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生理はあるのに排卵しない・・・。不妊にもなる症状の原因と治療法とは?

 

妊娠を望む女性にとって避けて通れない問題、それは無排卵月経です。

毎月生理は来ているけど、排卵していないという無排卵月経。

排卵は目に見えないため、気づかない女性がほとんどです。

生理は来ていたのに、実は排卵がなかったと不妊治療で初めて分かった人も多いのです。

今回はそんな無排卵月経の原因や治療法について見て行きましょう。

目次

無排卵月経とは?

無排卵月経は、生理はあるものの排卵していない状態のことを言います。

女性の体には28日ぐらいの月経周期があり、その真ん中あたりで排卵があります。

排卵後は子宮内膜が厚くなり、妊娠しなければ子宮内膜は剥がれ落ちます。これを月経といいます。

無排卵月経とは、排卵がなく子宮内膜も十分機能しないため、普通の月経とは周期も経血量も異なっている点が特徴です。

卵巣機能が未発達の10代や、閉経前の女性にはよく見られることですが、これから妊娠したい、という女性にとって無排卵は大きな壁となってしまいます。

無排卵月経は自分ではわかりにくい病気です。

なかなか子供ができないという場合は無排卵月経かもしれません。

生理が来ているから大丈夫と思っていても、実際は排卵していなかったということがあります。

排卵していなければ妊娠することはできません。

無排卵月経は放っておくと回復するのが難しくなり、不妊の原因にもなるため早期発見・早期治療が大切になります。

無排卵月経の症状とは?

無排卵月経の症状としては、まず基礎体温の変化が見られないことです。

通常、排卵をしてから月経があるまでの間は、高温期と呼ばれ、基礎体温が0.3℃~0.5℃上昇します。

しかし、無排卵の場合は、このような高温期が見られず、ずっと低温期が続いたり、基礎体温がバラバラだったりします。

また、月経周期や経血量の状態に異常がある場合は、無排卵月経の場合があります。

正常な周期は大体25~38日です。経血量ははかることが難しいですが、20~140gが正常範囲です。

月経周期や経血量には個人差があり、その時のホルモンの状態にも大きく左右されますが、自分の状態が極端に違う場合は無排卵月経を疑ってみましょう。

無排卵月経の症状には下記のようなものがあります。

 

  • 月経周期が24日以内。月に2回月経がある時がある。(頻発月経)
  • 月経周期が38日以上ある。(稀発月経)
  • 月経が2日以内で終わってしまう。(過短月経)
  • 月経時の出血が極端に少なく、ナプキンに少しつく程度の出血。(過少月経)
  • 月経が8日以上続き、経血の量も少なくダラダラ続く。(過長月経)
  • 経血量が多く、ナプキンを1時間おきに変えなければいけなかったり、外出もままならないような状態。親指の先ぐらいの固まりが混じっていることがある。(過多月経)

無排卵月経になる原因とは?

ホルモンバランスの乱れ

排卵や月経はホルモンによってコントロールされています。

卵子が入っている卵胞は、性腺刺激ホルモンのひとつである卵胞刺激ホルモン(FSH)の作用で発育していきます。

それにつれて女性ホルモンの一つ卵胞ホルモン(エストロゲン)も増え、その量がピークになるともう一つの性腺刺激ホルモンである黄体化ホルモン(LH)が分泌され、排卵が起こります。

これらのホルモンの連携が正常に行われていなければ排卵は起きません。

ホルモンは食生活の乱れや冷え、睡眠不足やストレスから多大な影響を受けます。

ホルモンバランスを乱す悪習慣がないか、見直してみましょう。

過度なダイエット

短期間で何キロも体重を落としたり、厳しい食事制限は月経を狂わせる元凶です。

やせたいからと摂取カロリーを控え体に必要な栄養がとれていないと、体は飢餓モードに陥ってしまいます。

飢餓モードの体は呼吸や体温調節など生命維持のための機能が優先され、子孫を残すための生殖機能は後回しにされます。

そうすると、排卵や生理が止まるという状態になってしまいます。

BMI値が18.5以下になると要注意です。減量は1ヶ月に1キロが理想です。

ある程度の脂肪は女性にとっては必要なため、必要な脂肪をキープしながら、筋肉をつけて基礎代謝力を上げるようなダイエットを心掛けましょう。

ストレス

女性ホルモンを分泌するための指令が出るのは、脳の視床下部というところです。視床下部はストレスの影響を受けやすい器官です。

残業が続いていたり、忙しくて睡眠不足になっていることはありませんか?

