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「日本平均株価」とは何か?株式投資の初心者講座!

 

新聞やテレビのニュースで毎日見聞きする「日経平均株価」という言葉。

何気なく聞き流している人も多いかと思いますが、株式投資をしている人には重要な情報となる指標の一つです。

「日経平均株価」を知らずして株式投資はできません。

しかし、「日経平均株価」とは何かを説明してくださいと言われると、ちゃんとした回答をできる人は意外と少ないのではないでしょうか。

私も学生の時は、何となく分かっているかのように振舞っていましたが、社会人にとってはマストな知識かもしれません。

ましてや日本で投資をする人にとっては、全ての根底にある知識といっても過言ではないかもしれません。

ただ、あまりにメジャーな指標すぎて今さら日経平均株価について質問するのは、社会人として恥ずかしいと思う人もいるでしょう。

そこで、今回は「日経平均株価」について、基礎的な情報から一歩踏み込んだところまでを解説していきたいと思います。

 

目次

日経平均株価とは

そもそも「日経平均株価」とはどのような指数なのでしょうか。

基本的なことから解説していきたいと思います。

①日本を代表する225社の株価の平均

日経平均株価とは、東京証券取引所第一部に上場する約2000銘柄の株式のうち、225銘柄を選定して株価の平均値を算出しています。

そのため、日経平均株価は「日経225」とも言われます。

日本経済新聞社が銘柄の選定や数値の算出を行っているため、「日経」平均株価という名前がついているのは、日本経済セイン文社が銘柄の選定や数値の算出を行っているためです。

②定期的に銘柄の入れ替えがある

そもそも日経平均株価に採用される225の銘柄は、様々な業種の中から日本経済のバランスや実態を考慮した上で、取引が活発に行われている銘柄が選定されます。

そのため、取引量が少ない(流動性が低い)銘柄は、取引量が多い(流動性が高い)銘柄へと入れ替えが行われます。

また、時代の潮流を考慮した入れ替えなども行われます。

現在では、毎年1回の「定期見直し」で10月初めに構成銘柄の見直しが行われます。

入れ替えが無い年もありますが、原則として採用銘柄から除外があった場合には、同じセクターから臨時的に補充が行われます。

③株価は単純平均ではなく修正平均で計算

日経平均株価の計算方法は、採用されている225銘柄の株価を合計して225で割れば算出されるような単純平均は用いられていません。

特殊な方法(ダウ式平均)を用いて修正平均株価を算出しています。

ダウ式平均とは、アメリカのダウ・ジョーンズ社が考案した計算方法です。

単純平均を用いていると、増資新株の権利落ち等で市況変動以外の要因で株価に変動があった場合に、指標としての連続性が失われてしまうという問題が起こってしまうのです。

④修正平均とは?

通常、平均株価というと、例えば1,000円と1,500円と2,000円の3銘柄の平均株価を算出する場合、

  • (1,000円+1,500円+2,000円)÷3=1,500円

というように算出します。

これは、いわゆる「単純平均」の計算方法です。

ただし、この「単純平均」では株価を時系列で見ることができなくなります。

つまり、指標の連続性が失われてしまうのです。

例を挙げて見てみましょう。

 

1500円の株価の会社が「株式分割」を行い、1株を2株に分割したとします。

すると、株価は1/2に修正されますので、株価は750円になります。

先ほどの「単純平均」のケースにあてはめて考えてみますと、

  • (1,000円+750円+2,000円)÷3=1,250円

になってしまいます。

この場合、株価は半分になっていますが、株数は2倍になりますので、会社の株式の時価総額は変わりません。

実質的に株価が値下がりしているわけではないのです。

そこで、株式分割により750円となった株価をもとの1,500円へと戻すような計算方法が行われることで、指数に修正を加えます。

日経平均株価はこのような特殊な株価の変化を考慮して修正し、株価の連続性を失わせないようにしているのです。

日経平均株価の歴史

日経平均株価は1950年9月7日、東京証券取引所により算出が始まりました。(1949年5月16日の単純平均株価176円21銭を基準として算出開始)

