トヨタ「ハイラックスサーフ」の買取相場は?おすすめポイントまで紹介
ピックアップトラックから生まれたハイラックスサーフは、SUVという言葉がなかった時代に生まれた、SUVの先駆けとも言える車種です。
2009年に販売が終了した今でも、中古車市場で人気のハイラックスサーフについて、特徴や歴史について解説します。
目次
トヨタ ハイラックスサーフの基本情報
トヨタのハイラックスサーフは、2009年8月に日本国内では販売を終了しています。
しかし、中古車市場ではまだまだ流通しており、貴重な大型SUVとしての人気は継続しています。
まずは、2009年当時の最新モデルの情報をみていきましょう。
なお、北米向けモデルとしては「4Runner」という名称で輸出を継続していますが、ここでは国内モデルについて説明します。
新車価格
現在ハイラックスサーフは国内販売が中止されており、新車で購入することはできません。そのため、2009年当時の最新車種の価格を紹介しましょう。
- 4.0L 4WD …… 338.0万円から360.7万円程度
- 2.7L 4WD …… 283.0万円から328.3万円程度
- 2.7L FR ……… 257.0万円から278.6万円程度
大型SUVということもあり、高級車並みの価格帯になっています。そのため、当時はSUVの中でも憧れの車種というイメージだったことでしょう。
型式
日本で販売されていたハイラックスサーフの型式は以下のようになっています。
- CBA-GRN215 …… 4.0L 4WD
- CBA-TRN215 …… 2.7L 4WD
- CBA-TRN210 …… 2.7L FR
排気量
前述しているように、最新のハイラックスサーフには2.7Lと4.0Lの2種類のエンジンのモデルがありました。
パワーで押し切るSUVですので、4.0Lは納得できますが、2.7Lは少し物足りないかもしれません。
しかし、入門車としてはこの程度の方が扱いやすく、駆動方式がFRであれば街乗りで扱うには最適かもしれません。
グレード
ハイラックスサーフのグレードは、以下の3種類がありました。
グレード名 |
排気量 |
駆動
方式 |
SSR-G |
2.7L |
4WD |
4.0L |
SSR-X |
2.7L |
FR |
4WD |
4.0L |
4WD |
SSR-X
Vセレクション |
2.7L |
FR |
2.7L |
4WD |
ハイラックスサーフは、SUVですのでもちろん4WD がベースとなっています。しかし、FRを採用したグレードも存在しているところが、ピックアップトラックから生まれた面影を残しているとも言えます。
また、4WDは状況によってスイッチ1つでFRにも切り替えることができるパートタイム4WDを搭載しており、4WD車でも街中などではFRにして走りを安定させることができます。
SSR-Xがベースサイズで、その廉価版がVセレクション、上級モデルがSSR-Gとなっています。
駆動方式
ハイラックスサーフは、SUVですのでもちろん4WD がベースとなっています。しかし、FRを採用したグレードも存在しているところが、ピックアップトラックから生まれた面影を残しているとも言えます。
また、4WDは状況によってスイッチ1つでFRにも切り替えることができるパートタイム4WDを搭載しており、4WD車でも街中などではFRにして走りを安定させることができます。
燃費
ハイラックスサーフは「4.0Lエンジン」に「1.8tから2.0t弱の重量」、「駆動方式が4WD」と燃費性能にマイナスになる要素が満載で、昨今のエコカーブームとは真逆とも言える構成になっています。そのため、カタログ上の燃費性能でも以下の程度にとどまっています。
- 2.7L …… 8.9km/L
- 4.0L …… 8.3km/L
(※ただし、この数値は10-15モード燃費ですので、市街地での走行を仮定した値です。)
そもそもSUVに燃費を求めるのが間違っているのかもしれません。
ただし、環境性能としては平成17年度排出ガス基準50%低減しており、十分に健闘していると言えるものです。
ハイブリッド仕様
ハイラックスサーフには、ハイブリッドモデルが登場することはありませんでした。
まだまだそこまで至っていなかった時代の車ですし、本格的なSUVにハイブリッドシステムはまだ力不足ということかもしれません。
エコカー減税
ハイラックスサーフの燃費は8.3km/Lそこそこですので、エコカー減税やグリーン税制の対象車種にはなりえません。
自動車税は排気量ごとに、重量税はその名の通り車体重量で決まります。つまり、ハイラックスサーフは、ここでも不利な条件がそろっていることになります。
エコカー減税対象ではありませんので、減税額はゼロです。つまり、ハイラックスサーフの所有者は以下の税金を丸々納める必要があるのです。(1年換算)
経
年 |
自動
車税 |
重量
税 |
合計 |
初年
〜
13
年 |
51,000円
~66,500円 |
16,400円 |
67,400~
82,900円 |
14
