これから資産運用や株式投資を始めようと思っている初心者の方が、まず初めにしなければならないことは「証券会社での口座開設」です。
しかし、口座を開設しようとしたときにまず初めに悩むのは、
「証券会社はたくさんあるけど、どこの証券会社を選べばいいの?」
「証券会社を選ぶ時に気を付けることはあるの?」
という、つまりは「証券会社の選び方」ではないでしょうか。
日本には約260社もの証券会社があります。その中から自分なりの基準を持って証券会社を選びましょう。
ここでは、証券会社を選ぶ際に考えるべき基準をまとめていますので、証券会社を選ぶときに気を付けるべきことを確認して、自身の証券会社選びに役立てていただければと思います。
証券会社を選ぶ4つの基準
証券会社を選ぶ際に、どこを比較して選べばいいのかの基準を4つにまとめてみました。
自分の投資スタイルを考えながら、どの基準を重視しているのかを考えて、証券会社選びに役立ててください。
- 「手数料」システムの違い
- 「取引ツール」
- 「情報の質」
- 「取り扱い商品」の差
で証券会社を比較することをおすすめします。
①手数料システムの違いで証券会社を選ぶ
1日の取引が10万円以下であれば手数料が無料であったり、何回も売買をしても手数料が固定だったり、各社によって手数料の体系は異なります。
年に数回しか取引をしないが、1ロットが大きい方の場合、手数料の割引がある証券会社がいいでしょう。
毎日頻繁に売買をする人は、1日に何度売買をしても手数料が一律の証券会社の方がお得かもしれません。
どのようなスタイルで投資をするかによって、最適な手数料システムは異なります。
きちんと自分の投資スタイルを見極め、それに合った証券会社を選択することが大事です。
②取引ツールで証券会社を選ぶ
取引ツールとは、株取引において投資家をサポートするものです。
簡単に言うと、ネット上で株式の注文ができるシステムです。
また、日経225などの各種指標や個別名柄の詳しい情報、テクニカルチャート、為替のレートなどがすぐに調べられるものです。
どこの証券会社も自社の取引ツールをもっています。口座開設をしていれば無料で使えるところがほとんどです。
しかし、証券会社によって取引ツールの内容は様々です。
取引ツールは会社毎に独自色を出しており、自分に合った取引ツールを見つけることが投資の結果にも好影響を与えるかもしれません。
何社かの取引ツールを比べて、一番使いやすいところを選んでもいいでしょう。
デモ口座を開設してデモ取引をしてみる
また初心者におすすめなのは、証券会社がネット上で公開しているデモ取引・デモ口座です。
最近は無料でデモ口座を開設することができる証券会社が増えていますので、試しに取引ツールを使ってみると参考になると思います。
③情報の質で証券会社を選ぶ
株式投資において、「情報」が非常に大事であることは何度も伝えてきました。
証券会社側も投資家の方により自社を選んでもらうために、「情報の質」を向上させようとしています。
そのために、投資マーケットを分析するプロである「証券アナリスト」を社内に抱えています。
彼らは、業界や企業の調査・分析を行い、レポートを執筆することを仕事にしています。
口座開設をしていないと読めないレポートもある
アナリストの中にも、有名で人気のあるアナリストが存在します。有名なアナリストが書いているレポートは、お金を払わなければ読めないものなどもあります。
また、アナリストは専門にしている業界(精密機械業界・食品業界・小売業界など)や特異な分析手法(テクニカル分析・ファンダメンタルズ分析など)がありますので、自身の投資スタイルに合っているアナリストを見つけることができれば、参考になるでしょう。
アナリストには人気ランキングがある
「日経ヴェリタス」という金融専門誌において、1年に1度アナリストランキングが発表されます。
もし興味があればインターネットで調べていただければ、どの証券会社にどんな人気のあるアナリストがいるのかを知ることができます。
お気に入りの証券アナリストがいる証券会社で口座を開設すれば、質の良い「情報」を効率よく収集することができるかもしれません。
④「取り扱い商品」の差で証券会社を選ぶ
証券会社によって金融商品の取り扱い商品の豊富さには差があります。
取引可能な国内株の種類には差はありませんが、外国株式の売買可能銘柄数、投資信託の取り扱い数、債券の取り扱い数、ひいてはIPOの幹事実績なども証券会社によって異なります。
当然、商品の選択肢の幅は広ければ広い方が、自分に合った商品を見つけれる可能性が広がりますので有利であると言えるでしょう。
取り扱い商品の豊富さも証券会社を比較する基準にしておいてください。
証券会社を知ることも大事
証券会社のことを知らずして、自分に合った証券会社を選ぶことはできません。
証券会社のことをよく知ることも証券会社を選ぶ上で大事な知識になります。
日本には証券会社が260社もある
