現在、各社から続々とハイブリッド車が市場投入されており、それらの中には先駆者のプリウスにはない魅力のある車種も多数あります。そろそろ、それらに目移りしていたりしませんか?では、いっそのこと売ってしまいましょう。
トヨタのプリウスは中古車市場でとても人気のある車種ですので、売るなら今なのです!
トヨタプリウスの基本情報
車を売るには、まず売る車のことをしっかりと理解しておかなければいけません。
トヨタのプリウスの基本的な情報をまとめておきましょう。
新車価格
2WDと4WDの違いやツーリングエディションなど、装備品の違いもあります。そのため価格に幅があり、以下のような価格帯になっています。
- 2WD …… 243万円から320万円
- 4WD …… 268万円から340万円
やはり、ハイブリッドカーというだけあって、ガソリン車に比べて割高です。しかし、それはそのまま中古車価格にも反映されますので、高額買取の期待ができるということにもなります。
型式
型式は「DAA-ZVW50」「DAA-ZVW51」「DAA-ZVW55」の3種類となっており、次のように駆動方式と充電池の種類で分類されています。
- DAA-ZVW50 …… 2WDでニッケル水素電池
- DAA-ZVW51 …… 2WDでリチウムイオン電池
- DAA-ZVW55 …… 4WD(ニッケル水素電池とリチウムイオン電池のグレードがあります)
排気量
プリウスはすべてのグレードで同じエンジンを搭載しており、排気量は1.797Lとなっています。
グレード
予防安全装置と標準装備品の違いによって、以下のグレードに分かれています。
- Aプレミアムの場合 「Toyota Safety Sense P」+BSPなどの予防安全装置+本革インテリアなど
- Aクラスの場合 「Toyota Safety Sense P」+BSPなどの予防安全装置+合皮インテリアなど
- Sクラスの場合 合皮インテリアなど(「Toyota Safety Sense P」はオプション)
- Eクラスの場合 標準インテリアなど(「Toyota Safety Sense P」はオプション)
ただし、Eグレード以外には、「ツーリングセレクション」が用意されています。
駆動方式
前述しているように4WDと2WDがあります。4WDについては駆動モーターが2台搭載されており、エンジンの動力を伝えているのではなく、直接モーターで後輪を駆動しています。
燃費
グレードおよび駆動装置ごとのカタログスペックは以下のようになっています。基本的に2WD車が37.2km/L、4WD車が34.0km/Lです。
ただし、オプションの状況などで車体重量が変わるため、それによって燃費が変わりますので、ご注意ください。
- Aプレミアム(2WD)…… 37.2 km/L
- Aプレミアム(4WD)…… 34.0km/L
- A(2WD)………………… 37.2 km/L
- A(4WD)………………… 34.0km/L
- S(2WD)………………… 37.2 km/L
- S(4WD)………………… 34.0km/L
- E(2WDのみ)…………… 40.8km/L
ハイブリッド仕様
ハイブリッドカーの代名詞ともなっているプリウスですので、すべてのグレードがハイブリッド仕様となっています。
停車時や発進時、低速走行時はガソリンエンジンを停止してモーターのみを利用することで、スムーズな加速と走行、静粛性、低燃費を実現しています。
ガソリンエンジンは急加速や通常走行時に駆動し、また減速時や制動(回生ブレーキ)時、停車時に駆動用充電池へ充電します。
これらハイブリッドエンジンの動作システムは、トヨタのプリウスが先駆的に実用化したものです。そのため、プリウスは先駆者として洗練された最先端の効率を実現することができているのです。
エコカー減税
プリウスはエコカー減税およびグリーン税制の対象車種です。そのため、すべてのグレードで、自動車取得税と自動車重量税は100%減税(エコカー減税)自動車税は75%程度減税(グリーン税制)となります。
なお、自動車重量税と自動車税については排気量や車体重量で決まりますので、全グレード一定の減額です。
