいますが、一般的には手間がかからない特定口座を使うことをおすすめします。

確定申告で損失を3年繰り越せる

年間の損益がマイナスで終わってしまった場合は、確定申告をするとその損失を3年間繰り越すことができます。

もし、本年度100万の赤字で終わってしまった場合、確定申告をすると、来年に繰り越せます。

来年の利益が50万円あっても、-100+50=-50 となり、まだ損失が50万円残っていることになるので、税金はかかりません。

そして、その翌年も-50から始めることができます。

しかし、損失の繰越をするためには、源泉徴収ありの人でも確定申告をすることが必要です。

投資信託の分配金の税金も、損益通算でき還付される?

投資信託の分配金や、株式の配当などは、源泉徴収あるなしにかかわらず強制的に源泉徴収されますが、投資信託や株式の取引で損失が出ていた場合、税金は損益通算され、戻ってきます。

「特定口座・源泉徴収あり」の場合は証券会社が計算してくれ、払いすぎていた場合は税金が戻ってきますが、「特定口座・源泉徴収なし」もしくは「一般口座」での取引の場合は、自分で確定申告をして税金を戻してもらいましょう。

投資信託の利益が20万円以下の場合、税金はかかる?

給与所得以外の所得が20万円以下の場合、確定申告をしなくてもよいというルールがあります。

そのため、「源泉徴収なし」の特定口座内で取引している人で、年収2000万円以内のサラリーマンで、株などの所得が20万円以内の人は確定申告が不要で、税金もかかりません。

年収2000万円以上の人は、もともと確定申告をする必要があります。

逆に、「源泉徴収あり」の口座の人は、20万円以下の利益でも自動的に税金が引かれてしまいます。

それでは、自動的に徴収された税金は、確定申告すれば戻ってくるのでしょうか?

答えは「戻ってこない」です。

理不尽に思えるシステムですが、「源泉徴収あり」の口座で、利益が20万円以下の場合に引かれた税金は戻ってくることはありません。

ですから、年間の利益が20万円以下と見込まれる場合は、源泉徴収なしの口座にすることを考えてもよいでしょう。

しかし、1年の利益を見越すことは難しいですから、どちらの口座にするかは悩みどころです。思った以上に利益が出てしまうことがあるからです。

「源泉徴収なし」の口座で取引をしている主婦や学生の人は、利益が38万円以上出てしまった場合、扶養から外れてしまうのです。

こうなると、様々な控除がなくなり、配偶者の税金が増えてしまいます。

「源泉徴収あり」の口座のメリットの一つは、どれだけ利益がでても確定申告しなくてもよい、というところにあり、いくら儲けが出ても、扶養から外れることがないのです。

この点において、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」では大きな違いがあります。

20万円以下の利益と見込んで「源泉徴収なし」にしたけれど、株が急騰して60万の利益が出てしまった、といった場合、扶養からはずれてしまいます。

このようなリスクがあるので、特に主婦や学生などは「源泉徴収なし」にする場合は慎重に考えた方が良いでしょう。

年度の切り替え時に「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の変更は可能となっています。しかし、一度取引してしまうと変更ができなくなってしまうので、気をつけましょう。