平成27年度に贈与税が改正され、贈与税率が実質アップとなりました。また、贈与する側が直系尊属であるか、そうでないかによって税率も二つに分類されました。
贈与税は、相続税逃れを防ぐために相続税よりも税率が高く設定されています。
ここでは、贈与税についてや、実際に贈与を受けた場合、どれくらいの贈与税を支払わなければならないのか、ということについて実際に計算しながら解説していきます。
まず、基礎控除を引かなくてはならないのですが、基礎控除は贈与の件数ごとではなく、一人につき110万の控除となっています。
よって、まず両方の金額を足し、そこから基礎控除分を引きます。
400万円+100万円―110万円=390万円
ここから、両者を計算します。
(390万円×15%―10万円)×(5分の4)=48万5000円×(5分の4)=38万8000円
390万×20%―25万円)×(5分の4)=10万6000円
と、このように計算します。
税金は合計して、38万8000円+10万6000円=49万4000円 となります。
贈与税は税率が高く設定されていますが、高齢者の財産を早い時期に若い世代に渡して、お金を使ってもらおうと政府が考えているため、景気刺激策として、様々な非課税制度が設定されています。
例としては、住宅資金贈与の非課税枠、教育資金一括贈与の非課税枠、贈与税の配偶者控除、相続時精算課税制度、結婚や子育て資金の一括贈与の非課税制度などが挙げられます。
これらの非課税枠を賢く活用すると、節税対策、相続対策になる場合もあります。
しかし、どの制度にもメリットとデメリットがありますので、利用する際には慎重に考えることが大切です。
日本ほど相続税が高い国はあまりなく、相続税と贈与税が高いことが日本の特色とも言えるかもしれません。
国が相続税を高く設定している理由としては、富の集中を防ぐため、また、一生懸命働いて得たお金と、何の苦労もなく親から引き継いだお金とを同じ税率にしないためでもあります。
両方が同じ扱いだと、一生懸命働くことの価値が損なわれるといった考えがあるからです。
贈与税、相続税ともに最高税率は55%ですから、富裕層にとって見れば理不尽にもうつるこの制度ですが、平成27年度の改正によって相続税、贈与税の税率が実質アップしたことからもわかるように、政府の姿勢としてはこれからも、資産を多く持つ人に対しては高い税率を掛けて税金を徴収する意向のようです。
贈与税や相続税の仕組みをよく理解し、できるだけ節税ができるように考えていかなければならない時代であるといえるでしょう。