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投資信託の複利効果とは?長期運用では分配金なしファンドが有利!

 

投資信託の複利効果、という言葉を耳にしたことはありませんか?

この複利効果を生かすことが、投資信託の利益を最大限に大きくすることにつながるのです。

シンプルに言うならば、「収益が収益を産む構造」といったところでしょうか。

投資信託においての複利効果とは、「分配金をもらわずに、運用で出た収益はそのままにすることで投資元本が増加し、益々高い運用益を得ることができる」ということです。

複利効果を狙うには、分配金なしの投資信託か、もしくは年1回分配の投資信託を選ぶことが重要です。

それでは複利効果について詳しく見ていきましょう。

目次

投資信託の複利効果は本当?

投資信託の複利効果というものは確かに存在するようです。しかし条件があり、複利効果を実感するには「10年以上の長期投資であること」「基準価格が長期で見て右肩上がりであること」が挙げられます。

短期では上下していても、長期スパンでみると右肩上がりで成長していること、というのが重要な条件となっています。

この条件を満たせば、投資信託の複利効果を享受することができます。

日本では長年株式市場が低迷していましたが、日本を除く世界市場を見てみると、短期的に上下はあっても、長期で見ると右肩上がりの成長を続けています。

このような場合は複利効果が期待できるのです。

日本の株式市場のこれからの成長度合いについては、意見が分かれるところです。

日本という国が大きな借金を抱えていることや、高齢化による社会保障費の増大や、年金不安などの問題などがあり、不安材料が山積みだからです。

複利効果の条件は、「右肩上がりの成長」です。

よって、この複利効果を目指すならば、日本だけを投資対象としている投資信託ではなく、世界中の市場に分散投資しているものを選ぶべきでしょう。

世界の市場に分散投資していれば、ひとつの国の成長率が鈍化しても、他の国の成長でカバーできることもあります。

何より、世界の市場は長期的に見ると右肩上がりで成長してきている、という過去のデータがありますので、日本だけではなく(もしくは日本を除く)世界に投資しているファンドを選ぶことが重要であるといえます。

投資信託の複利効果とは、雪だるま式に利益が加速すること

投資信託の複利効果を得るためには、分配金を受け取らないことが条件です。

受け取るはずの利益(=分配金)をそのまま元本に組み入れることで、次の年はより多くの利益が期待できるからです。

それを毎年続けていくと、基準価額が上昇している場合は雪だるま式に利益が加速していきます。

投資信託で複利効果を得るには分配金なしの投信を

投資信託において、分配金を受け取ってしまうと、その分を投資元本に組み入れることができないので、預金でいう「単利」と同じになってしまいます。

また、分配金を一回受け取ってから再投資しても、分配金から税金が抜かれてしまっていますので、効率は悪くなります。

一番良いのは、分配金を出さないタイプの投資信託を選ぶことです。

分配金が出ないので、無駄に税金を引かれることもなく、利益をまるごと投資元本に組み入れることが可能となります。

しかし、この方法にはデメリットもあります。

もし基準価額が下がってしまったら、今まで出ていた利益もなくなってしまうのです。

もし分配金をもらうタイプの投資信託だった場合、毎月や3ヶ月ごと、1年ごとに分配金を受け取っているわけで、その分の利益確定はできていることになります(普通分配金の場合)。

しかし、分配金なしの投資信託は、利益確定せずにそのまま投資元本に組み入れているわけですから、基準価額が下がるとその分の利益が消えてしまう、ということにもなるのです。

ここの判断が非常に難しいところですが、過去を見てみると、長期運用で、世界市場に分散投資している場合は複利効果が得られているというデータがありますので、長期運用をするならば、やはり分配金を出さない、世界市場に分散投資するファンドで運用することを考えてみてはいかがでしょうか。

投資信託の複利効果のシミュレーション。複利効果は年々加速する?

ここで、株式投資の複利効果を見てみましょう。

まず、初年度に200万円を投資したとします。

毎年10%の利益が出ていると仮定して、一方では毎年値上がり分だけ現金化し、一方では値上がりしても現金化せず、そのまま運用を続けます。

表にしてみると、以下のようになります。

値上がりを現金化する場合。投資信託に置き換えると、普通分配金をもらった場合のイメージです。

1年目 200万円→220万(20万利益を現金化)

2年目 200万円→220万(20万利益を現金化)

とくり返していきますと、10年後には、資産は元本200万円+利益(20万×2)=400万円となります。

値上がり益をそのままにして、10%で運用を続けるとすると、(分配金をもらわないイメージです)

1年目  200万円→220万円

2年目  220万円→242万円

3年目  242万円→266.2万円

4年目  266.2万円→292.8万円

5年目  292.8万円→322万円

6年目  322万円→354.2万円

7年目  354.2万円→389.6万円

8年目  389.6万円→428.5万円

9年目  428.5万円→471.3万円

10年目 471.3万円→518.43万円

となり、複利効果が出ていることがわかると思います。

10年ではなく、20年、30年と運用を続けて、その間値動がりが続いていくならば、相当の開きがでることがわかってもらえるのではと思います。

20年、30年と続けていくと、利益の差はもっと開いていきます。

かのアインシュタインが「人類最大の発明は複利である」と言ったことでも有名ですが、複利効果は確かに存在し、条件を満たせばその効果はかなりのものだと言えるでしょう。

ただ、投資信託の基準価額がずっと右肩上がりで上がることは不可能です。

投資信託に組み入れている株式や債券の値動きは上下しますし、ずっと相場が上がっていくなんて、都合が良いことはありえないと言ってよいでしょう。

しかし、だからこそ、複利効果を求めるならば長期投資ということになるのです。

ある株価のチャートを見てみると、短期で見ると下がっているのに、長期のチャートに変換してみると右肩上がりだった、という経験はありませんか?

株や債券、投資信託の値動きは、長期になればなるほど短期の値動きを吸収し、リスクを軽減してくれるのです。

日本市場の近年の低迷は記録的なので、この法則に当てはまらないのですが、日本を除く世界市場の動きは、この法則に一致しています。長期で見ると、右肩上がりで上がっているのです。

投資信託のインデックスタイプは複利効果が得られる

インデックスタイプの投資信託とは、インデックス、つまり株価指数に連動するように設定された投資信託です。指数連動型は銘柄を選ぶ手間がかからないため、まず、手数料関係が安く抑えられています。

購入時手数料や信託財産留保額が無料のものも多く、コストも抑えられるので長期投資に適しています。

インデックスタイプは指数に連動するように作られていますが、その対象指数は「MSCIワールドインデックス・・・(日本を含む世界の主要国(先進国)の株式を対象とした株価指数であり、日本を含む23の先進国の上場企業で構成されている)」や、「MSCIコクサイ・・・(日本を除く22の先進国の上場企業で構成されている)」などがあり、世界の株式市場に連動するように設定されているものが多いので、福利効果を得るための「右肩上がりの成長」の条件を満たしやすくなっています。

福利効果を狙っていくならば、世界に投資しているものを選ぶことが重要です。

このように、様々な要素を考え合わせると、「世界の市場に分散投資している投資信託」を選び、「長期投資」を行うならば、複利効果を得られる可能性は十分にあります。

毎月分配型の投資信託が人気の昨今ですが、これらのことを踏まえ、分配金なしの投資信託の購入も検討してみてはいかがでしょうか。