中古車の委託販売とは?保管料がかかる?車買取店と比べてみよう!
これから車の買い替えや、売却を考えているという方は、世の中にはどんな売却方法があり、また、どの方法がもっとも得することができる方法なのか模索していることでしょう。
そして、皆さんは車を手放す方法として一般的な、ディーラーなどでの下取りか、買取店での買取の他にも、オークション代行や委託販売といった方法があることはご存知でしょうか?
そこで今回の記事では、少々マニアックな販売方法である委託販売にスポットを当て、委託販売の特徴や注意点、また、今では車を高く売るための方法としてすっかりおなじみの買取店との違いなどについてお話していきたいと思います。
目次
中古車の委託販売って何なの?
この記事をご覧の皆さんにとって、中古車の委託販売はあまり馴染の無い言葉かもしれませんが、実は買取り専門店が登場する前から行われている歴史のある販売方法なのです。
まずは、委託販売がどういったサービスなのかについて、ご紹介していきたいと思います。
委託販売
委託販売の基本的な仕組みは、車を売りたいと思っているユーザーが、中古車販売店などに車を預け、ユーザーの代わりに販売してもらうということです。
委託された車は、中古車販売店の店頭やホームページ上に並び、通常の中古車と同じように販売されます。
そして、その車が欲しいという人が現れた際には、販売店のスタッフが依頼者に代わって説明や販売を行ってくれます。
詳しくは後述しますが、販売店のメリットとしては仕入れコストをかける必要が無く、在庫リスク抑えることが可能な方法なのです。
対して、ユーザーにとってのメリットは、通常の流通経路に比べて間に入る業者が少くなるため、余計なコストがかからず、その分高価買取や安値購入が期待できる可能性があります。
また、現在は普通の中古車販売と並行して委託販売を受け付けている販売店や、委託販売専門で営業している業者もありますが、その数は少なく、ごく一部の業者に限られています。
委託販売に掛かる手数料は?
委託販売を請け負う業者も、当然商売として成立させなければならない為、当然ユーザーは業者に対して手数料を支払う必要があるのです。
気になる手数料は、業者により異なりますが大きく分けると2パターンあり、1つは、月単位で保管料(展示委託料)と管理料(展示するための維持費)がかかるパターン。
もう一つは、成約時に売却金額の10%前後、または、一律で成約料金より5万~10万円といている業者もあります。
下記の注意点でも触れていますが、委託販売に関するトラブルは後を絶たないため、本当に信頼できる業者かどうかも含め、委託販売で損をしないためには業者選びが大切なのです。
委託販売メリットとデメリットは?
現在、車を売る最も王道とも言える方法は、買取専門店を利用する方法ですが、ここからは、そんな車買取と比較して、委託販売にはどういったメリットとデメリットがあるのかを見ていきたいと思います。
メリット
①買取店よりも高額になる可能性がある
これが委託販売で考えられる、もっとも大きなメリットと言えるでしょう。
上記でも少しお話ししましたが、通常の中古車の流通では、買取店やディーラー、オークション会場、販売店などいくつもの業者が介入します。
そのため、どうしてもそれぞれの業者を通過するたびに、経費を含む中間マージンが発生してしまうため、例えば40万円でかいとりに出した車が80万円で販売されていたなんてことも珍しくありません。
委託販売はそういった業者を挟まず、業者に支払うのは手数料のみとすることで、買取店よりも高く売れる可能性があるのです。
②売値を自分で決められる
委託販売は、ネットオークションのように、いくらで売りたいのかを自分で決めるのが基本となります。
また、販売店に仲介に入ってもらうことで、ネットオークションのようなリスクや、手続きの手間もかかりません。
ただし、当たり前のことですが、自分で決めた売値で売れるのは、あくまで買い手が付いたときだけですので、注意が必要です。
③販売する手間が省ける
既存店の店先や、インターネットなどの中古車情報に掲載されるというのもメリットとの一つと言えるでしょう。
買取店に査定を申し込み、複数の業者に査定を依頼すればある程度の時間と手間がかかります。
また、インターネットなどでの個人売買では、売れるための工夫や各種手続き、最終的な商談などをすべて自分で行わなくてはいけません。
しかし、販売店に委託することによって、販売後の手続きや価格交渉はもちろん、販売店が自分に変わって販売してくれるため、ある程度の手間が省けます。
デメリット
①必ずしも売れるとは限らない
いくら既存の販売店で売ってくれるからと言って、必ず売れるとは限りません。
