ストレスで10円ハゲができちゃって…と山本太郎さんが語っていたことは記憶に新しいでしょう。
これは円形脱毛症と呼ばれる病気ですが、どうして一部だけ髪が抜けてしまうのでしょうか?
また、本当にストレスだけが原因なのでしょうか?
今回は、男性も女性も気を付けたい円形脱毛症について紹介します。
ストレスで10円ハゲができちゃって…と山本太郎さんが語っていたことは記憶に新しいでしょう。
これは円形脱毛症と呼ばれる病気ですが、どうして一部だけ髪が抜けてしまうのでしょうか?
また、本当にストレスだけが原因なのでしょうか?
今回は、男性も女性も気を付けたい円形脱毛症について紹介します。
円形脱毛症というくらいだから、円形に髪が抜けていくのかというと、そうでもありません。
あくまで、髪の毛の一部が抜け落ちてしまうことを円形脱毛症というのです。
この症状が単純な抜け毛と違うのは「局所的に髪が抜ける」という点です。
円形脱毛症になると、髪の毛が抜けた部分は本当に禿げて、地肌が見えるようになります。
これは、薄毛やAGAとも違います。
さらに、円形脱毛症は爪に溝や凹みといった変化がみられるのも特徴です。
円形脱毛症にかかる人は1~2%と言われており、人種や性別などの要素で発症率に影響が見られ辛いのも特徴です。
つまり、原因がそろえば女性や子供も円形脱毛症にかかるというわけです。
一応、年齢で見れば30代以下に多い傾向があります。
ただし、円形脱毛症は毛根が休止するだけで死滅する病気ではありません。
しっかり治療・対策をすることで髪の毛がちゃんと生えてきます。
つまり、脱毛によって頭頂部などが禿げてしまうこととは性質が全く違うのです。
円形脱毛が一つみられるケースのことを言います。
10円ハゲと形容される割には500円玉ほどの大きさになるのが一般的です。
単発型は軽症である証なので、殆どは治療を受けなくても自然完治します。
単発型の円形脱毛がいくつもできる症状を多発型といいます。
単発型よりも侵攻した状態で、多い人では数10か所に脱毛斑が見られます。
脱毛斑が隣接すると大きな脱毛斑になります。
この状態は慢性化する傾向があり、放っておくと治療がしづらくなります。
できれば3年以内に治療することが望ましいです。
円形脱毛症は必ずしも円形とは限りません。
不規則な形で脱毛することもあります。
生え際にそって帯状の脱毛斑がみられます。
かなり特殊で、症例が少ないために治療が難しくなるのが現状です。
円形脱毛症が進行するとすべての髪が抜け落ちてしまいます。
この状態からの回復は難しく、目立つことも考えられます。
この状態に置ける治療は難しいですが、根気よく治療を続けることが求められます。
また、女性の場合はウィッグの使用も考えられます。
男性では、あえてスキンヘッドのまま生活している人もいます。
頭髪以外の毛も抜け落ちてしまう症状のことを言います。
時には入院することも必要とされ、最も回復が難しい状態と言われています。
免疫疾患とは、体の誤作動により、必要な細胞を攻撃してしまったり緊急的な反応を引き起こしてしまうことです。
有名なものとしてはバセドウ病や関節リウマチなどが挙げられます。
円形脱毛症においては、免疫機能の誤作動が毛根への攻撃となって引き起こされることが有力な原因と考えられています。
しかし、自己免疫疾患がどのように起きるのかがよく分かっていないこともまた問題です。
円形脱毛症になりやすい遺伝も考えられます。
家族に同様の疾患が観られる、双子でかかる場合もあることなどが、その理由です。
しかし、まだ確定的ではないうえ仮にそうだとしてもどの遺伝子が関わっているのかは分かっていないのが現状です。
ストレスによる円形脱毛症はよく言われますが、これもストレスと円形脱毛症の因果関係はよく分かっていません。
ストレスは血行を悪くすることや神経のバランスを崩すこと、免疫疾患につながることが考えられています。
基本的に、髪が抜けるのは毛根に栄養が行きわたらず、衰えてしまう場合です。
ストレスが髪に良くない以上、円形脱毛症に対してもストレス対策による効果は期待できます。
円形脱毛症にかかる人はアトピーやアレルギー疾患を患っている場合が多いです。
これは皮膚炎だけでなく気管支炎や鼻炎も関わります。
このように、様々な原因のある円形脱毛症を治療するときは皮膚科を受診します。
髪の悩みは頭皮の悩みだからです。
同様に髪の悩みであるAGAも皮膚科の診療範囲です。
まずは、局所的にステロイド注射をすることが考えられます。
ステロイドを注射することで頭皮の免疫機能を抑えられるため、免疫異常の改善が期待されます。
注射である以上は痛みが伴うほか、皮膚萎縮や陥没といった副作用があります。
子供には使われない治療法です。
ステロイド剤と言えばアトピーの塗り薬としても用いられていますが、あれも皮膚が引き起こしている過剰反応を抑えるために塗っています。
よく、ステロイドは危ないという意見が見られますが、結局は量と使い方の問題です。
ステロイドは局所注射や内服薬として用いられるほか、点滴として用いられることもあります。
これをステロイドパルス療法といいます。
点滴は3日にわたって行われます。
発毛効果の高い治療法と考えられていますが、副作用の恐れもあるので子どもに対しては行われません。
また、3日の入院が必要な点も注意が必要です。
免疫機能によって毛根が攻撃されていると仮定すれば、その攻撃対象を別に作ることで毛根への攻撃をやめさせることができます。
そこで、人工的に頭皮をかぶれさせてそちらの治療に免疫機能をシフトする局所免疫療法が用いられます。
使われる薬剤はスクアレン酸ジブチルエステル(SADBE)やジフェニルシクロプロペノン(DPCP)などです。
もちろん副作用が出ない様に弱いダメージを継続的に与えるので、
長くて1年の通院が必要になります。
局所免疫療法による副作用はかぶれがコントロールできずじんましんやリンパ節腫脹といった症状が出ること。
しかし、子どもも使うことができるほか重症患者に効果が期待されます。
発毛の回復を促進するために近赤外線を照射します。
遠赤外線よりも波長が緩いものと考えていただければOKです。
この施術は効果も副作用も軽いので、初期段階の円形脱毛症への効果が期待されています。
他には、紫外線を照射することによって発毛を促進するPUVA療法もありますが、こちらはまだ試験段階と言えます。
このように、円形脱毛症はある程度の治療が可能ですが確実とは言えません。
少なくとも言えるのは、単発型の円形脱毛症が観られた段階で治療を行うと回復しやすいという点です。
「少しくらい…」と放置せずすぐに病院へ行きましょう。