投資信託では分配型が人気で、いつもランキング上位を占めています。
しかし、基準価額が上がっているのに分配金が少なかったり、出なかったり、ということもあります。
また、分配金をもらってから解約したいけれど、いつまで保有していたら良いのかなど、わかりにくいこともありますね。
ここでは、分配金と基準価額との関係や、解約するときの注意点、再投資するときの手数料など、「分配金の疑問点」を解消していきましょう。
投資信託では分配型が人気で、いつもランキング上位を占めています。
しかし、基準価額が上がっているのに分配金が少なかったり、出なかったり、ということもあります。
また、分配金をもらってから解約したいけれど、いつまで保有していたら良いのかなど、わかりにくいこともありますね。
ここでは、分配金と基準価額との関係や、解約するときの注意点、再投資するときの手数料など、「分配金の疑問点」を解消していきましょう。
基準価格が上昇しているからといって、絶対に分配金が支払われるとは限りません。
投資信託ごとに、分配金に関する方針には違いがあります。
その投資信託の個性といっても良いかもしれません。近年では分配型、とくに毎月分配型が人気でメジャーになっているため、分配金を出さない投資信託はどちらかといえば少数派です。
しかし、きちんとした考えをもって「分配しない」もしくは「年に1度だけしか分配しない」と決めているファンドもあるのです。
ファンドの運用によって運用益が出た場合、分配金を出すと基準価額が減ってしまいますが、分配金なしの場合だと、その運用益をそのまま再投資に振り向けることができます。
将来性のある株式や債券を買い増すことができるのです。
ファンドに投資している私たちの側からみても、分配金を出されずに再投資してもらい、基準価額をあげてもらうほうが得になります。
なぜかというと、分配金(普通分配金)の場合は、支給されたらその都度税金を引かれてしまい、無駄が生じるからです。
基準価額がどれだけ上昇しても、「分配金を出さない」もしくは「年に1回しか分配金を出さない」と決めているファンドも多くありますから、ファンドの分配金に関する方針について、購入前に投資信託説明書をしっかりと確認するようにしましょう。
長期保有の場合、投資信託の複利効果が期待できるため、分配金が出ないタイプの方が有利とされています。
投資初心者がすべてを理解するのは難しいと思いますが、この「分配金に関して」だけは必ず目を通し、方針を理解してからファンドを選ぶことが必要です。
分配金が出ると、基準価額が下がるのは投資信託の通常の仕組みです。
投資信託の総資産額は、投資信託の口数×基準価額です。
分配金を出すということは、その総資産の一部を現金化して放出する、という意味ですから、分配金を出したあとの基準価額は、分配金放出後の総資産額を口数で割ったものになるので、下がるのは当然というのは理解できるのではないでしょうか。
一つ気をつけなければならないのは、基準価額が下がっているのが、分配金を出したためだけなのか、運用のパフォーマンスも悪かったからなのか、ということです。
分配金が出たから基準価額が下がっていても心配する必要はない、と思いがちですが、運用成績が悪く、基準価額が通常よりも下がりすぎているときがあります。このようなときは要注意です。
販売会社にもよりますが、投資信託の分配金を使って、投資信託の買いまし(再投資)をするコースを選べることがあります。
分配金をそのまま受け取るか、分配金を受け取らずにファンドの再投資にまわすかを自分で選ぶことができます。
通常、投資信託の最低口数は1万口1万円からとしているところが多く、そのお金がたまるまでまたなくてはいけません。
しかし、この再投資コースを選べば、1万口以下であっても買いましできるのが利点です。
再投資する場合の基準価額は、通常決算日の基準価額が適用されます。
分配金で投資信託に再投資する場合、手数料はかかりません。
通常は販売手数料として、多い場合だと3%ほどとられてしまいますから、手数料なしに投資信託が買えるのはメリットといえます。
しかし、分配金が普通分配金だった場合、利益が出たと見なされて税金がかかってしまいます。
税金が引かれた後の額が再投資にまわされます。
分配金についても、「一部は普通分配金で、その残りが特別分配金」、というふうに分かれている場合もあります。
その場合は、普通分配金からは税金が引かれた分が、特別分配金はそのままの額が投資信託に再投資されます。
