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トヨタのラウムを売りたい!特徴や買取相場を徹底解説

 

コンパクトカーにもかかわらず、左右の後部ドアがスライド式になっている、他にはない形状だったトヨタのラウムは、人にやさしい設計の車として開発されました。
現在のコンパクトミニバンの先駆けのような存在で、そのコンセプト通り、福祉車両として人気がありました。

そんなラウムの情報を整理しておきましょう。

 

目次

基本情報

新車価格

現在ラウムは販売終了しており、新車を購入するのは不可能です。

そのため参考情報になりますが、ラウムの直近(2011年モデル)の新車価格を紹介しましょう。

  • FF  …… 159.6万円から180.6万円程度
  • 4WD …… 178.5万円から198.5万円程度
型式

ラウムの形式は以下の2つに分かれています。この分類は主に駆動方式の違いだけです。

  • CBA-NCZ20 …… FF
  • CBA-NCZ25 …… 4WD
排気量

ラウムに搭載されているエンジンは「1NZ-FE」という直列4気筒DOHCのエンジンで、初代のヴィッツに搭載されていたものと同じ排気量1,496ccのものです。

左右スライドドアのある見た目からは、1.5Lのエンジンでは少しパワー不足を感じるかもしれません。

しかし、4WD車でも車体重量が1.2t程度になっていますので、普通に走る分には十分なパワーです。

グレード

ラウムにはグレードとしては1種類しかありませんが、幾つかのパッケージ仕様(標準装備が違うもの)を用意してラインナップを広げています。

直近の2011年モデルのパッケージ仕様は、次の4種類でした。

(グレードは「ラウム」の1つ)

パッケージ名 駆動
方式
装備
標準 FF 標準装備
4WD
S Package FF 15インチアルミホイール
エアロパーツ合皮巻きステアリングスマートドアロック6:4分割可動式リアシートなど
4WD
C Package FF スマートドアロック

ミラー・チケットホルダー付きサンシェード

フルファブリックシート

カップホルダー付きアームレスト

赤外線センサー付きオートエアコン

クリーンエアフィルター

6:4分割可動式リアシート

など

4WD
駆動方式

上述しているように、ラウムの駆動方式はFFと4WDの2種類です。

構造上、4WD車の方が重くなりますので、若干燃費が悪くなっていますが、室内空間はFFよりも少し広めになっています。

燃費

コンパクトミニバンの先駆けとなったラウムの燃費は、いまの水準からすれば特筆すべきものではありません。

しかし、販売終了から5年以上経っていると考えると、十分に良い燃費なのかもしれません。

  • FF  …………………… 16.2km/L
  • 4WD …………………… 15.0km/L
ハイブリッド仕様

ラウムには、ハイブリッドモデルはありません。後継車のスペイドにもまだハイブリッドはありませんので、時代が追い付いていないということでしょう。

エコカー減税

ラウムが搭載している「1NZ-FE」エンジンは、「平成17年排出ガス基準50 %低減レベル」を達成しています。

また、ラウム自身も「平成22年度燃費基準」をクリアしていました。

しかし、残念ながら、ラウムは現状のエコカー減税対象車ではありません。

そのため、自動車税、重量税、ともに満額納税する必要があります。

毎年どの程度納める必要があるのか、計算しておきましょう。

(なお、自動車税、重量税ともに、登録初年度から14年目以降に税額が割り増しされ、重量税は19年目以降にも割り増しされます)

経年 自動車
重量税 合計
初年度〜
13年目
34,500円 12,300円 46,800円
14年目
〜18年目
39,600円 15,000円 54,600円
19年目〜 18,900円 58,500円

登録初年度がいつなのかを調べたうえで、売却時期を検討しましょう。

乗車定員

ラウムは、このクラスにしては居住空間がとても広くなっていますが、定員は5名になっています。

そのため、長距離ドライブでも快適に過ごすことができるでしょう。

特に前席ドアはヒンジの取り付け角度をわずかにずらして床側よりも屋根側の方が大きく開くようになっており、乗り降りがしやすくしているなど、使いやすさを追求しています。

そのため、コンパクトカーとは思えない居住性を感じることができます。

ボディカラー

ラウムの最新モデルについては、以下の7色が展開されています。

・パール系 :ホワイトパールクリスタルシャイン

・シルバー系:シルバーメタリック

・その他  :スーパーレッド、ベースオレンジマイカメタリック、ライトグリーンマイカメタリック、ダークブルーマイカ、ライトブルーマイカメタリック

最高出力

エンジンの詳細を見ていきましょう。

上述のように、エンジンはヴィッツと同じ排気量1.5Lの「1NZ-FE」です。

このエンジンの最高出力は、

  • FFが80kW(109ps)/6,000
  • 4WDが77kW(105ps)/6,000

となっています。ミニバンということで少しもの足りなく感じるかもしれませんが、車体重量が1.2tから1.5t程度ですので、普通に乗るにはバランスが良いと考えて良いでしょう。