しかし、自動車取得税は取得価格によって変わってきますので、車両価格の違いやオプション費用によって違ってきます。
オプションなしとした場合の、グレードごとの減税額は、以下のようになっています。
対象 グレード |
自動車 取得税 |
自動車 税 |
総減税額 |
A プレミアム |
78,000円から85,000円程度 | 29,500円程度 | 130,000円から137,000円程度 |
A | 70,000円から78,000円程度 | 122,000円から130,000円程度 | |
S | 62,000円から73,000円程度 | 114,000円から125,000円程度 | |
E | 61,000円程度 | 113,000円程度 |
※自動車重量税は上記グレードにかかわらず、22,500円程度の統一で考えています。
乗車定員
プリウスは典型的なコンパクトカーですので、5名乗りです。初期型は後部座席が狭いといった評価を受けていましたが、現在では十分な広さが確保されています。
ボディカラー
エコノミーグレードのEグレードは3色展開、その他のAプレミアム、A、Sグレードについては8色展開、各ツーリングセレクションは9色展開となっています。
9色展開の内訳は、以下のようになっており、人気色は無難なホワイト系、ブラック系、シルバー系です。
- ホワイト系:ホワイトパールクリスタルシャイン、スーパーホワイトII
- ブラック系:アティチュードブラックマイカ
- シルバー系:シルバーメタリック、グレーメタリック、スティールブロンドメタリック
- その他 :エモーショナルレッド、サーモテクトライムグリーン、ダークブルーマイカメタリック
しかし、公式HPやCMなどで紹介されているイメージカラーはエモーショナルレッドとサーモテクトライトグリーンが多く、街中でも映えるものです。
なお、エモーショナルレッドはツーリングセレクションでしか選択できないものですので、戦略的なCM展開だと思われます。
最高出力
エンジンの最高出力だけを見ると72kW(98)/5,200rpmと1.8Lエンジンとは思えない低めの数値になっています。
しかし、プリウスはハイブリッドカーですので、発進時は電気モーターを使っており、思った以上の加速を感じることができるでしょう。
ただし、走行中の再加速についてはエンジン性能がものを言いますので、高速道路での加速時などは物足りないかもしれません。
それでも、それを差し引いて得られる燃費性能と静粛性能は非常に魅力があります。
最大トルク
- エンジン:142Nm/3,600rpm
- モーター:163Nm
この数値が、モーターでの加速性能を如実に表していると言えるでしょう。特に電気モーターの場合はこの数値を始動後すぐに発揮できるため、力強い加速を感じることができるのです。
歴史
1997年に、世界初の量産型ハイブリッドカーとして登場したプリウスは、2017年現在4台目となり、未だにハイブリッドカーの先駆者として高い燃費性能を誇っています。
その歴史を振り返ってみましょう。
1. 登場
1997年に「21世紀に間に合いました」というキャッチフレーズで登場しました。当初の燃費は28km/Lと現在の軽自動車並みのものですが、コンパクトカーとしては画期的な性能となっていました。
そのせいもあって、当時の価格は215万円と高額だったにもかかわらず、発売後の人気は上々で、その後マイナーチェンジを重ねて燃費を31.0km/Lまで向上させています。
2. 2003年、2台目
2003年に大幅なモデルチェンジを行い、ハイブリッドシステムも一新して、燃費性能は35.5km/Lまで大幅に向上させました。
これによりプリウスは名実ともに「エコカーの代名詞」としての地位を確立したと言えるでしょう。
また同時に、このモデルから「EVドライブモード:モーターのみで走る機能」「インテリジェントパーキングアシスト:駐車支援システム」などの先進機能を搭載して未来の車を牽引する車になっています。
この世代からプリウスの基本スタイルが確立しており、最新の新型プリウスのシルエットも、2台目と大きく変わるところはありません。
3. 横展開開始