当時の名称は「東証平均株価」といい、通称で東証ダウ平均と呼ばれることもありました。

1969年、東京証券取引所は東証一部全上場銘柄の時価総額に基づいて計算する東証株価指数(TOPIX)の算出を開始します。

1970年に東証は「東証平均株価」の算出を取りやめました。それに伴い、日本経済新聞社グループが算出・公表を引き継ぎます。

翌年の1971年には指数の名称を「NSB225種平均株価」として算出・公表を開始。

1975年5月には、日本経済新聞社とダウ・ジョーンズ社が独占契約をし、指数の名称を「日経ダウ平均株価」に変更しました。

そして、その10年後の1985年5月に、現在の「日経平均株価」へと名称が変更されました。

英語での名称は「Nikkei225」で、今は日本の株価指数を代表する指数として知られています。

日経平均株価から得られる情報

日経平均株価は日本を代表する指標の一つですが、日経平均株価の動きを観察することで、どのような有用な情報を得ることができるのでしょうか。

①日本株のトレンドを読み取れることができる

日経平均株価が上がっているのか下がっているのかは、そのまま日本の株式市場のトレンドを表していると言えます。

日経平均が明らかに下降トレンドの時というのは、平均株価が下がっているわけですから値下がりしている株の方が多いということです。

株式投資で効率よく利益を上げ続けようと考えるなら、日経平均のトレンドを無視し続けるのは困難であると言えるでしょう。

日経平均株価が上昇トレンドの時は、上がっていく銘柄が下がっていく銘柄より多いわけですから、必然的に勝率も上がります。

株を買う前に、

はよく確認しておく必要があると思います。

②日経平均株価を予測することで今後の投資戦略を練る

前項で述べた通り、日経平均株価は日本の株式市場のトレンドを表しています。

日本の株式市場が、上昇トレンドの時と下落トレンドの時でどちらが利益を出しやすいかというと上昇トレンドの時だと思います。

信用取引で空売りができる方は少し話が違ってきますが、投資の手段を「買い」しか持ち合わせていない投資家の場合、当然上昇トレンドで勝負した方が利益を出しやすいでしょう。

ここから日経平均が上がると確信を持つことができれば、株式投資も積極的なスタンスで臨むことができます。

③日経平均株価を予測するのに役立つ指標

日経平均株価が上がったり下がったりする理由や要因は様々あるのですが、国や官公庁が発表する統計が日経平均に大きく影響を与えたりします。

ここでは予測に役立つ統計を少しだけ紹介したいと思います。

日銀短観

日銀短観とは、「企業短期経済観測調査」の通称です。

その名の通り、「企業の短期的な経済の見通しを調査したもの」という意味です。

日本の中央銀行である日本銀行は3ヵ月ごとに企業への業況調査を行っています。

全国の大企業・中堅企業・中小企業をあわせた約1万社からアンケートを取り集計します。

アンケートの回答率はとても高く、約99%となっています。そのため信頼性も高く、国内外の投資家からとても注目されている指標です。

特に日銀短観から得られる「景気判断指数」(DI)は、他の経済指数では数字で表すことができない経営者が実際に感じている景況感を指数化していることから、日経平均に与える影響も大きい指数となっています。

全国消費者物価指数(CPI)