決算日前日に投資信託を解約した場合は、分配金をもらえる場合ともらえない場合があります。
投資信託を売る場合の値段が、「解約申し込み日当日の基準価額をベースにするもの」と「解約申し込み日翌日の基準価額をベースにするもの」に分かれているからです。
どちらの基準価額をベースにしているかに関しては、投資信託説明書(目論見書)に書いてありますので確認しましょう。
解約申し込み日当日の基準価額をベースにしている場合、前日に解約した場合、その日に解約完了してしまいますので、翌日の決算日当日には「投資信託を保有していない」こととなり、分配金はもらえません。
逆に、解約申し込み日翌日の基準価額をベースにしている場合、前日に解約申し込みをしても、ベースとなる基準価額は分配金落ち後の価格になりますので、分配金をもらうことができます。
しかし、分配金を受け取れたから得をしたというわけではありません。
分配金をもらえたということは、解約したときのベースの基準価額は下がっているということですので、注意しましょう。
運用報告書を読んで隅から隅まで理解しよう!と考えても、専門的なことも書いてあり、なかなか難しいところがありますね。
運用報告書はポイントを押さえて、重要な箇所をチェックするのが効率的なやり方です。それでは、どの部分をしっかりと読めばよいでしょうか。
一番重要なのは、「投資信託の設定、解約状況」というところです。設定は、投資信託が購入された数となります。
この状況説明のところで、急激に解約が増えている場合は要注意です。
相場が下降トレンド入りするときは解約が発生しやすく、多くの解約が出ると投資信託の総資産も減り、解約金を出すために、多くの株式や債券を現金化する作業に追われます。コストも多くかかります。
このようなことで、運用パフォーマンスが急激に悪化していく場合もあるのです。
運用報告書を見て解約状況が多い場合、この投資信託を保有すべきかどうか?ということについて、慎重に考える必要性が生じます。
それでは、設定が多く、人気がある場合は安心していて良いのか?というと、そうとも言えないのが悩ましいところです。
投資信託は、毎月分配型が人気ですが、分配金の出しすぎなどで、運用パフォーマンスが悪いファンドがたくさんあるのです。
証券会社などの担当者が勧めるもの、投資信託ランキングで上位のものが「良いファンド」であるというわけではないのです。人気があるファンドと、高い利益を出している質の高いファンドは、イコールではないのです。
この点を、しっかりと頭に入れておきましょう。
分配金が受け取れるタイプの投資信託を保有していた場合、分配金が出されるたびに「収益分配金ご案内(兼、支払通知書)」というものが送られてきます。
これは、どのように見ればよいのでしょうか。
まず、「分配金を普通に受け取るコース」を設定している場合は、実質受け取れる額が記載されています。
普通分配金の場合は、20.315%の税金を引かれたあとの額が、特別分配金では無税ですからそのままの額が記載されています。
分配金が、普通分配金と特別分配金に分かれて記載されている場合もあります。
500円の分配金のうち、300円が普通分配金で、200円が特別分配金、というパターンもあり、その場合は、二段に分かれてわかりやすく記載されています。この場合も、特別分配金からは税金は引かれていません。
「分配金を再投資するコース」に設定している場合は、新しく買い増しした投資口数が記載されています。
この場合も、普通分配金からは税金が引かれており、その残りの金額で買いましされています。
特別分配金の場合は税金が引かれないので、分配金そのままの額で買い増しした口数が書かれています。
普通分配金と特別分配金の内訳が記載されている場合は、現金で受け取るコースと同様に、「税金を引かれたあとの普通分配金」と「なにも引かれていない特別分配金」の合計金額で投資信託を買い増ししています。
分配金をもらえるかどうかというのは、投資信託の運用方針によりますので、まず購入前に自分の考えをしっかり固めることが大切です。分配金をもらいたいのか、もらわなくてもよいのか。
もらうならば毎月が良いのか、1年に1回が良いのか等を考えます。投資期間も考える必要があります。長期投資ならば分配金なしの投資信託がおすすめです。
投資信託の数は数百もあり、その中から自分にあった投資信託を選ばなければなりません。
しっかりと自分の考えを持ち、そのうえで投資信託を選ぶようにしましょう。