最大トルク

トルクが高ければ、坂道や高速道路での加速などをスムーズに行えますので、走りやすさという点ではこちらの数値の方が体感に重要かもしれません。

ラウムの最大トルクは「14.1kgm(144Nm)/4,200rpm」(4WDでは、「14.1kgm(138Nm)/4,200rpm」)となっています。

実は、このトルクはヴィッツよりも高く設定されているのです。

車体形状や福祉車両に使われることを考慮して、走り出しの滑らかさを重要視しているということかもしれません。

歴史

ラウムが登場した1997年当時は、「コンパクトミニバン」というカテゴリは存在しておらず、ましてこのクラスの車種で両側スライドドアなど誰も考えませんでした。

そんな挑戦的な車種「ラウム」の歴史を振り返ってみましょう。

1. 登場

1997年、カローラⅡをベースにしたハイトールワゴンとして、ラウムは登場しました。当時、ワゴンRなどの軽自動車の急伸に危機感を抱いた経営陣が、エスティマの成功を背景にして小型のミニバンを世に送り出したといった背景があるようです。

カローラⅡをベースにして使いやすさを追求して作られたラウムは、当時まだなかったコンパクトミニバンというカテゴリの先駆けだったと言えます。

また、当時のコンパクトカーとしては画期的な、ロングホイールベースを採用し、両側スライドドア、リアハッチは跳ね上げ式ではなく左右開口になっているという、斬新かつ使いやすいものに仕上がっていました。

コラム式のシフトレバーやフット式のパーキングブレーキが使われており、運転席は使いやすくなっています。

また、この当時の5ナンバーサイズとしては最大の広さを確保していた車種で、その点も使いやすさの一因と言えるでしょう。

2. ユニバーサルデザイン

2代目のラウムは、「クルマ作りにおけるユニバーサルデザインの追求」をテーマにして開発され、先代の特徴は継承しつつ、居住性と安全性を向上させました。

また、助手席側にはパノラマオープンドア(前席と後席ドアにセンターピラーがない)が採用され、利便性が向上しています。

合わせて助手席側の後部スライドドアはパワースライドドアになっており、いっそう乗り降りがしやすくなっています。

結果、2003年10月にはグッドデザイン賞の中の「ユニバーサルデザイン賞」を受賞しました。

その後、特別仕様車なども登場しましたが、2011年8月でオーダーストップ、10月には販売終了となりました。

ただし、クラスは違いますがアイリスがロングセラーとなっていることでも分かるとおり、このコンセプトの車への需要は高くなっています。

特徴

登場時は挑戦的で珍しい存在だったラウムですが、その機能や使い勝手などで福祉車両としても多数利用されています。実際のユーザーの声には、どんなものがあるのでしょうか?

実際のオーナーやオーナーだった人の声の中から、メリットやデメリットと言えるものを紹介しましょう。

おすすめできるポイント

①車内が広い

このサイズにしてはとても広くて、使い勝手がいいです。

スライドドアも狭い駐車場ではとても便利で助かります。

②使いやすく文句ないです

誰もが感覚的に使えるユニバーサルデザインを意識しているらしく、本当に使いやすいです。

助手席側はピラーがなくてとても広い開口部で、床面の高さも低いため、お年寄りや子供でも楽に乗り降りできます。

おすすめできないポイント

①燃費は普通、でも年間維持費はそれなりに必要

ラウムの燃費はこのクラスとして悪いわけではありませんが、最近の車と比べるとよくありません。

なにより、エコカー減税対象車ではないので、維持費がそれなりにかかってしまいます。

②室内は広いが少し低い

床面積的にはとても広くてありがたいですが、最近の車に比べると天井が低く、狭く感じてしまいます。特にチャイルドシートを設置する場合などは、けっこう厳しいです。

トヨタラウムのオークション相場

※オークション相場についての注意点とお願い

以下の相場価格は買取業者が実際のオークションで落札した過去の買取落札額です。
2017年1月にオークションサイトで調べて算出したものであり、現在の査定価格と完全一致するものではございません。
車を売ろうと考えている方、購入しようとしている方は、あくまで相場価格の目安としてご参照ください。

 

  • 年式:約3年前(平成26年)走行距離:約3万kmの場合

データなし

  • 年式:約5年前(平成24年)走行距離:約5万kmの場合

データなし

  • 年式:約7年前(平成22年)走行距離:約7万kmの場合

25~44万円

  • 年式:約10年前(平成19年)走行距離:約10万kmの場合

1~22万円

まとめ

登場した当初は、珍しい機能で注目を集めたラウムですが、いまとなっては数多くの車に取り入れられている機能も多く、トヨタの先見性が良く分かる車種とも言えます。

特に、ユニバーサルデザインを取り入れた使いやすさを追求した部分は、福祉車両としてのニーズを大きく掘り下げ、いまだに活用されているところを見ることができます。

そのため、中古市場でも一定のニーズがあります。

販売終了してから5年と少しですので、重量税や自動車税の割り増しまでに時間があります。売却するなら、いまのうちかもしれません。