〜
18
年
|
58,600円
~76,400円 |
20,000円 |
78,600~
96,400円 |
19
年
〜 |
25,200円 |
83,800~101,600円 |
税金だけで毎年8万円から10万円近くの負担になります。
乗車定員
ハイラックスサーフの定員は5人になっています。
しかし、もともとピックアップトラックに屋根をつけただけですので、実際には2名乗って、荷物を積むだけという使い方の方が快適でしょう。
ボディカラー
ハイラックスサーフのボディカラーは以下の8色展開されていました。(グレードごとに選択できる色は違っています)
- ホワイト系:ホワイトパールクリスタルシャイン
- ブラック系:ブラック
- シルバー系:シルバーメタリック
- その他 :ダークグレーマイカメタリック、ダークブルーマイカ、ダークレッドマイカメタリック、ブロンズマイカメタリック、ライトブルーメタリック
イメージカラーと言えば、シルバーメタリックになるかもしれません。
最高出力
エンジン出力は、以下のようになっており、パワーで押し通す力強さが垣間見えます。
しかし、2.7Lモデルについては、車体が1.8tありますので、少しきついかもしれません。
- 2.7L …… 120kW (163ps)/5200rpm
- 4.0L …… 183kW (249ps)/5200rpm
最大トルク
SUVは悪路が大前提ですので、急峻な道や岩場などでは、力を一気に解放して乗り切る力が必要です。
そのためのトルクを確認しましょう。
- 2.7L …… 25.1kgm(246Nm)/3800rpm
- 4.0L …… 38.8kgm(380Nm)/3800rpm
2.7Lモデルも、最高出力が抑えられている部分をカバーするかのように、力強いトルクを持っていることがわかります。
歴史
ピックアップトラックから派生して生まれてきたハイラックスサーフは、SUVブームの波に乗って本格的な大型SUVへと進化しました。
そんな、ハイラックスサーフについて、その変遷を確認しておきましょう。
1980年代に販売されていたピックアップトラックから派生して生まれた「ハイラックスサーフ」は、トラックに屋根をつけてワゴン化した程度の2ドア仕様でした。
まだSUVという言葉が珍しかった時期に、多用途レジャー用の車種として開発されたため、サンルーフが搭載されており、屋根を取り外して、オープンカーにすることもできたのは特徴的です。
ただし、エンジンは2.0Lで、SUVにしてはパワーが不足しており、後発の日産テラノに性能で後れを取っています。
このモデルチェンジで4ドア仕様が登場して使い勝手が向上しています。また、3.0Lエンジンが導入され、SUVらしいパワーを手に入れています。
2004年、不具合でハンドル操作ができなくなったハイラックスサーフ(1993年製造モデル)が、反対車線へはみ出して乗用車と衝突する事故が起き、5人の重軽傷者が出ました。
これを受け、この時期(1992年から1996年)に製造していたモデルのリコールが行われています。
国内でのSUV人気に火がついた時期で、街中しか走らないにも関わらずSUVを購入する層が増えました。その結果、ハイラックスサーフの販売台数も上がっています。
また、そんな街中をよく走る需要を受けて、廉価版の2.7LエンジンのFRモデルが登場しています。
車としての性能も上がっており、先代まではまだまだトラックらしい乗り心地でしたが、3代目になって、ようやく快適性が出てきています。
販売台数が伸びたこともあって、中古車市場ではこの3代目が多く流通しています。
ランドクルーザー120プラドやFJクルーザーとの共通化が行われたのが、この世代です。
そのおかげで足回りや室内(特に後部座席)の快適性が向上し、トラックのイメージが完全に払拭されています。また、デザインも若者向けのスタイリッシュなものになっています。
ただ、これらの改良の結果、プラドとの同一化が進み、2009年8月にプラドへ吸収される形で販売終了となりました。
特徴
ハイラックスサーフのカタログ上の機能をみてきましたが、ここまでは乗った人でなくてもわかる部分になります。
ここからは、実際にハイラックスサーフに乗ったユーザーが感じたメリットやデメリットを紹介しましょう。
おすすめできるポイント
①SUVらしい丈夫さ
「10年乗っていて1度も故障しない」といった口コミもよく目にします。
そもそもピックアップトラックから派生したこともありますし、本格的なSUVですので、長期間、乱暴に使われることが大前提となっているのかもしれません。
②長距離乗っても疲れない
昨今では珍しくパワーのあるエンジンを搭載していますので、長距離移動でも楽にこなすことができます。
排気量4.0L、250馬力のエンジンがあれば、2.0t近い重量があったとしても、問題にならず、高速走行でも苦もなく滑らかに走り続けます。
パワーがあるエンジンですので、通常の運転で回転数を上げる必要がほとんどありません。そのおかげで、クラウン並みとも言える静かさになっています。