日本自動車販売協会連合会の発表では、2017年6月単月の軽自動車を含む中古乗用車の販売台数は約274,000台となっています。
そして今現在、中古車を販売している店舗は全国で50,000店を超えていると言われていますので、1店舗あたり平均1か月で5.74台売れているという計算になります。
ただし、これはガリバーやカーネクスト、ビックモーターといった大手企業も含んでいますので、中小規模の店舗が1か月に販売できる台数は、それほど多くは無いことが容易に想像できると思います。
つまり、インターネットを使った個人売買のようなリスクは無いとしても、1か月以内に売れる確率は、決して高いとは言えないのが現状なのです。
②車を預けている間、保管料を徴収される
上記の手数料の項目でお話したように、委託販売を業者にお願いするためには、車を置いておく保管料を支払わなくてはなりません。
つまり、売れない期間が長ければ長いほど売れたときに得られる利益は少なくなってしまうということなのです。
③長期間売れないとストレスになる
なかなか売れず、保管料などのコストばかりかかっていると、日が経つにつれ、損をしているのではないかという精神的なストレスが増していきます。
どこまで粘るべきか、いつ諦めるのが損をしないのかという大きな悩みが常に頭の中にある状態は、精神衛生上あまり良い状態とは言えません。
④販売価格の値下げを進言されることもある
どんなに人気の車種であっても、市場の相場よりも高ければ売れない確率が高くなります。
すると、販売店からは「このままでは売れないかも知れないので、価格を下げませんか?」と進言されるようになるのです。
売り主であるユーザーにとっては、売値を下げればその分利益は減る、しかし、このまま粘ってもコストがかさむだけというジレンマに陥ってしまう恐れがあり、大変難しい選択であることは否めません。
⑤売れないと販売店に安く買い叩かれる可能性あり
販売店の進言通り売値を下げ続けても、長期間売れない状態が続くと、最終的には、今までかけたコストをドブに捨てるつもりで委託販売をキャンセルする。
もしくは、販売店で買取にしてもらい、少しでも損をしないようにマイナスを低く抑えるかという2択になります。
ただ、ここまでくると、そのままマイナスになってしまうことを避けるため、大半の方が販売店での買取を選択するでしょう。
しかし、何度も値下げしても売れない車である以上、委託販売業者で買取って貰える価格は当然安くなってしまいます。
当初希望していた販売価格はおろか、平均的な買取専門店での買取相場よりも、相当低い価格になってしまうことは避けられません。
委託販売の注意点
上記では、委託販売のデメリットについてお話しましたが、もしも、委託販売に挑戦するのであれば、いくつか注意していただきたいポイントがあります。
店側のメリットが大きい委託販売
冒頭でもお話したように、委託販売という方式自体は、買取店が登場する前から存在し、中古車の販売方法としては長い歴史のある方式であると言えます。
しかし、それほどの長い歴史がありながら、委託販売がほとんど普及しないのは、ユーザー側のメリットよりも、店側のメリットが大きくなってしまっているからなのです。
車を売る側のユーザーにとっては、どの方法よりも高く売れるかもしれないというメリットが僅かながらあります。
ところが、当然その分販売価格は高騰するため、結果的にそれほど価格は安くならず、買う側のユーザーにとってはあまりメリットがありません。
さらに、もしも長期間売れなければ、店側に場所代を払わねばならず、いざ買取って貰おうとすると、どうしても低い価格で買取って貰わざるを得ないのです。
しかし、店側にとってみれば在庫を持つリスクが無く、仕入れコストもかかりませんので、メリットはあっても、大きなデメリットはほぼ無いといって良いでしょう。
もちろん、ユーザー側のデメリットを減らす工夫をしている委託販売専門業者もありますが、業界として、まだ有効な方法が確立しているとは言い難い状態なのです。
委託販売にまつわるトラブルもあるの?
真っ当な商売をしている委託販売会社がある一方、あまり健全とは言えない商売をしてしまっている業者が存在するのも事実です。
それほど頻繁に起こっているわけではありませんが、例を挙げると、下記のような事例が報告されています。
- 敢えて売れにくくなるよう高めな値段設定で売りに出すことを勧め、長期間保管料などの手数料を取ろうとする。
- 実際は売れたのにも関わらず、売れた事実を売り主には連絡せず、売り主側が気付いた時には連絡が取れない状態になっていた。
- なかなか売れないため、委託販売をキャンセルしようとしたら、キャンセル料が10万円かかると言われた。