人間関係や仕事、家庭のトラブルなどで悩んでいませんか?

旦那や恋人と大きな喧嘩をした、なども大きなストレスになります。

そんなときはゆったりお風呂に入る。休日はウォーキングなどの運動をする。アロマテラピーを取り入れてもいいですね。

自分にあったリラックス&リフレッシュする方法を見つけましょう。

激しい運動

ラン女子という言葉がトレンドとなり、マラソン参加やジョギングをする女性が増えました。

そのせいか「マラソンを始めて生理が止まった」という人も少なくありません。

月経不順は、特に長距離の陸上選手や新体操など体脂肪が下がる競技に多く見られます。

健康そのもののようなラン女子やアスリートですが、体を酷使する運動は体脂肪を減らし、無排卵や無月経などの月経不順を引き起こします。

体脂肪は女性ホルモンの分泌を促す大切な役割をもっているため、正常な体脂肪率の20~25%をキープできるように心がけましょう。

このことから、激しいトレーニングは女性の健康に影響を及ぼすことを留意してください。

無排卵月経の治療法とは?

無排卵月経の治療は、妊娠の希望があるかどうかによっても異なってきます。

また、無排卵月経と生活習慣は密接な関係があります。

せっかく治療しても、原因となる生活習慣が改善されていなければ再発する可能性が高いです。

治療と並行して普段の生活習慣も見直すことが必要になってきます。

排卵誘発剤

妊娠を希望しているなら薬を使って排卵を起こす方法があります。排卵を促すホルモンにダイレクトに作用するため、妊活中ではまずこの方法が選ばれます。

副作用はあまり見られませんが、多胎妊娠の確率が高まることもあるようです。

ピルなどのホルモン剤

避妊薬として用いられるピルですが、婦人科系の病気の治療にも使われます。

ピルの中身は女性ホルモンのため、毎日コンスタントに摂取することで女性ホルモンの量が安定し、月経周期も安定します。

今すぐ妊娠したい人には不向きですが、体を正常な月経周期に戻すという点で有効です。

漢方薬

漢方は排卵を起こすといった即効性はありませんが、無排卵を起こしている原因にアプローチするので、根本的な治療が可能になります。

漢方薬はその人の体質にあった薬が処方されます。気になる人は漢方薬局などに相談してみましょう。

まとめ

「生理痛がないから楽ちん」「生理が軽いからいい」と軽くとらえていると、実は無排卵だったり、病気が隠されている場合もあります。

健康な女性は毎月排卵があり月経がくるものです。

ストレスなどで月経が狂うことは普通ですが、2~3ヶ月たっても元に戻らない場合は早めに婦人科に相談してみましょう。

排卵しているかどうかは、自覚症状がある人もいますが、大抵はわからないものです。基礎体温をつけると確実なので、計っていない人はこれを機会に始めてみてはいかがでしょうか。

自分の体のリズムを知ることが、健康につながり妊活への近道となります。

参考文献:さくら女性クリニック 「無排卵周期症」と診断されたら?

参考文献:オムロンヘルスケア 女性のカラダ基礎知識 月経について(排卵について)

参考文献:タケダ健康サイト 生理不順・生理困難

参考文献:後楽堂薬局 漢方お悩み相談室 不妊症 無排卵

参考文献:日本生殖医学会 一般のみなさまへ 不妊症Q&A Q9.排卵誘発剤にはどんな種類がありますか