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月経不順には病気が潜んでいる?不妊の原因として増加中の症状とは?

 

月経が定期的に来なかったり、全くない時がある。

若い女性の中に多い月経不順ですが、もしかすると病気が隠れているかもしれません。

そんな病気の一つに「多嚢胞性卵巣症候群」があります。

多嚢胞性卵巣症候群は最もポピュラーな排卵障害の病気です。

妊娠を望む女性にとっては注意したい病気のため、しっかりとポイントを押さえて症状がある場合は早期治療を実施しましょう!

 

目次

多嚢胞性卵巣症候群とは?

多嚢胞性卵巣症候群とは排卵障害の一つです。英語の病名「Polycystic Ovary Syndrome」の頭文字をとって、PCOSと呼ばれることもあります。

卵胞は排卵が近づくにつれ成長していきます。一度に10個ほどの卵胞が活性化し、大きさがピークになるとそのうちの一つが破裂し卵子を排出、それが排卵となります。

しかし、その卵胞が成長せずに、卵巣の中にとどまっている状態を多嚢胞性卵巣症候群と言います。

超音波で見ると、たくさんの卵胞が一列に連なっているのが確認できます。その様子をネックレスサインと呼ぶこともあります。

多嚢胞性卵巣症候群は最近では増加傾向にあり、無排卵月経や月経不順、不妊症につながるといわれています。

多嚢胞性卵巣症候群の原因とは?

多嚢胞性卵巣症候群の原因はまだはっきりとは解明されていませんが、視床下部・下垂体から分泌されるホルモン異常や、糖代謝が関わっていると考えられています。

また多嚢胞性卵巣症候群は、かつては卵巣そのものの病気と思われていましたが、生活習慣病との関連があるのではないかということがわかってきました。

糖分や脂肪分の多い食事、運動不足、不規則な生活や運動不足、ストレスなど心当たりのある人は気をつけたい病気です。

主な症状とは?

多嚢胞性卵巣症候群の主な症状は、稀発月経・無月経・無排卵月経などの月経異常がみられることです。

また、肥満も多嚢胞性卵巣症候群の症状の一つといわれています。BMI値が25以上の人は要注意です。

さらに、血糖値のインスリン効果が得られなくなる状態になり、肥満になると糖尿病のリスクも高くなります。

他にも、男性ホルモンの影響で口回りや腕・すねなどの毛が濃くなる多毛、ニキビなども見られます。

多嚢胞性卵巣症候群だと不妊症になる?

多嚢胞性卵巣症候群でも全く排卵がないのか、たまに排卵しているのか、人によって症状が異なるため、不妊になるかどうかはその人の病気の状態によります。

病気に気づかずに、自然と妊娠したというケースも少なくありません。

しかし、多嚢胞性卵巣症候群は排卵がしにくいため、妊娠することが難しくなるのは確かです。

妊活中の人は、いつ排卵するかわからないためタイミング法を取り入れることができません。

そんな時は、排卵誘発剤を用いるなどして排卵を起こせば自然妊娠することが可能です。

多嚢胞性卵巣症候群の治療法

先述した通り、多嚢胞性卵巣症候群の原因がはっきりとわからないため、治療法についても症状そのものを治す方法はありません。

多嚢胞性卵巣症候群の治療は、妊娠の希望の有無とそれぞれの症状に合わせた治療を行うことになります。

今すぐに妊娠を希望する場合は、排卵障害を改善させるために、クロミフェンという排卵誘発剤を使用する方法が一般的です。

すぐには妊娠を希望しない場合は、不足したホルモンを補い、正常な月経周期を起こさせる、カウフマン療法という生理不順や無月経の治療法を行います。

また、BMI値が25以上の人など肥満の場合は、食事療法や運動療法によって減量することで、排卵機能が改善され排卵が起こるようにしていきます。

いずれにしても多嚢胞性卵巣症候群の根本的は難しく、対症療法になります。

治療をやめると再発する可能性は否定できません。

多膿疱性卵巣症候群の予防法

多嚢胞性卵巣症候群は原因がわからないため、予防をすることも難しいです。

しかし、早期発見するために基礎体温を記録したり、肥満にならないために生活習慣を見直したりすることが重要となります。

基礎体温をつける

毎月月経があっても、きちんと排卵しているとは限りません。まずは基礎体温をつけて、排卵しているかどうかチェックしましょう。

3ヶ月続けてみて、自分のリズムがわかればOKです。折れ線グラフが低温期と高温期と二層に分かれていれば排卵していると見ていいでしょう。

一直線に近かったり、ジグザグになっていたら無排卵の可能性が高いです。

無排卵が2~3ヶ月続くようなら婦人科に相談してみましょう。

生活習慣の見直し

多嚢胞性卵巣症候群は肥満や糖尿病との結びつきが強いので、食べ過ぎてしまう人や太り気味の人は生活習慣の見直しが大切です。

タンパク質、ミネラル、ビタミン、食物繊維をバランスよく摂り、運動する習慣をつけましょう。

また、ストレスも肥満やホルモンバランスの崩れにつながります。自分のストレス解消法を見つけ、こまめにガス抜きしましょう。

月経異常と肥満には注意しよう!!

多嚢胞性卵巣症候群のはっきりとした原因はわかっていませんが、月経異常と肥満や糖尿病など生活習慣と結びつきがあるのは事実です。

「月経がないから楽」と放置していると、いざ妊活となった時に治療に時間がかかってしまったり、不妊で悩んでしまうことにもなりかねません。

少しでも月経に変化が見られたら、病院で診てもらいましょう。

また、自分の月経サイクルや排卵を知るためにも、今から基礎体温を測り始めるのもおすすめです。

そして、食べ過ぎや生活習慣の乱れは、自分のからだにとっても良くありません。

まずは、食事方法を見直したり、運動をしたり、生活習慣を見直すなど、身近な所から改善してみてはいかがでしょうか?

参考文献:日本産科婦人科学会「E.婦人科疾患の診断・治療・管理」

参考文献:聖マリアンナ医科大学病院 生殖医療センター 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

参考文献:国立研究開発法人 国立成育医療研究センター 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)