証券会社の歴史は意外と浅く、1920年代頃に初めて証券会社ができたと言われています。
現在では、国内の大手の会社から中小証券会社、外資系の会社、ネット専門の会社まで様々あり、260社(2016年9月13日現在)あります。
手数料も各社によって異なりますし、独自のサービスやサポート体制がある会社もあります。
たくさん証券会社があってどこを選べばいいのか迷う人も多いと思います。
投資を始めるにあたって、自分に合った証券会社を見つけることが大事になってきます。
証券会社には「対面証券」と「ネット証券」がある
証券会社の種類は、大きく分けて「対面型」と「ネット型」の2つがあります。
口座開設をしようと思ったとき、まず初めに対面型の証券会社を選ぶのか、ネット専業の証券会社を選ぶのかを決めることが必要です。
その後に、先ほどの4つの基準をもとに比較をし、数ある証券会社の中から口座開設する証券会社を選択します。
対面型の証券会社とネット専業の証券会社の、それぞれのメリット・デメリットについて説明していきますので、ご自身が「対面証券」と「ネット証券」のどちらに向いているかを選ぶ際の参考にしていただければと思います。
①「対面証券」=昔ながらの店舗型証券会社
対面証券とは、昔ながらの証券会社の形態であり、店舗型の証券会社です。
駅前や街の中でも○○証券という看板がよく目につきますよね。
野村證券、大和証券、SMBC日興証券、みずほ証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券などが有名です。
投資のプロが自分のパートナーになってくれる
対面証券の特徴といえば、証券取引において「人を介することができる」ことだと思います。
ネット証券では情報の収集から商品内容の把握、売買の注文まで、すべてを自分ひとりで行わなければなりません。
取引の途中で誰かと話すことはありません。証券会社と取引をしているわけですが、取引相手の顔は一切見えません。
それに比べて、対面証券は、保有資産や運用額の多い少ないにもよりますが、担当の営業員がつきます。
証券会社の営業員は、全員が「証券外務員」という資格を保有しています。いわゆる「証券のプロ」です。
営業員もしくはコールセンターに電話をすれば、例えば、今日の相場の状況や新しい商品の説明、注文の取次など、あらゆる対応をしてくれます。
営業員に投資の相談ができる
昔から資産運用をされている高齢の投資家の方は、パソコンに不慣れなことが多く、ネットでの情報収集も苦手なので、対面証券を利用している方が多いです。
また、営業員に投資の相談ができるというのが大きなメリットです。日中働いている方は、相場の動きをずっと見ていることはできません。
毎日ずっと相場と向き合っている証券のプロから相場の状況などのアドバイスをもらえるのは役に立つことが多いでしょう。
また、投資家の方の中には、営業員とあれやこれやと意見を言い合いながら運用方針や銘柄を決めて投資をするのが何より投資の醍醐味だと考えておられる方もいます。
まだ投資を始めたばかりで知識がない、一人で投資判断をするのは怖い、常に資産状況を見ておいてくれるプロが欲しいという方には対面証券をオススメします。
対面証券のデメリット
対面証券にはデメリットもあります。デメリットも理解した上で、対面証券を選択するようにしましょう。
手数料が高い
まず何より、ネット証券と比較して手数料が高いです。
昔は、証券業界には対面証券しかなかったので、どの証券会社の手数料も似たり寄ったりでしたが、ネット証券が安い手数料を打ち出してからは、ネット証券の安い手数料と比較すると、高いと言わざるを得ません。
商品の勧誘を受ける
証券会社の営業員もノルマを課せられたサラリーマンですから、いろいろな商品をお客様に買ってもらおうとします。
そのため、新しい投資信託が出たり、新発の債券が出たりすると商品勧誘の電話がかかってきます。
当然、自分のニーズに合ったものを勧めてくることもありますが、そうでないものも多く含まれているでしょう。
情報を取捨選別することが大切だということを肝に銘じておきましょう。
営業員の良し悪しがある
自身のパートナーとなってくれる証券会社の営業員ですが、営業員にもいろいろな人がいます。非常に優秀な営業員もいれば、そうでない営業員もいるということです。
初めて担当になる営業員が誰になるかは選べませんが、その営業員と反りが合わなければ何かしら理由をつけて担当者を替えてもらうことはできます。
自分の大切な資産ですから不勉強で出来の悪い営業員に任せるわけにはいきませんので、運悪く良くない営業員が担当となった場合は、遠慮せずに担当者変更を申し出ましょう。
対面証券に向いている人
ネット証券よりも対面証券に向いている人は、
- プロに投資の相談をしたい
- パソコンやスマホなどのデジタル機器が苦手
- インターネット環境がない
- 相場の動きを見ている時間がない