2009年に2度目のフルモデルチェンジを行い、ボディサイズが一回り大きくなって、エンジンも1.8Lになりました。
大きく、広くなりましたが、燃費性能は38.0km/Lと世界トップクラスの性能も実現しています。
また、このときにガソリンからの充電だけではなく、外部電源からの充電が可能なプラグインハイブリッド車やミニバン車など、プリウスファミリーとも言うべき横展開が開始されています。
4. 車としての原点回帰
エコカーとしての地位を確立してブームを牽引していたプリウスですが、2015年のモデルチェンジでその意向を少し変えています。
そのため、「エコカーの代名詞」から「クルマの代名詞」となるべく、走りにこだわったモデルチェンジが行われました。
重心を下げたスポーティなデザイン、E-Four(4WD)システム、エモーショナルレッドなど目に映えるボディカラーなど、「燃費だけの街乗り車」から「高燃費で走れる車」への方向転換を図ろうという意図が見られます。
特徴
改めてプリウスのメリットデメリットをまとめてみましょう。ネットの口コミも含めて、広範囲から集めたものを紹介します。
おすすめできるポイント
①トップクラスの燃費の良さ
Eグレードの燃費は40.8km/Lという驚異的な数値になっており、実際の燃費での30km/Lに迫るものと思われます。この数値は、ガソリン車では簡単に出せないものでしょう。
②静粛性に優れている
通常ドライブモードでも十分な静粛性ですが、EVドライブモードでは無音です。ドライブ中だということを忘れてしまうほどで、会話や音楽鑑賞に支障を感じることはまったくありません。
③排出ガスが圧倒的に少ない
停車時や低速走行時、減速時などはエンジンが停止しますので、排出ガスが出ません。総じて、ガソリン車に比べると圧倒的に排出ガスが少なくなるのは当然です。
④人気車種のため買取相場が値落ちしづらい
そもそもが人気車種で数ヶ月待ちは当たり前です。その上、高額なため中古車市場でも需要が高く、その分値段が落ちにくいという好循環を生んでいます。
⑤維持費が安い
燃費の高さもありますが、税制措置なども合わさって、維持費の安さが目を引きます。
おすすめできないポイント
①値段が高いわりに内装が安っぽい
エンジンを別にすれば、カローラレベルのグレードの車とも言えます。そのため、最安価モデルでも240万円というのは、高価すぎる価格設定です。
②高速走行時の再加速性能が物足りない
街乗りではまったく問題ありませんが、高速道路などで高速走行中に追い越しなどで加速を行うと、エンジン性能の低さもあって、どうしても物足りなさを感じます。
③後ろが見えにくい
リアデザインの影響もありますが、後部確認が難しいときがあります。バックモニターは必須かもしれません。
トヨタ プリウスの中古車オークション相場
ここまで解説したプリウスですが、オークションではどの程度の価格で落札されているのでしょうか?実際のオークションで落札された過去の買取額を紹介します。
※オークション相場についての注意点とお願い
以下の相場価格は買取業者が実際のオークションで落札した過去の買取落札額です。
2017年1月にオークションサイトで調べて算出したものであり、現在の査定価格と完全一致するものではございません。
車を売ろうと考えている方、購入しようとしている方は、あくまで相場価格の目安としてご参照ください。
- 年式:約3年前(平成26年)走行距離:約3万kmの場合
70~248万円
- 年式:約5年前(平成24年)走行距離:約5万kmの場合
48~186万円
- 年式:約7年前(平成22年)走行距離:約7万kmの場合
29~114万円
- 年式:約10年前(平成19年)走行距離:約10万kmの場合
15~47万円
まとめ
プリウスは、「ハイブリッドカーの先駆者」、「エコカーの代名詞」と代表的な車として地位を未だに揺るぎないものとしています。
そのプリウスの2015年のモデルチェンジでは、新たな方向性を模索していますが、相変わらずの驚異的な燃費性能も発揮しており、人気車種の要素は変わりありません。
もちろん、価格というネックは発売当初から変わらず、未だに最大の弱点となっていますが、それ故に中古車市場での人気も高く、高値での売却も十分に狙えるでしょう。