全国消費者物価指数(CPI)とは、総務省が毎月発表する小売物価統計調査を元に作成される指標で「物価指数」の一つとして重要視されています。

消費者物価指数(CPI)とは、物価全体の動きを指数化したものです。CPIの上昇率を調査すれば、物価の騰落を把握することができます。

この指標は、「経済の体温計」とも呼ばれており、重要な統計です。

現在の物価がどうなっているのかというのは何においても必須で、他の経済指標を現在の物価に換算する(実質化する)ためのデフレーター(物価指数)としても使用されます。

更には日本銀行が金融政策における判断材料としても利用される重要指標となります。

「インフレ」「デフレ」を測る指標でもあり、日経平均株価に大きな影響を与える統計の一つです。

米雇用統計

一般的に、雇用統計と言えば、アメリカの米雇用統計のことを指す程、非常に影響力の大きい統計の一つです。

雇用情勢をいろいろな観点でまとめた指標であり、為替の変動にとても大きな影響を与える指標です。

アメリカの中央銀行であるFRB(連邦準備制度理事会)が金融政策を決定するにあたって、最も重視する指標と言われており、為替市場での注目度は非常に高いです。

この指標は米国労働省が毎月第1金曜日に発表します。

雇用統計は、「失業率」や「非農業部門就業者数」、「建設業就業者数」、「製造業就業者数」、「小売業就業者数」、「金融機関就業者数」、「週労働時間」、「平均時給」など10数項目の数字が発表されます。

これらをまとめたものが雇用統計を呼ばれるわけですが、なかでも特に「非農業部門就業者数」と「失業率」の2項目が、特に重要視されています。

雇用統計の数字が良いと、アメリカの経済は順調だと思われ、円安ドル高へと動きます。

日経平均は、円安になると上昇しやすい傾向にある為、日経平均に影響を及ぼすわけです。

日経平均株価が抱える問題点

日本を代表する指数である「日経平均株価」ですが、いくつかの問題点を抱えていると言われています。

日経平均株価が絶対的な指数でないことを知っておくことは大切です。

最後に問題点を理解しておきましょう。

①寄与度上位の株で20%を超える

日経平均株価には寄与度と言われる数値があります。

これは、日経平均の騰落に個別銘柄の騰落が与える影響のことを言います。

日経平均株価が単純平均ではなく、修正平均で求められていることは説明したと思います。

しかし、その平均の計算方法の中に時価総額の比重を考慮した計算が組み込まれていません。

そのため、225の構成銘柄のすべての動きが均等に日経平均に影響を与えるわけではないのです。

つまり、いわゆる「値がさ株」(株価の高い株)の影響を特に受けやすく、「低位株」(株価の低い株)の影響は受けにくいのです。

②日経平均は「ユニクロ」次第!?

この日経平均の「寄与度」のランキング1位、つまり株価が1番高い銘柄がユニクロを運営する「ファーストリテイリング」です。

「ファーストリテイリング」の日経平均へに寄与度は約7~8%です。

日経平均の構成銘柄が225銘柄あることを考えれば、大変高い寄与度であることが分かります。

  1. ファーストリテイリング(7.47%)
  2. ソフトバンク(5.08%)
  3. ファナック(4.28%)
  4. KDDI(3.70%)
  5. 京セラ(2.31%)

が日経平均の構成率ランキング上位5位の銘柄です。

(平成29年1月20日現在)

この上位5位までの銘柄で日経平均の寄与度が20%を超えているのです。

このことから、海外の投資家からは「日本経済を正しく表していない」、「歪んだ指数である」などと批判されており、東証株価指数(TOPIX)の方が重視されている現状があります。

しかし、日本国内では依然としてTOPIXよりも歴史の古い日経平均株価の動向が重要視される傾向にあります。

まとめ

株式投資をする上で「日経平均株価」は基礎的な知識です。

基礎的な知識であるからこそ、意外と深く知る機会は少ないと言えます。

いくつかの問題点を抱えながらも、日本国内では注目している投資家は圧倒的に多いと言えるでしょう。

そのため、日経平均株価の動向は日本国内で投資をする上では常にチェックしておかないといけない指標となっています。

また、「個別銘柄に投資をするのは難しくてどうしても成果を出すことができない」という方は、日経平均株価を極めることでも利益を挙げることができます。

例えば、日経平均に連動するETFを購入すれば、日経平均が上がるかどうかを予測するだけで投資をすることができます。

「たかが日経平均株価」と思うか、「されど日経平均株価」と思うかで投資の腕に差が出てくるかもしれません。

いま一度基礎に立ち返ってみてはいかがでしょうか。